1. トップ
  2. 咲妃みゆ&花乃まりあ、宝塚同期が念願のミュージカル初共演! お互いの初対面の印象は?

咲妃みゆ&花乃まりあ、宝塚同期が念願のミュージカル初共演! お互いの初対面の印象は?

  • 2026.4.25
(左から)咲妃みゆ、花乃まりあ クランクイン! 写真:米玉利朋子(G.P. FLAG inc) width=
(左から)咲妃みゆ、花乃まりあ クランクイン! 写真:米玉利朋子(G.P. FLAG inc)

宝塚歌劇団で雪組トップ娘役を務めた咲妃みゆと花組トップ娘役を務めた花乃まりあ。同期生の2人がミュージカル『レッドブック〜私は私を語るひと〜』で退団後舞台初共演を果たす。19世紀のロンドンを舞台にした韓国発のオリジナルミュージカルで、社会の偏見などと闘いながら「私」として生きる道を見つけ出す女性の姿を描く本作に臨む2人に話を聞くと、それぞれの魅力のあふれた同期生ならではのトークが繰り広げられた。

【写真】同期生ならではの笑顔! 咲妃みゆ&花乃まりあ、インタビュー撮りおろしショット

◆日本初演ミュージカルで同期初共演が実現!

本国で「新時代のためのミュージカル」と高く評価され大ヒットした本作。咲妃は、“官能的な小説を書くことで社会と闘う”可憐さと大胆さが共存するギャップのある主人公・アンナを、花乃はそんなアンナの恋を応援する女性文学会の会長、ドロシーを演じる。小関裕太、エハラマサヒロ、中桐聖弥、加藤大悟、田代万里生ら実力派キャストが顔をそろえ、小林香が演出・上演台本・訳詞を担当することも話題の注目作だ。

――日本初演となる本作のオファーを聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか?

咲妃:韓国のオリジナルミュージカルは素晴らしい作品が多く、以前から注目していましたので、携わらせていただくことでたくさんの学びがあるなと思いました。さらに今回の演出を小林香さんが手がけられることも、お引き受けする決め手の一つとなりました。

花乃:私も韓国のミュージカルは素敵な作品が多いなと思っていました。ただ難易度が高いものが多いなという印象もあり、自分にとっては役がら含めなかなか難しい挑戦になるかなという思いもあったのですが、私も小林香さんとはお仕事をさせていただいたことがありまして絶大な信頼を置いていますので、ぜひ出させていただきたいと思いました。

――お話の印象はいかがでしたか?

咲妃:総体的に活気があり、現代にも通ずる社会的問題が描かれていたり、その中に人々の温かさを感じられたりと、いろいろな要素が詰め込まれた大変味わい深い作品だなと思いました。

韓国で観劇させていただいた時に、コメディー色が強い印象を受けたのですが、そういった中でも作品に込められているテーマは鋭く、明確に届いて来ました。ミュージカルとしての緩急も大変素晴らしくて。すごく考え抜かれた作品だなとも思いました。

花乃:香さんもおっしゃっていましたけど、描き方によってはなかなか描くこと自体が難しいというか、人によって持っている価値観や考え方が異なるテーマについて、すごく明るく間口広く描いている作品だなと感じました。これこそ本当にエンターテインメントというか、そういうメッセージ性を持った作品に役者として携われることがうれしいです。

――演じられるアンナはどういう女性でしょう。

咲妃:アンナは心配になるほど真っ直ぐで、自分の心に正直な人物です。それによってさまざまな障壁に直面しますが、それらを乗り越えるために勇気を振り絞れる女性だと感じています。そこがアンナの魅力の一つかなと。

――そんなアンナを応援する仲間がドロシーです。

花乃:ドロシーもアンナのようにすごく葛藤を抱いて戦っている女性ではあるのですが、でもそこを乗り越え、自分なりの1つの答えをもうすでに見つけている人なんじゃないかなとも思っていて。だからこそアンナに対して、自分の人生や経験を重ねて応援してあげたくなる、そういう大人の部分がある女性だと捉えています。

◆同期だからこそ見せられるアンナ&ドロシーの関係性を作り上げたい


――おふたりだからこそ紡ぎあげられるアンナとドロシーの関係がありそうですね。

咲妃:すごく特別な時間になると思います! りお(花乃の愛称)とセリフを交わせるって、願ったとしてもそう簡単に叶うことではないです。こうしてそれぞれの歩む道が交わるというのは、何かきっと理由があると思うので、これから一緒に過ごせる数ヵ月がとても楽しみです。(取材は3月に実施)

りおとだったらたくさん言葉を交わしながら作品を作り上げていけるような気がしますし、すごく特別な時間になるだろうなと今からワクワクしています。芝居の中で生まれる空気をお互い大事にしながらこの作品を愛していけたらいいなと思いますし、それができると静かに確信しています!

