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ルール違反なのに…バスの停車場に自転車を停める保護者が続出→焦ったバス運転手の“咄嗟の行動”に「汗ばむほど緊張した」

  • 2026.6.7
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

路線バスの停留所にはバス停があり、車や自転車を置く人は少ないことでしょう。しかし、多くの送迎バスには停留所がないため、思わぬ障害物に苦慮することがあります。

今回ご紹介するのは、自治体が主催する小学生の連合運動会で、送迎バスを運行していたときのお話です。私を含むバスの運転士たちだけでなく、自治体や学校関係者すら驚いた出来事でした。

臨時の送迎バスでは、さまざまなことが起こります。しかし、このときばかりは、身勝手な保護者に苛立ちを隠しきれなかったことを今でも覚えています。

8台のマイクロバスで運動会の一斉送迎

15年ほど前、私は自治体の送迎バスを運行するバス会社に勤務していました。営業職だけでなく、現場に出てバスの乗務にあたることもしばしばありました。

秋になると、自治体が主催する連合運動会では、市内の小学6年生が1箇所に集まるため、マイクロバス8台で約500人の児童を送迎します。各小学校から会場へお送りする時間は、たったの1時間です。

発着をスムーズにするため、バスの停車位置、降車場所なども含めて、入念にシミュレーションしながら時刻表を作成します。当日の朝は残り7台を担当する運転士たちと再度打ち合わせし、8台が一斉に動き児童を迎えにいきます。

予定通りに運行が進んだとき、その達成感は素晴らしいものです。毎年繰り返し運行業務に携わってきたこともあり、その日も安全運行に注意しつつ、児童を乗せて会場へ向かっていました。

ところが・・・

会場へ着くと、予想だにしなかった事態を目にしました。

降車場所にしていた場所が駐輪場に・・・

各小学校では、保護者あてに会場の注意点を記したお手紙が配布されていました。もちろん、子ども達が送迎バスから降車する場所への駐輪は禁止の文言も書かれていました。

しかし、実際は警備員の目をかいくぐって自転車を停める保護者たち。他の利用者もそこが駐輪場だと勘違いした人が出てきたのか、みるみる間に、送迎バスの停留所は駐輪場へと化していきました。

会場の入口から近い場所で、空きスペースがあったら、停めたくなってしまったのでしょう。しかし、子どもの安全や限られた時間の中での運行にとって、想定外の誤算です。

運行中は携帯電話ではバス同士の連携が取れないため、トランシーバーを使って運転士同士のコミュニケーションを図っていました。

先頭車両だった私は、正直焦りました。児童が安全に降車できるようにと決めた地点。警備員がいるから大丈夫だと思い、二番目の候補となる停車場所は決めていなかったのです。

しかし実際は、保護者の自転車を誘導している警備員の一瞬の隙をつき、どんどん自転車が停められてしまいました。

後続車や他方面から到着する車両に判断が迫られる

私の運行するバスの後ろには、後続車が3台です。また、他の学校から会場へ向かっているバス4台も、時刻表通りなら間もなく到着します。

児童が降車したあと、まだ各車両2往復の運行が残っており、降車場所で悩んでいる時間はありません。安全はもちろんのこと、時間通りに運動会が開催されるよう、可能な限り努力するのも運転士の務めです。

私は、とっさの判断で窓を開け、大声を出して警備員へ伝えました。

「少し先で児童を降ろします!すみませんが、児童の誘導をお願いします!」

警備員も状況に気づき、近くにいた自治体や学校関係者に伝えてくれたのでしょう。複数の人がバスが停車するまで走って追いかけてきます。

私は予定していた停車場所から15mほど先にバスを停め、バスに追いついた関係者に児童の誘導をお願いしました。2台ずつ児童を降車させる予定が1台ずつとなり、予定よりも遅れつつも運行を再開できました。

冷や汗ものの運行も振り返れば良い経験となった

とっさの判断であったにもかかわらず、自治体や関係者からは問題なく児童を誘導できたと感謝のお声をいただきました。

しかし、運行中は背中が汗ばむほど緊張したのを覚えています。

当時、運行が無事に終えられたのは、周囲の協力があったからこそだと思います。突発的なことが起きたとき、自ら動いてくれる人たちがいたからこそ、子どもの安全が守られたと言っても過言ではありません。

こうした経験から、私は今でも自分自身の行動におごることなく、周囲への感謝を忘れないよう心掛けています。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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