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ただの薬味が世界の老化研究を覆す存在へ!?“本わさび”がもたらす驚きのパワーとは

  • 2026.4.13

日本の65歳以上の人口は30%に迫り(※)、生まれてから死ぬまでの「平均寿命」と自立して暮らせる「健康寿命」の間には約10年ものギャップが生じている。

※総務省統計局 令和7年9月14日「統計からみた我が国の高齢者」

介護や手助けが必要となるこの不健康な期間をいかに短くするかは世界共通の切実な課題だ。病気になってから治療するのではなく、毎日の習慣で未然に防ぐ「予防」こそが、今最も求められている。

このような老化研究で今、注目されているのが、私たちの食卓でおなじみの「本わさび」だ。刺身や蕎麦の脇役であるこの日本古来のハーブには、老化の根本原因を抑制し、脳のパフォーマンスまで向上させる驚くべきパワーが秘められているという。

鍵となるのは、本わさびから抽出される希少な健康成分「ヘキサラファン」。この身近な食材が、いかにして私たちの健康寿命を延ばすのか。

今回は、最新科学をライフスタイルへ昇華させるプロであるNOMON & Co.株式会社の山名慶さんと、わさび研究の第一人者である金印株式会社の奥西勲さんに老化抑制研究の最前線を聞いた。

日本人なら普段から口にすることも多い「本わさび」には、どのような効果・効能が隠されているのだろうか? 【画像提供=写真AC】
日本人なら普段から口にすることも多い「本わさび」には、どのような効果・効能が隠されているのだろうか? 【画像提供=写真AC】

寿命の壁に挑む。万病の元「慢性炎症」を食い止めよう

――現代の日本が抱える「老化」の問題と、最前線の研究について教えてください。

【山名さん】ニュースなどでも周知の通り、日本は、男性の平均寿命が約81.09年、女性は87.13年と世界に冠たる長寿の国です(※1)。私が子どもの頃だった1970年代は、65歳以上の高齢者は人口の7%程度でしたが、今や30%に迫ろうとしています。

※1:厚生労働省「令和6(2024)年簡易生命表」より

ここで問題になるのが、健康寿命と実際の寿命の間にある約10年のギャップです。平均寿命が75歳程度の国であっても同じように10年の差があり、世界共通の人類の課題なのです。

医療は発達していますが、病気になってから治す手段だけでは、この10年間を健康に過ごすことはできません。私は20年以上にわたり創薬の分野で薬を開発してきましたが、新しい薬をいくら作ってもこの社会課題は解決されないと痛感しました。

病気を持ったままどうにか寿命を延ばす処置ではなく、病気にならないためのテクノロジーを日常に落とし込むことが重要なのです。

老化制御研究のプロである、NOMON & Co.株式会社 取締役CTO/博士(学術)の山名慶さん
老化制御研究のプロである、NOMON & Co.株式会社 取締役CTO/博士(学術)の山名慶さん

――日常的な予防が、結果的に医療経済の課題解決や個人の負担軽減にもつながるのですね。

【山名さん】その通りです。現在、世界中で老化分野に巨額の投資が集まっています。たとえば、Amazon創業者のジェフ・ベゾスが老化抑制のスタートアップに30億ドルもの資金を投じたり、OpenAIのサム・アルトマンも個人で1億8000万ドルを出資したりしています。

また、「XPRIZE(エックスプライズ)」をはじめとする世界的な賞金レースでは、認知機能、免疫機能、筋力の3つの指標で人を10年若返らせることができれば1億ドルがもらえるプロジェクトが生まれ、世界中の研究者が挑んでいます。

――老化を防ぐためには、具体的にどのような点にアプローチすればよいのでしょうか?

【山名さん】老化研究の世界では「AGING HALLMARKS(エイジングホールマークス)」という、老化のおもな要因を12の指標に分けた世界的な基準があります。その要因の1つとして、「慢性炎症」 が起きやすくなると老化が促進されることが挙げられています。

長寿の傾向にある人は、そもそも体内の炎症レベルがとても低いことがわかっています。炎症をわかりやすく言えば「発熱」のようなものです。ウイルスが入ってきたり、体がどこかダメージを受けたりしたときに、細胞が抵抗してやっつけようと頑張ることで熱を持ちます。

この小さな火事のような炎症が、加齢とともに慢性的に体内で起こり続けること。それこそが、老化を促進する根本的な問題なのです。

慢性炎症は加齢に伴って誰にでも起こり得る現象ですが、放置するとがんや糖尿病、さらには心不全や腎機能低下など、さまざまな深刻な疾患の引き金になることがわかっています。いわば万病の元ですね。

なんでもない小さな炎症を未然に防ぐことが、健康寿命を延ばすためのポイントとなる 【画像提供=写真AC】
なんでもない小さな炎症を未然に防ぐことが、健康寿命を延ばすためのポイントとなる 【画像提供=写真AC】

薬味ではなく「薬草」だった。本わさびが持つ希少成分

――そこで「本わさび」が注目されたとのことですが、そもそもなぜ本わさびに着目するようになったのでしょうか?