――力強いお言葉を受けて、花乃さんはいかがですか?

花乃:本当にうれしいです。同期生ですけど、ほぼ同時期に違う組でトップ娘役を務めていたこともあって、あまり交わることのない関係性だったので…。

うちの同期はみんなそうだと思うんですけど、昔から彼女のお芝居が大好きなんです。宝塚に入る前にバレエやお歌を習っている人は多くても、お芝居に関しては音楽学校に入ってから初めて触れた人がほとんど。その中でもゆうみ(咲妃の愛称)は本当に素晴らしい感性を持っていたんですよね。それから10ウン年(笑)、尊敬や憧れ、時には刺激をもらいながらずっと彼女の舞台を観てきたので、自分がそのボールを受けたり投げたりできるんだなと思うとすごくワクワクするし、うれしいですね。

咲妃:(感無量の表情を満面に浮かべ)この顔を文字で伝えてください!!(笑)

――ドラマ『越路吹雪物語』での共演もありましたが、稽古場でご一緒になるのは…

咲妃&花乃:(声をそろえて)タカラヅカスペシャル!(笑)

咲妃:お互いに相談し合って、助け合って、乗り越えた思い出があります。

――おふたりは、同じような時期に組替えを経験し、同時期にトップ娘役に就任、退団も2017年で同じ年と、大きな山を越えるタイミングが近かったんですよね。

花乃:でも私にとっては、常に2歩先、3歩先、10歩先を行ってくれる存在でした。実年齢はゆうみの方がお姉さんということもあると思うんですけど、彼女は早くから注目されていたし、同期の中でもみんなに尊敬されていて。組替えや就任もいつもゆうみが先に経験してくれているから、どうだった?と聞くことができました。退団だけ私の方が先でしたが、気持ち的にはそういう存在でしたね。

今回共演させていただけるとなった時に、辞めてからの歩みについて思いを馳せて。辞めてからだいぶ経ちますけど、その間ゆうみはどういう風に過ごしてきたのかなっていうことをすごく考えたんですよね。こうしてまた1つの作品で交わることができたので、そうした話もいっぱいできたらいいなと思っています。

◆初めて会った時の印象は?「南国のパワーが…」「こんな可愛い子が…」


――初めて会ったころの印象は覚えていますか?

花乃:おっとりしているんですけど、しっかりしてるというか。真面目だからちゃんとやってくれるだろうと上の期からの期待もあって結構大変な役職をやっていたよね。同じお掃除場だったけど、ゆうみは責任者で。

咲妃:一緒にバレエ教室をお掃除していたんです。

花乃:私的にはしっかり者で、いい意味で優等生な印象があります。

咲妃:私はこんな可愛い子が、自分の前に現れる人生にびっくりしました。

花乃:(笑)。

咲妃:ごめんなさい、故郷のことをどうこう言うつもりはないんですけど、宮崎では見かけたことのない華やかな女の子だと! それだけではなく、彼女は他者への思いやりにあふれた子だからみんなに慕われ、愛されています。芸事に関してはすごく貪欲で、ちゃんと自分のペースでコツコツと成長していくその姿は同期としてすごく素敵だな、刺激を受けるありがたい存在だなと思っていました。

元々持っている魅力に決して甘えずに、ちゃんと探求し続ける人で、在団中も卒業後も幅広いお役に挑戦している印象があります。何事に対しても誠実に取り組む人だからこそ、みんな一緒にお仕事したいと思うんだろうなと。

花乃:ありがとうございます。私は「これが宮崎が生んだ感性か!」と。ちっちゃくて細いんですけど、南国のパワーに満ちあふれていた印象が(笑)。

咲妃:(笑)。上級生も、「なんかすごく日焼けした子が入ってきた」と思われてたそうです。宝塚に入らせていただけるなんて夢のまた夢だったものですから、日頃からスキンケアなんてしていなかったですし、日焼け止めなんて面倒くさいという人間だったんです。よく合格できたなと思います…。

◆宝塚退団から9年 お互いの変わったところ、変わらないところ


――退団からしばらく経ちましたが、お互いのここが変わったなと思われる部分はどこでしょうか。

花乃:10代で宝塚に入って環境が大きく変わり、そこからどんな人生を歩んでいくかみんなまだ定まっていない中、私が見てきたゆうみは特に周りから期待されたり、上級生からいろんなことを任されたり、組配属になって成績が上だとみんなをまとめなきゃいけなかったり、早くからヒロインをやったりと、絶対に自分のことで必死なはずなのにあまり自分のことだけにはなれない、人生の大きなうねりを早くに経験している感じで。これだけは譲れないっていう自分の芯みたいなものが一貫してありつつも、いろんな場所で自分がどういう風にいたらいいか人間構築しているようで、きっと今はゆうみという人間を作っている最中なんだなと見ていました。

