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「コホッ」食事中にむせる80代母→年齢のせいと放置した結果…待ち受けていた“想定外の事態”に家族「見過ごしてしまった…」

  • 2026.6.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。歯科医師として、日々、食べることと口の機能のつながりを診ている鷹巣多紀です。

高齢の家族と食卓を囲んでいると、食事にかかる時間が長くなったり、食べる量が以前より減ったりする変化に気づくことはないでしょうか。「年齢のせい」と思いながら見守る場面もありますが、口や飲み込む機能の変化が関係している場合もあります。

今回は、80代の方の食事中の小さな変化を見逃し続けた家族の体験を紹介します。

食後にむせたり、時間がかかるように…

Bさんは以前から食事が好きで、家族との夕食を楽しみにしていました。ところがあるころから、食べているときに「コホッ」とむせるようになり、食後には声がゴロゴロと湿った感じになることが増えてきました。

食事にかかる時間も少しずつ長くなり、以前は完食していたお茶碗が半分ほど残る日も出てきたそうです。「年を取ればそんなもの」と、家族は大きく気にしていなかったといいます。

その後、Bさんは微熱と咳を繰り返すようになりました。市販薬で様子を見ていたところ、ある朝急に体調が悪化し、受診した病院で肺炎と診断されました。そのまま入院となり、退院後は歩くことが難しくなって、日常生活に介助が必要な状態になったそうです。

家族は「むせ以外にも変なことが続いていたのに、見過ごしてしまった」と振り返っています。

なぜ肺炎につながるのか

飲み込む動作のことを「嚥下(えんげ)」といいます。

加齢や口の中の機能低下によって嚥下がうまくいかなくなると、食べ物や唾液が食道ではなく気道(空気の通り道)に入ってしまうことがあります。この状態が「誤嚥(ごえん)」です。

誤嚥した食べ物や唾液には口の中の細菌が含まれており、それが肺に届くと炎症を起こすことがあります。これが「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」です。むせが出にくいのに誤嚥が起きる「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)」という状態もあり、見た目にはわかりにくいことも少なくありません。

見逃しやすいサイン

次のような変化が重なったときは、嚥下機能の低下を疑うきっかけにしてみてください。

  • 食事中や食後にむせる
  • 食後に声がゴロゴロと湿った感じになる
  • 食事に時間がかかるようになった、または食べる量が減った
  • 体重が減ってきた
  • 微熱や咳が続く
  • 口の中が汚れやすくなった
  • 入れ歯が合わなくなってきた、または使わなくなった

いくつかの変化が重なる場合は、早めに相談先を考えることが大切です。

どこに相談すればよいか

まずはかかりつけの内科や総合診療科に状況を伝えることが最初の一歩です。必要に応じて、耳鼻咽喉科(耳鼻いんこう科)やリハビリテーション科で専門的な評価を受けることができます。

歯医者では、口の中の清潔を保つケアや入れ歯の調整を通じて、食べやすさや口腔環境を整える相談ができます。

口腔内の細菌が誤嚥性肺炎に影響することは研究でも示されており、口の状態を確認することは高齢の方の健康管理において重要な視点です。

むせるだけと見逃さず、食後の声と口の変化に目を向けて

「年齢のせいだから仕方がない」と一人で判断せず、気になることがあれば医療機関に相談することをお勧めします。

Bさんの家族が感じた後悔が、少しでも誰かの気づきにつながれば幸いです。


執筆・監修:鷹巣 多紀

大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw

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