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インドネシア上空に「虹色の雲」が出現ーーその正体とは?

  • 2026.5.7
※ こちらは2022年に発生した同様の現象/ Credit: commons.wikimedia

先日、インドネシア・ボゴール県の上空で、幻想的な光景が目撃されました。

空に現れたのは、まるでAIが作った画像のような「虹色の雲」です。

あまりに鮮やかだったため、SNS上では「本物なのか」と驚く声も上がりました。

しかし、インドネシア気象気候地球物理庁(BMKG)は、この画像は紛れもなく本物であり、自然に起こる大気光学現象だと説明しています。

では、雲はなぜ虹色に見えたのでしょうか。

目次

  • 虹色の雲は、AIではなく自然が作った光の現象
  • なぜ「虹色の雲」に見えたのか

虹色の雲は、AIではなく自然が作った光の現象

ボゴール県の上空で虹色の雲が目撃されたのは、5月1日のこと。

現地の住民が撮影した動画には、空の一部に鮮やかな色を帯びた雲のようなものが映っていました。

その見た目は、普通の虹とも少し違います。

地平線から弧を描く虹ではなく、雲の一部がキャンディーのような色に染まっているように見えたのです。

実際の映像がこちら。

この珍しい光景を見た通行人たちは、車の速度を落としたり、路肩に停めたりして撮影を始めました。

そのため、一時的に交通が滞るほどだったと報じられています。

BMKGの公共気象部門局長代理であるイダ・プラムワルダニ氏は、この現象について、「太陽光と大気中の水滴が関係している」と説明しました。

空気中に浮かぶ小さな水滴や氷の結晶に太陽光が当たると、光は散乱したり、回折したりします。

白く見える太陽光は、実際にはさまざまな色の光が混ざったものです。

それが雲の粒にぶつかることで、色ごとにわずかに分かれ、雲の縁や一部が虹色に輝いて見えることがあります。

ただし、今回の現象は単に雲そのものが虹色に変化したというより、虹と発達した雲の位置関係が重なって、より不思議な見え方になった可能性があります。

なぜ「虹色の雲」に見えたのか

またBMKGによると、動画に映っていた空では、発達した積雲が虹の一部を覆っていたと考えられます。

積雲とは、もくもくと盛り上がるような形をした雲です。

このような雲が虹の一部を隠すと、私たちが普段イメージする半円形の虹ではなく、欠けた虹や、雲の中だけが虹色に光っているような姿に見えることがあります。

つまり、インドネシア上空に出現した「虹色の雲」は、AI生成画像ではなく、太陽光、水滴、雲の位置関係が作り出した自然の光景だったのです。

今回の出来事が多くの人を驚かせたのは、単に珍しいからではありません。

私たちは最近、あまりにも精巧なAI画像をよく目にするようになりました。

そのため、現実の空に非現実的な美しさが現れると、つい「作り物ではないか」と疑ってしまいます。

しかし地球の大気は、ときにAIよりも不思議で、鮮やかな光景を実際に作り出します。

虹色の雲の正体は、空が見せた一瞬の光のいたずらでした。

AIのように見えた虹色の雲は、自然がほんの数分だけ空に描いた、光と水滴の作品だったのです。

参考文献

No, these rainbow clouds over Indonesia are not AI
https://www.popsci.com/environment/rainbow-clouds-indonesia-ai/

Amazing Videos Of “Rainbow Clouds” Over Indonesia Aren’t AI – Earth Really Is Just That Cool Sometimes
https://www.iflscience.com/amazing-videos-of-rainbow-clouds-over-indonesia-arent-ai-earth-really-is-just-that-cool-sometimes-83418

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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