【奥西さん】当社、金印株式会社は創業97年を迎えるわさび一筋のメーカーなのですが、実は25年ほど前まで、わさびの健康効果の研究にはほとんど着手していませんでした。

日本原産の植物なので海外での研究の土壌もなく、当時は香り成分ががんによいかもしれないといった論文が数本ある程度でした。

そこで、鎌倉時代や江戸時代の書物、さらに現存する日本最古の薬草辞典である平安時代の『本草和名』などをひもといたところ、わさびが「薬草」として使われていた記録がたくさん出てきました。

徳川家康が愛した逸話もあるほど古くから珍重されてきた植物ですが、江戸時代に握り寿司が誕生して以降、すっかり薬味としてのイメージが定着してしまいました。

しかし、本来は何らかの薬効成分があるはずだと考え、成分を徹底的に調べるスクリーニングを開始したのが約25年前のことです。

わさび研究の第一人者である、金印株式会社開発本部本部長/機能性ビジネス研究所所長の奥西勲さん 【画像提供=金印株式会社】
わさび研究の第一人者である、金印株式会社開発本部本部長/機能性ビジネス研究所所長の奥西勲さん 【画像提供=金印株式会社】

――そこで発見されたのが「ヘキサラファン」ですね。どのような特徴があるのでしょうか?

【奥西さん】はい。本わさびの根茎からわずかに抽出される希少成分「ヘキサラファン(6-MSITC)」に、とても強い抗酸化作用があることが判明しました。人間は激しい運動をしたり紫外線を浴びたりすると、体内に「活性酸素」が発生します。

活性酸素は外部からの敵を攻撃してくれますが、活性化しすぎると同時に自分の細胞を傷つけてしまう厄介な性質があり、これがシワやシミ、臓器の老化の原因になります。世の中にはビタミンCやポリフェノールなど、この活性酸素を弱めてくれる抗酸化物質がたくさんあります。

ヘキサラファンのすごいところは、ただ活性酸素を弱めるだけではなく、細胞の抗酸化能力そのものを高める点です。一度摂取すると、24時間以上もその効果が持続します。

もはや「薬味」という枠では収まりきらないスケールになりつつある「本わさび」 【画像提供=写真AC】
もはや「薬味」という枠では収まりきらないスケールになりつつある「本わさび」 【画像提供=写真AC】

【山名さん】金印株式会社の研究データを見たときは本当に驚きました。老化を促進する慢性炎症を引き起こす要因の1つが体内で過剰に発生した活性酸素による“酸化ストレス”なんです。この活性酸素に対する細胞の防御力(抗酸化能力)を高められるヘキサラファンは、慢性炎症を抑制し、老化の抑制につながるのです。

これまでの抗酸化物質が「火事が起きてから急いで火を消しに行く」ものだとすれば、ヘキサラファンは細胞内の司令塔(NRF2)を直接スイッチオンにして、「そもそも火事が起きないようにガスの元栓を閉める、細胞を燃えない素材にする」働きをしてくれます。日本の本わさびには、そんな素晴らしい成分が含まれているのです。

たった1時間で脳血流が上昇?世代を超えた驚きの即効性

――ヘキサラファンは、具体的に私たちの体にどのようなよい影響を与えてくれるのでしょうか?

