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男性「ちゃんと飲んでますよ」笑顔で語る60代患者→後日、家族が相談してきたゾッとする事実…

  • 2026.6.8
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

薬局のカウンター越しに交わされる、わずか数分のやりとり。患者さんが上手に隠しているつもりの"ちょっとした嘘"も、私たち薬剤師には伝わっていることが少なくありません。

今回は、現場のプロだからこそ気づける小さなサインと、その裏にある本音をお伝えします。

薬剤師は「薬」だけでなく「人」も見ています

処方された薬を正確にお渡しすること。それだけが薬剤師の仕事ではありません。

処方箋一枚から見えてくる、患者さんの生活

処方箋には、その方の生活が透けて見えます。

睡眠導入剤と胃薬と降圧剤がセットで出ていれば「お仕事のストレスが強い時期かもしれない」と察しますし、同じ薬が短い間隔で繰り返されていれば、飲み忘れや紛失の可能性を考えます。

一枚の紙から体調だけでなく、心の状態や生活リズムまで読み取ろうとしているのです。

「お変わりありませんか?」のひと言に込められた意味

何気ない問いかけにも、いくつもの意図が込められています。

副作用は出ていないか、服薬できているか、新しい不調はないか。声のトーン、目線、表情のわずかな変化まで観察しながら、お薬を準備しているのです。

実はバレている!患者さんの"ちょっとした嘘"

「言うと怒られそう」「恥ずかしい」本当のことを言えない瞬間は、誰にでもあります。

そんな"ちょっとした嘘"も、実は伝わっていることが多いのです。

「ちゃんと飲んでいます」と言いつつ、残薬がぎっしり

以前、60代の男性が毎月のように来局され、「先生の言う通り、きちんと飲んでますよ」と笑顔でおっしゃっていました。

ところがある日、ご家族が心配そうに「家に薬の山がある」と相談に来られたのです。

処方日数と来局間隔を照らし合わせれば、残薬の有無はおおよそ計算できます。実は私自身、ご本人の言葉と表情の微妙なズレに、以前から少し違和感を覚えていました。

決して責めたいわけではありません。効果が出ていない原因が「飲めていないから」なのか「合っていないから」なのかで、医師の次の判断がまったく変わってくるのです。

ご本人とゆっくりお話しし、一包化と服薬カレンダーをご提案したところ、その後は驚くほどスムーズに服薬が続くようになりました。

「お酒は飲みません」の裏に潜む顔色とニオイ

50代のとある女性は、肝臓の数値が気になる時期だったこともあり、「お酒は一切やりません」と毎回きっぱりおっしゃっていました。

けれど、ご来局のたびに顔色のほんのりとした赤みや、かすかな香りが気になっていました。

一部の薬はアルコールと相互作用を起こし、効きすぎたり副作用が強く出たりすることがあります。

あるとき思い切って「もし少しでも嗜まれることがあれば、教えていただけると安心です」とお伝えしたところ、しばらく黙られたあと「実は、寝る前に少しだけ」と打ち明けてくださいました。

正直にお話しいただいたおかげで、医師と相談のうえ、より安全な処方へと調整することができたのです。

「お見通し」だからこそ伝えたいこと

「全部バレているなら怖い」と思われたかもしれません。でも、私たちが見ているのは責めるためではなく、守るためなのです。

隠さず話すことが、結果的にご自身を守ることにつながると私は思います。

サプリメント、市販薬、晩酌の習慣、飲み忘れ。言いにくい気持ちはよくわかります。それでも正直にお話しいただくことで、より安全で効果的な提案ができます。

薬剤師は"味方"であり、責める存在ではないという本音

私たちは、患者さんを評価するためにカウンターに立っているのではありません。

生活の中で無理なく続けられる方法を一緒に考えたい。それが本音です。

「実はお酒、少しだけ」「飲み忘れが多くて」。そんな一言から、より良いお付き合いが始まります。


ライター:下田篤男

京都大学薬学部総合薬学科を卒業後、調剤薬局やドラッグストアグループで薬剤師として勤務してきました。総合病院の門前店舗では管理薬剤師を務め、たくさんの患者さんと向き合う日々の中で、「薬を渡す」だけではない、人と人との関わりの大切さを実感しています。現在は薬剤師として現場に立ちながら、医療記事の執筆・編集や薬局経営コンサルタントとしても活動中。読者の皆さまに、薬局がもっと身近で頼れる場所になるような情報をお届けしていきたいと思っています。


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