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確定申告で“年48万の医療費”を控除→「所得税を抑えられた」と喜ぶが…数ヶ月後、国保の通知を見て50代男性が“驚いたワケ”

  • 2026.6.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

確定申告で「今年は所得税を抑えられた」と安心していたのに、数か月後に届いた住民税や国民健康保険料の通知を見て、思ったほど家計が楽になっていないと感じる方がいます。

特に自営業者は、会社員のように税金や保険料が給与から自動的に引かれるわけではありません。通知書を見て、まとまった負担に気づくこともあります。

今回は、所得税だけを見て家計改善を判断してしまった50代自営業者の事例をもとに、住民税と国民健康保険料まで含めて見る大切さをお伝えします。

所得税が減っても安心できない理由

Aさんは52歳の自営業者です。国民健康保険には、Aさんと妻の2人で加入していました。

妻のパート収入は年間80万円ほどです。Aさんの年間売上は約720万円。材料費、通信費、車両費、外注費などの必要経費が約300万円あり、事業所得は約420万円でした。

その年は通院や歯科治療が重なり、家族分を含めた医療費が年間約48万円かかったそうです。確定申告では、医療費控除を使い、さらに必要経費も整理しました。その結果、所得税の負担は想定より数万円軽くなりました。

ただし、この差には医療費控除だけでなく、経費の増減なども影響しています。

Aさんは「所得税が減ったなら、今年の家計はかなり楽になる」と考えていました。

ところが、6月に住民税の通知が届くと、年間の住民税は約24万円。さらに国民健康保険料の通知を見ると、年間で約55万円の負担になっていました。月平均で考えると、住民税は約2万円、国保は約4万5,000円ほどです。所得税が減った安心感よりも、毎月約6万5,000円の住民税と国保の重さが家計に残りました。

Aさんが見落としていたのは、所得税、住民税、国民健康保険料が同じ計算方法ではないという点です。特に驚いたのは、所得税で効果があった医療費控除や所得控除が、国保の所得割計算にそのまま反映されるとは限らないことでした。

“税金の節約”がそのまま国保に効くとは限らない

所得税、住民税、国民健康保険料は、どれも前年の所得が関係します。ただし、計算の仕組みは同じではありません。

所得税や住民税では、基礎控除、配偶者控除、社会保険料控除、医療費控除などを使って税額を計算します。扶養控除などもありますが、控除額や扱いは所得税と住民税で異なる場合があります。

一方、国民健康保険料の所得割では、前年の所得から一定の基礎控除を差し引いた金額をもとに計算する自治体があります。たとえば世田谷区では、国民健康保険料の賦課基準額を「前年の所得額-住民税基礎控除43万円」と説明しています。また、扶養控除、社会保険料控除、医療費控除などは適用されないとされています。

つまり、所得税や住民税では控除によって負担が軽くなっても、国民健康保険料まで同じように下がるとは限りません。

また、国保には所得に応じてかかる所得割だけでなく、加入者数に応じてかかる均等割などがあります。そのため、所得が少し下がっても、保険料全体が同じ割合で減るわけではありません。

さらに、40歳から64歳までの国保加入者は、国民健康保険料の中で介護分保険料も計算されます。Aさんのような50代の国保加入者は、医療分や支援分に加えて介護分も計算されるため、国保の負担を重く感じやすい年代でもあります。

年度や自治体によって保険料の区分は異なるため、通知書で内訳を確認することが大切です。ここを見落とすと、「所得税は減ったのに、なぜ国保はこんなに高いのか」と感じてしまいます。

FP視点で見る「本当の手取り」

自営業者の家計管理では、所得税だけを見て判断しないことが大切です。

確認したい書類は、確定申告書、住民税決定通知書、国民健康保険料の納入通知書です。この3つを並べると、所得税は減っていても、住民税や国保の負担がどれくらい残るのか確認できます。

大切なのは、「税金をいくら減らすか」ではなく、「税金と保険料を払った後にいくら残るか」です。節税だけでなく、住民税、国保、国民年金、事業資金まで含めて手取りを考えることが、自営業者の家計を守るポイントです。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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