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「菌が着々と増殖してしまう」管理栄養士が警告。実は『食中毒』リスクを高めてる… 夏の冷蔵庫に潜む“NG習慣”とは?

  • 2026.6.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「冷蔵庫に入れているから安心」と思っているあなた、その油断が夏の食中毒を招いているかもしれません。実は、冷蔵庫は細菌を完全に排除する無菌室ではなく、使い方を誤ると庫内でも菌が着々と増殖してしまうのです。

なぜ夏場になると食中毒リスクが高まるのか、そしてどんな冷蔵庫の使い方がNGなのか——。管理栄養士の工藤まりえさんに、科学的な根拠をもとにした徹底解説と今すぐ実践できる対策を伺いました。

冷蔵庫に入れても安心できない?夏の食中毒が増えるワケ

---「冷蔵庫に入れていれば食中毒は防げる」と考えている方も多いと思います。しかし夏になると食中毒のニュースが増えるのはなぜでしょうか?

工藤まりえさん:

「冷蔵庫に入れているから大丈夫!」と思っていませんか?冷蔵庫は食中毒菌を完全にシャットアウトする無菌室ではありません。夏場に食中毒リスクが高まるのには、科学的な根拠があるんです。

まず、買い物から帰宅するまでの「温度管理」が最初の鍵です。暑い外気にさらされた食材は、店内にいた時よりも品温が上昇しています。帰宅後冷蔵庫に入れても、食材の芯まで冷却されるには時間がかかります。さらに、扉を開けて食材を出し入れする際、庫内には外気が流入し、設定温度よりも一時的に温度が上昇します。この「冷却ラグ」が、細菌が増殖する絶好のチャンスとなってしまうのです。

また、夏場の室温の高さも大きな要因です。調理中、頻繁に扉を開閉すれば、流入した温かい空気が庫内の温度を引き上げてしまいます。特に菌は20℃〜50℃の間で増殖速度が最大化するため、わずかな温度上昇でもリスクは跳ね上がります。

忘れてはいけないのは、冷蔵庫はあくまで「細菌の増殖を抑制する環境」であり、殺菌する機能はないという点です。生肉から出るドリップに含まれる菌が他の食材に付着する「二次汚染」や、密閉が不十分なままの保存は要注意です。」

庫内がパンパンは危険のサイン!やってしまいがちなNG習慣

---では、具体的にどのような冷蔵庫の使い方が食中毒リスクを高めてしまうのでしょうか?

工藤まりえさん:

「冷蔵庫の『詰め込みすぎ』や『頻繁な開閉』は、冷却能力を低下させ、食中毒菌にとって最高の繁殖環境を自ら作ってしまう行為です。

まず、詰め込みすぎは最大のNG習慣です。冷蔵庫は冷気が庫内を循環して温度を保つ仕組みのため、食材でパンパンだと冷気の通り道が遮断され、庫内に『温度のムラ』が生じます。冷気が届かない場所では、冷蔵庫内であっても菌が活発に活動できてしまうのです。なお、冷凍庫は逆に食材を詰め込んだ方が凍った食材同士が保冷し合い温度が安定しますが、冷蔵庫は『容量の7割』を目安に、冷気が循環するスペースを確保するのが鉄則です。

次に扉の開閉は、外気の流入による庫内温度の上昇を招きます。特に夏場は、一度上がった温度を元に戻すのに時間がかかり、その『冷却ラグ』が菌の増殖を許してしまいます。

また、作り置きの保存も重要なポイントです。温かいまま庫内に入れると温度が急上昇し、周囲の食材までリスクに晒します。必ず清潔な容器に小分けし、粗熱をしっかり取ってから保存しましょう。夏場はキッチンで粗熱をとるのが難しい場合も多いため、保冷剤を活用して素早く冷却し、大切な食材をリスクから守っていきましょう。」

今日から始められる!夏の食中毒を防ぐ冷蔵庫の賢い使い方3選

---具体的に、夏場の食中毒リスクを抑えるために冷蔵庫をどのように使えばよいか教えてください。

工藤まりえさん:

「夏場の食中毒リスクを抑えるには、『いかに食材の品温を上げず、低温をキープするか』が勝負です。今日からできる賢い使い方を3つご紹介します。

まずは『整理整頓と場所の固定』。庫内は7割を目安に、冷気の吹き出し口を塞がないよう余裕を持って収納しましょう。加熱済み食品は『上段』、生肉は『下段』と分けることで、万が一の肉汁による二次汚染を防げます。作り置きのおかずも、大きな容器のままではなく、小さく浅い容器に小分けしましょう。冷えるまでのスピードが格段に早くなり、菌が増殖する隙を与えません。

次は『買い物後のスピード勝負』です。夏場は持ち帰るまでの時間が最大の危険地帯。保冷バッグと保冷剤をフル活用し、食材の温度を上げない工夫を。玄関まで保冷状態で届けてくれるネットスーパーも、賢く利用して温度上昇リスクを抑えていきましょう。

最後は『扉の開閉を家族ルールに』。料理をする人だけでなく、「何かおいしいものないかな?」と冷蔵庫を覗きに来る家族にも要注意!扉を開けてゆっくり庫内を探索するその時間が、温度を急上昇させています。「開ける前に何を取るか決める」というルールを家族で共有したり、おやつやお茶の場所はわかりやすくメモで伝えたりすると、冷蔵庫の開閉回数や時間が少なくなるでしょう。」

冷蔵庫の「正しい使い方」が家族の健康を守る

冷蔵庫さえあれば安心——そんな思い込みが、実は夏の食中毒リスクを高める落とし穴になっていました。工藤さんの解説を通じて、「詰め込みすぎない」「開閉を素早く済ませる」「粗熱を取ってから保存する」という3つの習慣が、食中毒予防の要であることが分かりました。

特に、7割収納・上下段の使い分け・保冷バッグの活用・家族での開閉ルール共有といった対策は、今日からすぐに取り組めるものばかりです。難しいことは何もありません。毎日の小さな意識の積み重ねが、大切な家族の健康を守る大きな力になります。この夏は、冷蔵庫の使い方を今一度見直してみてください。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

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