【奥西さん】私たちが特に注力して研究を進めてきたのが「脳」への作用です。中高年の方を対象とした臨床試験では、ヘキサラファンの摂取により注意力、判断力、記憶力が明確に向上する結果が出ています。

さらに重要なメカニズムとして、認知症の原因の6〜7割を占めるとされるアルツハイマー病を引き起こす「タウタンパク質」を、ヘキサラファンが減らす働きを持つことも最近の研究でわかってきました。

ヘキサラファンの臨床試験が進めば、認知症患者が大幅に減る未来がやってくるかもしれない 【画像提供=写真AC】
ヘキサラファンの臨床試験が進めば、認知症患者が大幅に減る未来がやってくるかもしれない 【画像提供=写真AC】

【山名さん】たとえば「ウコン(クルクミン)が脳によい」と言われたりしますが、物質がきちんと脳に到達するのはなかなか難しいです。通常、脳には「血液脳関門(ブラッド・ブレイン・バリア)」と呼ばれる強固な関門があるので、大半の物質は脳に入らないよう弾かれてしまうんです。

しかし、ヘキサラファンはマウスの研究において、この関門を通過して脳に直接届いていることが明らかになっています。

特定の成分がダイレクトに脳にシグナルを送っているとすれば、非常にインパクトが大きく、効果の即効性が期待できる理由になります。現在、こうした知見を裏付ける研究も世界中で進んでいるところです。

――ご高齢の人の認知機能だけでなく、現役世代や若者の脳のパフォーマンス向上にも直結するのですね。

【山名さん】日々の仕事で頭がモヤモヤして働かないときや、試験勉強の追い込みのときなどにパッと飲むと、しばらくして頭がクリアになる体感があります。厳密な処方が決まっている医薬品とは違い、自分の体調に合わせて、食として楽しみながら取り入れられるのが天然成分の素晴らしいところです。

【奥西さん】少し余談ですが、お寿司やお刺身にわさびを添える日本の食文化も非常に理にかなっています。

神経細胞の実験で、魚の成分である「DHA」と「わさび」を同時に与えると、単体で与えるよりもシナプスがよく伸び、ドーパミンなどの神経伝達物質が多く分泌される驚きの相乗効果が確認されました。昔の日本人が経験則で生み出した食い合わせの知恵は、現代の科学で見ても正しいのです。

刺身とわさびの組み合わせ、当たり前のようにしている人も多いのでは? 【画像提供=写真AC】
刺身とわさびの組み合わせ、当たり前のようにしている人も多いのでは? 【画像提供=写真AC】

常温チューブはNG...今日から始める正しい「わさ活」

――素晴らしい効果ばかりですが、毎日すりおろした本わさびを食べるのはハードルが高いと感じてしまいます。上手な取り入れ方や目安量はありますか?

【奥西さん】臨床試験のデータから言うと、すりおろした本わさびで1日5グラム程度が目安になります。

実はヘキサラファンは、水や醤油に溶いてしまうと活性が失われやすい特徴があります。お蕎麦やお刺身で食べるときは、お醤油に溶かさずに、食材に直接乗せて食べる「ツウ」の食べ方が成分摂取の面でも一番効果的です。

一方で、加熱したり油と混ぜたりしても成分が残りやすい強みもあります。辛味が苦手な方は油分と合わせるのがおすすめです。

とんかつにわさび醤油を添えて食べるとさっぱりしておいしいですし、油分でコーティングされることで辛味もマイルドになり、食べやすくなります。

取材後、筆者がとんかつにわさび醤油を合わせてみると、油分のおかげで辛味がやわらぎ、思った以上にまろやかな味になった 【画像提供=写真AC】
取材後、筆者がとんかつにわさび醤油を合わせてみると、油分のおかげで辛味がやわらぎ、思った以上にまろやかな味になった 【画像提供=写真AC】

また、たらこパスタや納豆に少し混ぜると、独特の生臭さや納豆のにおいがきれいに消えてとても食べやすくなります。冷奴やサラダに少し乗せるだけでも十分ですので、日常のさまざまなメニューに取り入れてみてください。

――毎日の生活で「わさ活」するには、本わさびのチューブやサプリメントで摂取していくのがよさそうですね。

【奥西さん】スーパーに並んでいる常温保存のチューブわさびは、西洋わさびが使われていることが多く、ヘキサラファンはほとんど含まれていません。

選ぶなら、冷蔵コーナーや冷凍で販売されている高品質な本わさびチューブを選んでください。たとえば金印から販売されている「香るおろし本わさび」(冷蔵)や、業務用の冷凍本わさびなどが、チューブでの摂取によいですね。

チューブでの摂取もおすすめだが、成分が分解されやすい「常温保存」のものはNG 【画像提供=写真AC】
チューブでの摂取もおすすめだが、成分が分解されやすい「常温保存」のものはNG 【画像提供=写真AC】
チューブを選ぶなら、金印「香るおろし本わさび」のような冷蔵・冷凍タイプがおすすめとのこと 【画像提供=金印株式会社】
チューブを選ぶなら、金印「香るおろし本わさび」のような冷蔵・冷凍タイプがおすすめとのこと 【画像提供=金印株式会社】

