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【画像未】子どもは大人より7度暑い環境にいる?熱中症についてクリニック理事長林裕章先生にお伺いしました

  • 2026.5.17

子どもの方が熱中症になりやすいと聞いたけど、どうして?熱中症になったらどうすればいい?見分け方はある?今回は林外科・内科クリニック理事長の林裕章先生へ熱中症に対する疑問や家庭でできる対策方法をお伺いしました。

ママ広場

夏が近づくと、外来で「うちの子、熱中症が心配で・・・」というご相談が増えてきます。結論からお伝えすると、子どもは大人よりも熱中症になりやすいと考えて行動するのが安全です。環境省も、子どもは熱中症になりやすいため周囲の見守りが必要だと注意を呼びかけています。

どうして子どもは熱中症になりやすいの?

理由は大きく3つあります。
ひとつめは、汗をかく機能がまだ未熟なこと。子どもは体重のわりに体の表面積が大きく、周りの暑さの影響を受けやすい体格をしています。

ふたつめは、子どもの目線の高さは想像以上に暑いこと。ここで保護者の方に知っておいていただきたいデータがあります。サントリー食品インターナショナルとウェザーマップ社の検証実験では、晴天で地面からの照り返しが強い条件下において、子どもの胸の高さで測った温度が、大人の胸の高さより約7℃高くなったと報告されています。大人が「30℃で暑いね」と感じている時、足元の子どもは37℃の世界にいることもあり得る、ということになります。

みっつめは、自分で「暑い」「気持ち悪い」と伝えにくいこと。乳幼児は言葉で不調を訴えられず、遊びに夢中になると喉の渇きにも気づきません。だからこそ、大人が先回りして気づくことが大切です。

こんなサインに気づいたら熱中症を疑って

こども家庭庁は、次のような様子を危険なサインとして挙げています。
○ふいてもふいても汗が出る、または、まったく汗をかいていない
○皮ふが熱い、赤く乾いている
○声をかけても反応がない、おかしな返答をする
○けいれん、まっすぐ歩けない
加えて、顔が赤い、ぐったりしている、頭痛・吐き気を訴える、おしっこが少ない・色が濃いといった様子も要注意です。「いつもと様子が違う」が一番の手がかりになります。

熱中症かなと思ったら、まず何をする?

日本小児科学会「こどもの救急」が示す対処の基本は次の通りです。
●すぐに涼しい場所へ移動(エアコンの効いた室内や日陰へ。衣服をゆるめる)
●体を冷やす(濡れタオルで拭く、風を送る、首・脇の下・脚の付け根を保冷剤などで冷やす)
●意識がはっきりしていれば、水分・塩分を補給(イオン飲料や経口補水液を少しずつ)
ただし、意識がぼんやりしている子に無理やり飲ませてはいけません。むせて気道に入る危険があります。

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救急車を呼ぶべき症状

次のいずれかがあれば、ためらわず119番してください。
◎呼びかけに反応しない
◎けいれんしている
◎まっすぐ歩けない
◎自力で水分が飲めない、飲んでもすぐ吐く
◎ぐったりして改善しない
救急車を待つ間も体を冷やし続けることが命を守ります。

病院に行くなら小児科でいい?迷ったら#7119へ

軽症で意識がはっきりし、水分も取れて休ませると改善してくる場合は、かかりつけの小児科に相談で問題ありません。
判断に迷った時は、救急安心センター事業「#7119」や、夜間・休日に小児科医や看護師に相談できる小児救急電話相談「#8000」を活用してください。

日常でできる熱中症対策

(1)暑さを「知る」
外出前に環境省「熱中症予防情報サイト」で暑さ指数(WBGT)や熱中症警戒アラートを確認しましょう。WBGT31以上は子どもの運動は中止が原則です。
(2)暑さを「避ける」
真夏の日中(特に11~15時)は短時間でも危険。先ほどの「子どもは大人より7℃暑い世界にいる」を思い出して、できるだけ日陰を選ぶ「日陰ファースト」で移動を。帽子も忘れずに。
(3)水分は「のどが渇く前」に
普段は水や麦茶で十分です。たくさん汗をかいた時や食欲が落ちている時に、経口補水液(OSー1など)やイオン飲料を活用します。経口補水液は塩分が高めに作られているので、水代わりにダラダラ飲ませる必要はありません。必要な場面で使うものと覚えておきましょう。
(4)室内でも油断しない
東京都のデータでは、熱中症発生場所の4割以上が住宅などの居住場所でした。エアコンを我慢せず、温湿度計で実際の室温・湿度を確認します。設定温度より、子どもが汗だくになっていないか、夜眠れているかを見るほうが実用的です。

絶対にやってはいけないこと

車内置き去り
「寝てるからちょっとだけ」は、短時間でも命に関わります。JAFの実証テストでは、エアコン停止からわずか15分で車内のWBGTが「危険」レベルに到達しました。乳幼児は体温調節機能が未熟で、命を落とすことがあります。
子どもが鍵をいじって閉じ込められる事故も毎年起きています。「車内に子どもを一人にしない」を徹底してください。

最後に:熱中症は「気合い」では防げません

子どもの熱中症は、本人の我慢や根性の問題ではなく、周りの大人が環境を整え、早めに休ませ、早めに水分を取らせることで防げる病気です。
「ちょっと様子が変だな」と思ったら、まずは涼しい場所へ。意識がはっきりしない、けいれんがある、水分が飲めない、ぐったりして改善しない時は、ためらわず119番または#7119へ連絡しましょう。早めの一歩が、お子さんの命を守ります。

参考資料・出典
環境省「熱中症予防情報サイト」「熱中症環境保健マニュアル2022」
こども家庭庁「みんなで見守り『こどもの熱中症』を防ぎましょう!」
国立成育医療研究センター「熱中症(熱射病)」
日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」
サントリー食品インターナショナル/ウェザーマップ「こども気温」検証実験
JAF「真夏の車内温度」ユーザーテスト
総務省消防庁「救急安心センター事業(#7119)」「小児救急電話相談(#8000)」

※本記事の作成・推敲にあたり、文章構成案および表現整理の補助として生成AIを使用しました。医学的内容については医師が確認し、必要に応じて公的機関・専門学会等の情報を参照しています。

執筆者

プロフィールイメージ
林裕章
林裕章

林外科・内科クリニック理事長。国立佐賀医科大学を卒業後、大学病院や急性期病院で救急や外科医としての診療経験を積んだのち2007年に父の経営する有床診療所を継ぐ。

現在、外科医の父と放射線科医の妻と、その人その人に合った「人」を診るクリニックとして有床診療所および老人ホームを運営しており、医療・介護の両面から地域のかかりつけ医として総合診療を行っている。科学的根拠だけでは語れない、人間の心理に寄り添う医療を実践している。また、福岡県保険医協会会長として、国民が安心して医療を受けられるよう、医療者・国民ともにより良い社会の実現を目指し、情報収集・発信に努めている。

林外科・内科クリニック

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