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割引証はいつ出すのが正解? 元駅員が教える『窓口でスムーズに切符を買う』ためのちょっとしたコツ

  • 2026.5.16
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。元鉄道駅員の川里です。

今回は、私が駅員時代に体験した「裏目に出る親切」をご紹介します。もし割引きっぷを購入することがあれば、参考にしていただけると幸いです。

金額案内後の「割引証あります」

スーパーマーケットの有人レジで、会計後にクーポンを取り出している人を見かけたことはありませんか? 私はスーパーマーケットで働いた経験はないのですが、どうやらクーポンのなかには商品のバーコードより先に読み取らなければいけないものもあるようです。

最近、私もそのような光景を目にして「そういえば、駅員の頃にも似たようなことがあったなあ」と思い出しました。学生割引、シルバー割引、障害者割引など、鉄道にはさまざまな種類の割引サービスがあります。

私が勤めていた会社のきっぷ売り場に設置されていた係員用の機械は、乗車券や特急券などの情報を1枚ずつ入力すると、合計金額を自動で算出してくれるシステムでした。金額算出後に「割引証あります」と出されると、また入力し直しになってしまいます。

ありがたい注文方法

「〇〇駅まで、明日17時30分の特急、指定席窓側、乗車券だけは往復で」

窓口に来るなり、コーヒーチェーン店のように言葉を並べるお客さまもいます。そのようなとき、私は

「えー…もう一度、ひとつずつお願いします。どちらまでですか?」

と聞き返していました。

私が勤めていた会社では、駅員は手元にお客さまの注文内容を書き留めるメモを持っていました。このメモに行き先や座席の希望を記入するようになっており、駅員はメモの「行き先」「人数」といった欄を「どちらまでですか?」「何名様でしょうか?」と尋ねて確認します。

あるお客さまから

「駅員の負担を減らして円滑な旅行を行うために客にできることはありますか?」

と尋ねられて狼狽した経験があるのですが、もしいま答えるなら

「なにも気にする必要はないので駅員の質問に答えてください」

ということになると思います。

白紙、ひらがな、書き間違い

ただし、割引証があれば駅員からの質問は少し減るでしょう。割引証には利用区間や経由などを記入する欄があります。窓口に来て最初に「割引証があります」と渡していただければ、どこからどこまで何の割引を使って行くのかを把握できます。

ですが、なかには駅名どころか利用者の氏名すら書かれていない白紙の割引証を提出する方もいました。ある学生割引のお客さまは、鉄道自体を初めて利用するのか「なにを書けばいいんですか?」とフリーズしてしまいました。

「お客さまの氏名と学年、それに乗る駅と降りる駅を書いてください。経由の部分は空欄でも構いません」

しかし、そのお客様は経由の欄に降りる駅を書いてしまいました。

訂正するときは…

「そこは経由の欄です。降りる駅の欄は乗る駅の下です」

「あっ!」

私が指摘すると、お客さまは経由の欄に書いた文字を勢いよくぐちゃぐちゃに塗りつぶしました。

「…次からは、割引証を書き間違えたら二重線で訂正してくださいね」

なんとか正しく記入された割引証を受け取ることができました。

書いてくれるだけマシ?

帰省のシーズンになると、学生割引の割引証を何十枚も渡されることがあります。あまりにも間違いすぎて記入欄から大きくはみ出してしまったり、どう保管していたのかわかりませんが破れてしまったりと、実に個性あふれる割引証でいっぱいです。

それでは各種割引のなかで学生割引は嫌われているのかというと、決してそのようなことはありません。割引を使おうが使うまいが、私たちにとっては大切なお客さまです。

したがって懇切丁寧に笑顔で記入方法を教えるべきだったのでしょうが、業務に忙殺されていた私は残念ながらその優しさを持てなかった時もありました。

また、最も「いやだなあ」と感じたのは割引証の後出しでも白紙や書き間違いでもなく、

「割引証の使い方がわからない! 駅員のお前が書け!」

と記入を放棄するお客さまでした。割引証の不正使用を疑われるため、駅員はできるだけ割引証に直接記入するべきではないと考えていたためです。


ライター:川里隼生

鉄道会社の駅係員として8年間、4つの駅を経験しました。コロナ禍やデジタル化を通して移り変わってきた、会社としての鉄道サービスの未来像と、お客様それぞれが求めている鉄道サービスのあり方の両方から学んだことを記事にしていきます。


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