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医師「放置しないで」→実は『脂肪肝』のサインかも…健康診断で注意すべき“たった1つのポイント”とは?【医師が解説】

  • 2026.5.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「太っていないから大丈夫」そんな油断が、実は肝臓を蝕んでいるかもしれません。

かつては肥満の方の病気と考えられていた脂肪肝ですが、近年ではアルコールを飲まない痩せ型の方にも広がる「隠れ脂肪肝(NAFLD)」が問題視されています。

健康のために選んでいたはずのヘルシーな間食が、実は肝臓に負担をかけている可能性もあります。なぜ肥満でなくても肝臓に脂肪がたまってしまうのか。その原因と、明日からできる正しい食生活のルールについて、専門家の見解を紐解きます。

なぜ「痩せ型」でも肝臓に脂肪がたまる?隠れ脂肪肝のメカニズム

---かつて脂肪肝といえば肥満の方の病気というイメージでしたが、近年は痩せ型の方でも注意が必要だと言われています。なぜ肥満でもないのに肝臓に脂肪がたまってしまうのでしょうか?

松岡雄治さん:

「『太っていないから大丈夫』という油断から生じる間食などによる『糖質過多』と、『筋肉(糖の貯蔵庫)の不足』が、隠れ脂肪肝の原因になることがあります。

かつて、脂肪肝といえば、お酒を飲んでよく食べる肥満の方の病気と知られていました。しかし、近年では、アルコールを飲んでいない方や、肥満でない方にも脂肪肝になる病気(NAFLD)が提唱されています。

では、なぜ肥満でもないのに肝臓に脂肪がたまるのでしょうか。
それは『満員電車から人が溢れる』ように、行き場を失った糖が肝臓に押し込まれるからです。

【隠れ脂肪肝が完成するフロー】

  • 糖の流入:間食で過剰な糖分をとると、まず筋肉や肝臓へ『グリコーゲン』として蓄えられます。
  • あふれた糖の変化:痩せ型の人は筋肉量が少なく貯蔵庫が小さいため、入りきらずにあふれた糖は中性脂肪に作り替えられます。
  • 肝臓への蓄積:肝臓への脂肪のたまりやすさも体質によって異なり、遺伝的素因(PNPLA3遺伝子など)を持つ人では、脂肪が皮下ではなく肝臓につくことがあります。

痩せ型の人ほど、筋肉という受け皿が小さいため、間食の糖質がダイレクトに肝臓の負担となります。脂質を避ければ良いと考えがちですが、日々の『おにぎりだけ』『甘い飲み物だけ』といった糖質偏重の習慣もあらためて見直す必要があります。これが肝臓を守る第一歩となります。」

「体に良い」は落とし穴?ヘルシーな間食に潜む3つの罠

---健康を意識して、お菓子の代わりにフルーツやナッツを食べる方も多いと思います。こうした「ヘルシー」とされる食品にも、注意すべき点はありますか?

松岡雄治さん:

果物やナッツなどのいわゆる『ヘルシーな食品』であっても、果糖の性質とカロリーを理解していなければ肝臓に脂肪を蓄積させる原因になります。

健康を意識して、お菓子の代わりにフルーツやナッツを選ぶことで対策をとっている方もいるのではないでしょうか。ただし、これらの食品には、健康に良いというイメージの裏に思わぬ落とし穴が潜んでいます。

【ヘルシーな間食がはらむ3つの落とし穴】

  • 果物の落とし穴:果物に含まれる『果糖』は、全身の筋肉などで使われるブドウ糖とは異なり、トリグリセリド(中性脂肪)に変換されやすい性質を持ちます。
  • ナッツの落とし穴:ナッツは動脈硬化予防に有用な不飽和脂肪酸を含みますが、実は高カロリーです。食べ過ぎればカロリーオーバーとなり、余ったエネルギーは肝臓の脂肪となります。
  • 低糖質スイーツの落とし穴:糖質が抑えられていても、美味しさを補うために生クリームやバターなどの脂質が多く使われていれば、結果として肝臓に脂肪がたまります。

『体に良いからいくら食べても太らない』という食品は存在しません。食品の性質を知り、適切な量を見極めることが未来の健康を守る鍵となります。低糖質や低脂質といった表記をみると食べても問題ないように感じますが、カロリーの総量も意識して食品を選びましょう。」

明日から実践!隠れ脂肪肝を防ぐ食生活と医療の上手な活用法

---では、私たちは日々の生活でどのような点に気をつければよいのでしょうか。また、病気を疑うべきサインがあれば教えてください。

松岡雄治さん:

「間食を楽しむなら『量と種類』を明確に定め、活動量の高い『日中』に食べ終える工夫が必要です。
仕事や家事の合間に、ホッと一息つくための間食を完全にゼロにするのは精神的なストレスになります。ただし、肝臓への負担を最小限に抑えるため、明日から以下のルールを実践してみてください。

【隠れ脂肪肝を防ぐ間食と行動のルール】

  • 果物、ナッツはほどほどに
  • 間食は『日中』に終える

夜遅くや就寝前の飲食は、エネルギーが消費されずダイレクトに肝臓に蓄積されます。夜のデザートは控え、日中の活動時間に楽しむように切り替えます。

もし健康診断の血液検査で、肝機能の数値(ALT)が高値と表記されていたら、たまたまだと放置しないでください。
また、自力で食生活を改善するのが難しいと感じたら、消化器内科を受診し、超音波検査や肝臓の硬さを推測する血液検査を受けて肝臓の状態を客観的に評価してもらいましょう。エコー検査は痛みもなく、肝臓の様子をよく観察することができる優れた検査です。ぜひ医療もうまく活用して、知らず知らずのうちに肝臓の病気を抱えているということのないようにしましょう。」

適切な食品選びと生活習慣で、未来の肝臓を守ろう

今回の取材を通じて分かったことは、脂肪肝は決して肥満の方だけの悩みではないということです。「ヘルシーだから」という思い込みを捨て、食品の性質やカロリーを理解して選択することが、私たちの肝臓を守る鍵となります。

夜のデザートを控え、日中の活動時間に楽しむというルールを設けるだけでも、肝臓への負担は大きく軽減されます。もし健康診断の結果に少しでも不安がある場合は、放置せずに専門医を受診することが重要です。日々の小さな食習慣を見直し、今日から肝臓をいたわる生活を心がけていきましょう。


監修者:松岡雄治
麻酔科専門医。総合病院、大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じ、幅広い周術期管理に従事。現在は急性期病院で麻酔科医として勤務する。日々、美容領域を含む各診療科の手術に携わっている。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、商品監修、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。睡眠コンサルタント、睡眠検定1級の資格も保有。

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