退団してからいろんなインタビューを読んだり、こうして普通に話している時の姿を見ると、「これが咲妃みゆさんだよね」という1枚の絵が完成したような印象を受けます。どちらかというと、何かが変わったというよりも、変わっていなくてすごいなと思うことの方が多いんですよね。

退団後すぐにご飯に行った時にも、「お仕事なんでもやりたい」って言っていたのをすごく覚えていて。2歩先、3歩先を行くという話もそうですけど、「あの時、ゆうみ、こう言ってたな」みたいなことを、その時の自分にはわからないけど数年後に私もそう思ったりすることがあったりする。今私が考えていることよりも常にその先を行っている姿が常にあるんですよね。(咲妃を見て)あ、またその顔(感無量な表情)して!(笑)

咲妃:りおは変わったというよりも、元々持っている彼女ならではの魅力がさらに開花している印象です。人として尊敬できる素敵なところがたくさんありましたし、見習いたいなと以前から思っていたのですが、そういう部分が、より一層彩りを増したというか。

りおの進みたい道がどんどん明確になっているように思います。周りと自分にとって何がベストなのかを柔らかく考えられるところなど、より素敵になっているなと思います。

◆初舞台から15年 話題作出演続く中、これから目指す姿は?


――昨年初舞台から15年を迎えられ、今年は咲妃さんが年初に『クワイエットルームへようこそThe Musical』があって、本作、秋には舞台『Yerma イェルマ』が、花乃さんは春に『ロマンティックス・アノニマス』、本作、夏にミュージカル『愛の不時着』、秋には『巨匠とマルガリータ』と、在団中以上のフル回転です。

咲妃:すごいね!

花乃:すごいよ、私たち。お互いに褒め合おう!(笑)

咲妃:本当に幸せなことです。特にコロナ禍を経てより一層当たり前なことは何ひとつないんだなと痛感しましたし、お互い健やかに舞台に立てているのはありがたいですし、同期の活躍は自分にとって特に力をもらえるものです。

――古巣の宝塚でも同期が副組長になられたりと、頑張られています。

咲妃&花乃:ねぇ~。

咲妃:いつか誰か就任するかもしれないなとは思っていましたけど、重要な役割を引き受けて頑張っていて。大人になったなと思うし、みんなそれぞれの場所で頑張っているのがうれしいですね。

――15周年もまだまだ1つの通過点として、これからどんな姿を見せていきたいですか?

花乃:聞きたい! すごく気になる。

咲妃:健やかでいたいというのは一番強く思います。加えて、誰かの役に立ちたいという思いが年々増しているんです。

自分がどんな役を演じたいか、どういう作品に携わりたいかじゃなく、この先も今回の『レッドブック』のように熱意のある方たちとご一緒できたらうれしいですし、少しでもご期待に応えたい。そして作品を観てくださる方の人生のお役に立てたらなと、おこがましいですが思っています。

花乃:今の話を聞いても、やっぱりすごいなって。5年後にこの気持ちになりたいと本当に思うんですけど、私はまだまだ自分!みたいな部分があって。

特にこの1、2年自分のライフステージが変化したこともあり、母という役割を経て自分自身について考えることがとても多かったんです。お母さんである前に私ってどういう人なんだろう?とすごく考えた時に、「これからどうなるか未来のことはわからないしな」と能天気に構えていた自分から、「ずっとお芝居をしたいんだ」っていう確信を得られるように変わったんですよね。今はその欲求に抗うことなく、欲張りなんですけど、貪欲に突き進んでいきたいなと思っていて。

いろんなことをやりながら仕事をするってすごく大変だったり、周りの人に迷惑をかけたりすることもいっぱいあると思うんですけど、そういう意味でも今回の役にはすごく勇気をもらえるというか。今はこういうスタンスで頑張って、5年後には「人の役に立てるように…」と言えるようになれたらいいなと思います!(笑)

咲妃:もう充分役に立っているよ~!

(取材・文:田中ハルマ 写真:米玉利朋子[G.P.FLAG inc])

ミュージカル『レッドブック~私は私を語るひと~』は、5月16日~31日東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)、6月27日~30日大阪・森ノ宮ピロティホール、7月4日~5日愛知・御園座にて上演。

元記事で読む
の記事をもっとみる