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【知る人ぞ知る、エレ派の名ホテル】グランド ホテル レ トロワ ロワ/スイス・バーゼル編 Vol.6

  • 2026.4.13
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古くからヨーロッパ富裕層のリゾート地として栄え、クラシックなお城を改装したホテルなど、歴史的な建造物が多く残るスイス。その中でも、ヨーロッパ最古のホテルの一つとして愛され続けているのが、バーゼルの旧市街、風光明媚なライン川のほとりに佇む、ナポレオンゆかりのホテル「グランド ホテル レ トロワ ロワ」です。

【ときめきポイント1】ナポレオンも訪れた、ヨーロッパで最古のホテルの一つ

Grand Hotel Les Trois Rois

350年以上の歴史を刻むこのホテルに関する最初の記録は1681年に遡ります。あまりに歴史があるため、実際の創立年を知ることができないのだとか。「レ トロワ ロワ」(フランス語で3人の王)というホテルの名前は、キリストが生まれた時に、ヨーロッパ、アジア、アフリカを代表して訪れたという、3人の賢者の別名からで、バーゼルが昔から主要な通商ルートであったことにちなんでいるそうです。

ホテルそのものはライン川沿いの旧市街にあり、かのナポレオンが1797年にビジネスランチをした場所としても知られ、その名にちなんだスイートもあります。その他、ここを訪れたのはエリザベス女王、ピカソ、トーマス・マンなど、錚々たる顔ぶれです。

【ときめきポイント2】メイン館と新館、二つの魅力に溢れる部屋

Grand Hotel Les Trois Rois

ホテルはメイン館と新館に分かれ、クラシックなメイン館のおすすめはプライベートバルコニー付きの部屋。シャンパンを飲みながらライン川を見渡すのも素敵です。家具は18〜19世紀のアンティークが中心で、その細やかな手仕事にもうっとり。元々はチャペルだったというメイン館2階のライブラリーには、長年の歴史を思わせる「1530」という数字が入ったステンドグラスもあり、このホテルならではの歴史を感じることができます。

Grand Hotel Les Trois Rois

アートバーゼルでも知られるスイス、そしてヨーロッパを代表するアートの街だけあって、2004年に現在のオーナーがホテルの隣にあった銀行を含めて買収したのが現在の新館。二つの建物は内回廊で繋がれています。新館はバーゼル生まれの世界的建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンの手による内装。クラシックな赤に、ピンクや白というポップな色合いを加え、ミニマルで曲線を多用したアレンジは、モダンな美しさを表現しています。

【ときめきポイント3】世界No.1のレストランに選ばれた「シュバルブラン」

Grand Hotel Les Trois Rois

そして、なんといってもここには、ミシュラン三つ星、そしてフランスを拠点とするレストランランキング「ラ・リスト」で世界一の注目レストランとして選ばれた「シュヴァル・ブラン・バイ・ピーター・クノール」があるのです。通路の窓からは、キビキビと働くスタッフの姿が見られます。

Grand Hotel Les Trois Rois

クラシックな技法を学んだピーター・クノール氏は、毎日厨房に立ち、極上の食材と向き合い、出来立てのソースと共に料理を提供する昔気質のシェフ。

Grand Hotel Les Trois Rois

チームの技は確かで、抜群の火入れと、繊細な食感、そして元々通商ルートだったという歴史的な背景も感じる少しエキゾティックなスパイスのニュアンスを加えてモダンにアレンジし、まさに今の時代の味わいを表現しています。また、10年以上このホテルで働き続けているメートル・ド・テルのジュゼッペ・ギベルティさんのエレガントなサービスと、ソムリエのクリストフ・コケモールさんの熟練のペアリングも、その体験をさらに格上げしてくれます。

【ときめきポイント4】心安らぐ懐かしさと新しさ「ブラッスリー・レ・トロワ・ロワ」

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ホテルで最も歴史のあるレストランが、朝食会場にもなっているブラッスリー。こちらは、ドイツの高級ホテルなどでキャリアを積んだトーマス・バイグルベックシェフが手がけます。一見するとクラシックそのもののビストロメニュー。とはいえこちらも、仔牛のタルタルにカフィアライムのオイルをほのかに利かせるなど、クラシックな骨組みを壊すことなく、今の時代に合わせてアップデートされているのが特徴的です。

KYOKO NAKAYAMA

デザートにはぜひ、20年間ここで働くメートル・ド・テルのエルベ・マーラーさんの手によるクラシックなクレープ・シュゼットを味わってみて。もちろん炎の演出のフランベはお見逃しなく。最初はコニャックでフランベ、その後にグランマニエで2度目のフランベをすることで、コニャックの重層的な味わいの後にふわりとオレンジの香りが花開く、華麗なクレープ・シュゼットが完成します。

【ときめきポイント5】貴族に愛された館でのアフタヌーンティー

Grand Hotel Les Trois Rois

19世紀のイギリスの貴族の間でスタートしたと言われるアフタヌーンティーも、この優雅なトロワ ロワのロビーラウンジでぜひ味わっていただきたいものの一つ。クラシックなインテリアの室内か、天気の良い日はライン川を望むテラスか迷ってしまいますが、暖かい時期ならテラスが、寒い時期は室内がおすすめ。ウェッジウッドのアイコニックなワイルドストロベリー柄の茶器、そして三段トレーにサンドイッチ、スコーン、季節のタルトなどが盛られたクラシックなスタイルで、これぞ王道のアフタヌーンティー。ぜひ紅茶、もしくはシャンパンと共に味わってみて。夏のホリデーシーズンのテラスは特に人気なので、ぜひ早めの予約を。

