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『月2,000円の共済では不十分』“月1.5万円の保険”に変更した40代女性→10年後、入院して気づいた“180万円”の大誤算

  • 2026.5.12
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「今まで月々2,000円の安い共済に入っていたけれど、もしガンになったらこれじゃ足りないわよね……」

健康診断で少し数値が気になり始めた45歳女性の会社員。保険の営業担当者から「最新治療や先進医療には多額の費用がかかります。月2,000円の共済だけでは不十分ですよ」と提案を受けます。

「家族を困らせたくない。何かあっても最高の治療を受けたい」

これは、家族を想うからこその純粋な行動です。こうして、月々2,000円の共済を解約し、毎月1万5,000円の手厚い民間医療保険に乗り換える決断をしました。

10年後に気づいた「支払った保険料」と「給付金」のギャップ

10年後の55歳。恐れていた通り、病気で1か月の入院と手術をすることになりました。

「高い保険に入っておいてよかった!」と安心したのも束の間、退院時に病院の会計窓口で請求書を見た瞬間、衝撃を受けます。

医療費の総額は100万円を超えていましたが、窓口での支払いは「約8万7,000円」でストップしていたのです。

実は、日本には「高額療養費制度」という非常に充実した公的制度があります。一般的な年収(約370万〜770万円)の方であれば、1か月の自己負担額には上限が設定されており、窓口で支払う額は10万円以下に収まるケースが多いのです。

結果的に、民間の医療保険からは入院給付金などで20万円ほどが支払われました。しかし、冷静に計算して愕然とします。

この10年間で払い続けた保険料の総額は180万円。180万円も払って、20万円しか受け取れなかったのです。

「家族のため」と思って削ってきた老後資金が、実は貯蓄として残せていたかもしれないという現実に、深い後悔を覚えることになりました。

「先進医療」という言葉の重みと確率

保険の検討時には「先進医療特約がないと不安」という声も多く聞かれますが、実際に先進医療を受ける確率は統計的に見て極めて低いのが現実です。

一般的に保険は「めったに起きないが、起きたら生活が破綻するリスク」への備えを重視する仕組みです。しかし、日本の公的医療保険制度は世界的に見ても非常に手厚く、「高額療養費制度」のおかげで、通常の病気やケガで生活が破綻することは稀です。

まずは公的保障の範囲を正しく理解した上で、自助努力での「貯蓄」と「保険」の役割を切り分けて考えることが、合理的な備えへの第一歩となります。

不安を「知恵」に変え、貯蓄と共済で財布を守る

「共済だけでは不十分」という指摘を検討する際は、まずご自身が加入している公的医療保険(健康保険)の保障内容を改めて確認することが大切です。

例えば、毎月1万5,000円の保険料を検討できるのであれば、手頃な共済で基礎的な保障を確保しつつ、残りの1万3,000円を貯蓄に回すという選択肢もあります。

10年間で150万円を超える現金を積み立てることができれば、それは医療費の補填だけでなく、生活費や老後資金など、どんな用途にも使える最強の「生活防衛資金」となります。

一時的な不安感で判断するのではなく、リスクの発生確率と公的保障、そして自助努力による貯蓄のバランスを冷静に考慮すること。それが、家計の安定と家族の安心を両立させる現実的なアプローチとなります。


※高額療養費制度の自己負担限度額は、年齢や所得によって異なります。また、入院中の「食事代」や「差額ベッド代(個室代)」などは制度の対象外(全額自己負担)となるため、それらを考慮した備えが必要です。自営業(国民健康保険)の方などは、会社員の「傷病手当金」に相当する休業補償がない点にも注意し、バランスを検討してください。

※先進医療(陽子線治療・重粒子線治療など)の技術料は高額療養費制度の対象外となり、全額自己負担です。実際に先進医療が必要になる確率は統計的に極めて低いものの、受療した場合の費用は数十万円〜300万円程度に達するケースもあります。先進医療特約の要否は、発生確率・費用水準・ご自身のリスク許容度を踏まえてご検討ください。

執筆・監修:金融の毒出し先生

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