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35歳以上の出産はどう影響する? 子どものアレルギーとの関係

  • 2026.4.23
出典:シティリビングWeb
母親の年齢が高いと子どものアレルギーリスクが下がるって本当?

こんにちは。産婦人科医の齊藤英和です。

今回は、母親の出産年齢と生まれてくる児のアレルギー発症のリスクについて考えてみたいと思います。

35歳以上の出産は、子どもの食物アレルギーが少ない傾向に
出典:シティリビングWeb

世界的にも高齢の母親や父親からの出産は健康問題として増加していますが、親の年齢とアレルギー疾患との関連は依然として不明瞭であり、包括的に調査されていませんでした。

今回ご紹介する研究は、両親の年齢と出生児のアレルギー発症リスクを検討した研究(JAMA Netw Open. 2026 Jan 2;9(1):e2554694. doi: 10.1001/jamanetworkopen. 2025.54694. PMID: 41557350)です。

アレルギー疾患は遺伝的要因と環境要因の複雑な相互作用によって影響を受け、遺伝子と環境の相互作用が重要な役割を果たします。生活習慣の変化や工業化は、世界的なアレルギー疾患の増加に関係しています。さらに、環境曝露の影響はさまざまなエピジェネティック機構(※)を介して、個人の感受性や疾患の発症に寄与することがあります。

※エピジェネティック機構…DNAの塩基配列(遺伝暗号)を変えずに、DNAメチル化やヒストン修飾などの化学修飾によって遺伝子のオン・オフを切り替える仕組み

本研究は、全国における集団ベースの多施設共同前向き出生コホート研究で、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のデータを用いています。2011年1月から2014年3月に日本国内の15センターで参加者を登録し、1歳、2歳、4歳時に追跡調査データを収集しています。また、親の年齢とアレルギーに関するデータが記載されている単胎児を対象としており、本解析は2024年7月8日~2025年2月4日に実施しされました。

主要な評価項目は、1歳、2歳、4歳における医師診断による食物アレルギー、喘鳴、喘息、湿疹で、副次評価項目は、サブコホートとして2歳および4歳におけるハウスダスト感作を検討しています。

調整オッズ比(OR)は、欠損値に対して多重補完後、交絡要因を考慮して多変量ロジスティック回帰を用いて算出しています。交絡因子には、関連地域センター、母親のアレルギー歴、父親のアレルギー歴、母親の最高学歴、世帯収入、子どもの性別、出生体重、分娩方法、兄弟姉妹数、妊娠中の家庭喫煙、保育園、ペット、母体質量指数が含まれます。

その結果、35歳以上の母親から出生した子どもは、若い親から生まれた子どもに比較し、食物アレルギーと診断される確率が低いこと、喘鳴、湿疹、家粉ダニの感作に関しても2歳、4歳で同様の低下が観察されました。

高齢の親は、行動的、環境的、生物学的要因により、児のアレルギー発症を低下させる可能性があると考えられます。親の教育レベル、世帯収入、兄弟姉妹数、アレルギーの家族歴などの要因を調整しても、高齢の母親を持つ子どもは食物アレルギーの有病率が低くかった理由としては、母親の年齢層によって生活習慣、環境曝露、診断意識、医療を求める行動などが異なる可能性が影響していることが挙げられます。

今回の研究では、直接的にデータとしては示してはいませんが、高齢者における経済的・社会的安定性の向上、ヘルスリテラシー、環境管理の改善が児のアレルギー疾患発症を低減負軽させる可能性が示されました。

将来の公衆衛学的予防戦略として、年齢が若い層においても経済的・社会的安定性の向上、ヘルスリテラシー、環境管理ができる資質を早期に獲得できるような社会環境の構築を目指すことが児のアレルギーの負担を軽減するために必要と考えられました。

出典:シティリビングWeb

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。梅ヶ丘産婦人科ARTセンター長。昭和大学医学部客員教授。近畿大学先端技術総合研究所客員教授。国立成育医療研究センター臨床研究員。浅田レディースクリニック顧問。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。

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