【山名さん】チューブわさびは食事の際においしく取り入れられますが、忙しい日は毎回の食事でわさびを用意するのが難しいこともあると思います。そんなときは、サプリメントでの摂取が手軽でおすすめです。

具体的には、NOMONの「& WASABI」のようなサプリメントを活用すれば、本わさびの健康成分を効率よく日々のベースケアとして補えます。

休日の食事では本わさびのチューブを料理で楽しみつつ、平日の忙しい日はサプリメントを活用するなど、ご自身のライフスタイルに合わせて並行して取り入れていくのが、無理のない「わさ活」のコツです。どちらの手段でもしっかりと成分は摂れるので、やりやすい方法を選んでみてください。

忙しい日はサプリメントでの摂取で、効率よくベースケアしてみよう 【画像提供=写真AC】
忙しい日はサプリメントでの摂取で、効率よくベースケアしてみよう 【画像提供=写真AC】

歯の再生や疲労回復も。本わさびが拓く健康長寿の未来

――最後に、今後の展望や期待についてお聞かせください。

【奥西さん】お医者様と連携した臨床研究のなかで、「ブレインフォグ(脳に霧がかかったようにモヤモヤして思考力が低下する状態)」に悩まされていたり、「慢性疲労症候群」という激しい疲労感で起き上がれなかったりした患者さんがいらっしゃいました。

そうした方々が、ヘキサラファンの摂取によって回復し、無事に社会復帰を果たしたケースも報告されています。

薬ではない食品の成分でここまで明確な変化が見られる事実は、長年わさびを研究してきた私自身にとっても非常に驚きでした。また、最近の論文では、わさびが「歯の再生」を促し、歯を丈夫にするというデータも出て臨床試験が進んでいます。

 ヘキサラファンのパワーは全身へ! 【画像提供=写真AC】
ヘキサラファンのパワーは全身へ! 【画像提供=写真AC】

【山名さん】物をしっかりと噛める状態を保つことは、脳への血流を促し、認知機能の低下を防ぐためにも極めて重要です。歯を健康に保つ習慣が、結果的に脳の若々しさにも直結していく。ヘキサラファンが全身のアンチエイジングにつながる素晴らしい実例だと思います。

ヘキサラファンの最大の強みは、老化や病気のベースにある「慢性炎症」を細胞レベルで抑制できる点です。慢性炎症は、脳だけでなく全身のあらゆる臓器で起こり、さまざまな病気の引き金になります。

今後は、現在の「脳の認知機能向上」にとどまらず、現在の治療薬がないような他の疾患に対する予防やケアの領域でも研究を進めていきたいです。

誰もが人生の最期の日まで自分らしく健康でいられる「ウェルビーイング」な社会を作るために、この日本発の素晴らしい素材を役立てていきたいですね。

【奥西さん】わさびは、これからの老化対策において多様な働きが期待される素材です。今後は4月以降に海外の5カ所で学会発表を予定しており、日本国内だけでなく世界に向けてこの魅力を広く発信していきたいと考えています。

――本日は興味深いお話をありがとうございました。私もさっそく、今日の食事から「わさ活」を始めたいと思います。

日本発のスーパーフード「本わさび」が、認知的健康長寿社会の実現を後押しする 【画像提供=写真AC】
日本発のスーパーフード「本わさび」が、認知的健康長寿社会の実現を後押しする 【画像提供=写真AC】

かつて日本人が経験則として感じ取っていた本わさびの力が、現代の最新科学によって次々と解き明かされつつある。単純な食事の脇役や薬味から、私たちの健康寿命を力強くサポートする「薬草」への再評価は、大きな見方の変化をもたらしているのだ。

ヘキサラファンが担う根本的な老化制御へのアプローチは、超高齢社会を生きる私たちの頼もしい選択肢になるはずだ。

毎日の食事に少しの本わさびを添えたり、ライフスタイルに合わせて冷蔵チューブやサプリメントを上手に取り入れたりと、無理なく続けられる「わさ活」——。

世界が熱視線を送る日本古来のスーパーフードを日常に取り入れて、いつまでも若々しい脳と体をキープしていきたい。

取材=澤田麻依 取材・文=西脇章太(にげば企画)

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