【ときめきポイント6】古民家風ウェルネスエリア「静寂」で整うひとときを

Grand Hotel Les Trois Rois

昨年完成した、スイスのシャレーのようでもあり、古民家のようでもあるウェルネスエリア「静寂」。重厚な梁を生かした空間は、ミニマルで「ZEN」的な美意識に溢れています。90度と65度のドライサウナ、ミストサウナルームのほか、個室のマッサージルームと指圧をしてもらえる畳の部屋があります。さまざまな種類の日本茶やヘルシーなフルーツウォーターなども置いてあり、10時半~19時半の営業時間中、宿泊者は誰でも利用可能です。サウナで整った後、ソファでくつろぎながら、都会の中の静けさを感じる時間は、かけがえのないもの。

【ときめきポイント7】バー「レ・トロワ・ロワ」で優雅なアペリティフを

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ロビーラウンジからそのまま続くクラシックな佇まいのバーは、毎日夕方になるとピアノの生演奏が行われ、エレガントな装いの地元の人たちでいっぱいに。友人たちとひとときを楽しんでいる姿がそこここで見られます。天気の良い日にはテラスもあり、ライン川を眺めながらのアペリティフも可能。

そして、ここのバーテンダー、ミケーレ・デュランテさんは、世界最大級のカクテル・コンペティション「ディアジオ ワールドクラス」に出場中。ミケーレさんがこの大会のために作った、ウィスキーをベースにラズベリーとバルサミコ酢でアクセントをつけた特別なカクテル「ルビー・ルーツ」のほか、さまざまなオリジナルカクテルも楽しめます。

【ときめきポイント8】昨年9月にオープン、モダンでクールなレストラン&バー「バンクス」

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客室も、クラシックなメイン館の他に、モダンなインテリアの新館が共存するトロワ ロワ。新館の元々ボールルームだった場所を改装して生まれた、今海外で人気のペルーのアレンジの利いた日本料理「ニッケイ料理」を取り入れたモダンなレストランバーが「バンクス」です。

おもちゃ箱をひっくり返したようなカラフルなモチーフが天井に踊る、中央のバーカウンターでカクテルだけ、というのもOKですが、多くの人がここで軽く飲んでから、その周りのゆったりとしたソファのあるテーブル席で食事を楽しんでいます。ミュンヘンの「Matsuhisa」で、ニッケイ料理の経験もあるケビン・ボルンシャインシェフによる料理は、日本をはじめとするアジアやペルーのエッセンスも取り入れた料理。料理はシェアすることができ、大勢でより気軽に訪れることのできるレストランとして、地元の人にも人気です。

【ときめきポイント9】季節を感じる装花とクリスマスデコレーション

Grand Hotel Les Trois Rois

どの時期に訪れても、ホテル直営のフローラルショップ「フルール・デ・ロワ」による見事な季節の装花も楽しみの一つ。訪れた時期にはイースターにちなんだウサギの飾りと、ウサギの耳を思わせる、猫柳のような枝が飾られていました。

中でも圧巻は11月中旬から1月6日までのクリスマスデコレーション。ロビーの吹き抜けの見事なシャンデリアに、キラキラ輝く大ぶりのオーナメント。ロビーから天井を見上げると広がる、まるでホテルそのものがクリスマスツリーに様変わりしたような景色は、他では見られないもの。ぜひ多くの人にその目で確かめていただきたいです。

館内にはクリスマスツリーが飾られているほか、近くにクリスマスマーケットも立ち並び、この時期ならではの華やぎがあたりを包みます。キリストの誕生日、クリスマスに訪れた3人の賢者にちなんだホテルを訪れるのに、最もふさわしい時期だということが実感できるでしょう。

【ときめきポイント10】老舗ならではの熟練のサービス

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そして、ここの素晴らしいところは、熟練のサービス。通りがかったスタッフが皆笑顔で挨拶をしてくれることはもちろん、コンシェルジュチームのサポートは見事です。筆者は旅の途中で急遽フライトを変更する必要があり、コールセンターに電話したのですが、ずっと話し中でつながらず…。ホテルのコンシェルジュチームに相談したところ、すぐにエアラインに電話をつないでくれました。高級ホテルに泊まるのは、ラグジュアリーな体験だけでなく、いざというときの安心感もとても大切な要素です。老舗ならではの強いネットワークは、旅する人にとって何よりも心強い味方となるでしょう。

ナビゲートいただいたのは…

フードジャーナリスト 仲山今日子さん
ニュースキャスターとして日本のテレビ局で15年以上勤務した後、シンガポールのテレビ局に転職。並行してシンガポール国営ラジオ局で、DJとして食とアートの番組を担当。『THE BUSINESS TIMES』『TATLER』『日本経済新聞』など、国内外の新聞、雑誌で執筆。『WORLD RESTAURANT AWARDS』では、シンガポール代表の審査員を務める。その他、実名・匿名で国内外の多くのレストランの審査を行う。リシェスにて「至福の食体験」連載中。

Text:KYOKO NAKAYAMA

※この記事は、2026年4月13日時点の情報です。

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