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舞台【四畳半神話大系】35歳で“腐れ大学生”を演じる伊野尾慧さん「研究室に入り浸っていた大学4年生の時を思い出す」

  • 2026.4.10

森見登美彦さん原作の人気小説「四畳半神話大系」の舞台化が決定。脚本・演出 上田誠さん(ヨーロッパ企画)、主演 伊野尾慧さんで5月17日(日)より上演されます。バラ色のキャンパスライフを想像していた冴えない京都の「腐れ大学生」が、複数の並行世界を行き来する、おかしくもほろ苦い青春ストーリー。35歳である伊野尾慧さんが、どう「腐れ大学生」を演じるのか、役作りや舞台の見どころについてお話しいただきました。(第1回/全2回)

▼後編はこちら

脚本・演出の上田さんに「涼やかな外見の中に、煩悩や邪悪や面白をたくさん渦巻かせていそう」と言われたけど、昔の僕だったら絶対そうは言われなかったと思う(笑)

STORY編集部(以下同)ーー森見登美彦さん原作の人気小説「四畳半神話大系」が舞台化。主演は約2年ぶりに舞台に立つ伊野尾慧さん。舞台が決まった時のお気持ちや、意気込みを教えてください。

「四畳半神話大系」はアニメを観たことがあって、面白い作品という印象があったし、僕自身タイムリープものが好きで。自分がそこに参加できるというワクワクと、舞台でどう実現させるのかな、というのがすごい楽しみです。以前、脚本・演出を手掛けるヨーロッパ企画さんの芝居を観に行った時に、セリフの掛け合いというか、リズム感やテンポがとても心地よく感じて。芝居をする時って、感情や気持ちが先行しちゃうことも多いんだけど、演技を間近で見ていて「この人のお芝居かっこいいな、素敵だな」と感じる役者さんの芝居は、感情っていう部分が大前提にありながらも、セリフのテンポやリズム感が気持ちいいんだって気がついて。
今回、その辺を勉強させてもらいたいし、上田さんの考え方や作品づくりを間近で見られるのが楽しみ。新しい視点や考え方が得られそうだなと思っています。

上田さんは僕のことを「涼やかな外見の中に、煩悩や邪悪や面白をたくさん渦巻かせていそう」とコメントされていたけど、多分、僕が初めて舞台やった時だったら、演出家さんにそんなコメント絶対言われてなかったと思うな〜(笑)。歳を取るごとに、なんか余計なことばっかり気になっちゃったり、中身が煩能とか邪悪さにまみれていくというか、色んな感情が溢れちゃうっていうのはあるよね。

僕が初めてやった舞台は演者が3人だけだったから、今回は色んな方との掛け合いも楽しみです。舞台とかドラマって、演者の年齢のグラデーションもかなりあるし、アイドルもいれば役者もいる。色んなジャンルから集まってきた人たちが、一堂に会して、一つの作品を横並びで作り上げていくっていうのが、なんか面白いなと思います。

「腐れ大学生」に見えないのは嬉しいけど、じゃあ役としてどう受けて立つか、が課題です

ーー伊野尾さん演じる「私」は、悶々と思考の中で考えこむ大学生(作中で「腐れ大学生」と表現される)ですが、どう演じたいですか?

僕はアニメを先に観ているので、アニメの感じに引っ張られないようにしようとは思っています。それ自体は決して悪いことじゃないんだけどね。
僕が演じる「私」は、何か問題が生じた時にひたすら頭の中で考えていて頭でっかちなところがあるんだけど、僕自身は問題解決に向けてさっさと行動するタイプ。悩んだり考えたりすることはもちろんあるし、結果的に失敗してしまうこともあるけど、悶々と頭の中で考えるよりは、解決に向けて動くようにしてるかな。そういったところでは「私」とは違うけど、「私」が抱えている鬱々とした気持ちや、行動に移せているようで移せていなかったりする悶々とした感じがありながらも、実は自分なりの筋というか理念みたいなところはしっかり持っていたりする部分を、うまく体現できたらいいなと思っています。

ーー原作者の森見登美彦さんからは、伊野尾さんは「腐れ大学生」には見えないと言われていました。

その通りですよ(笑)。35歳にもなって腐れ大学生に見えていたらもう終わりだから、そう見えないならよかった(笑)。でも、そう言われてみると、じゃあ役として自分的にはどう受けて立つか、みたいなのはありますけどね。周りのキャラクターがすごく濃いので、そこに乗っかって自分も個性的にしちゃうと、紛れちゃうような気がしていて。どちらかというと「私」のキャラクターとしての個性はあんまりいらないんじゃないかな。周りとの対比で、自分のキャラクターっていうのが確立されていく気がしているので、稽古しながら模索していきたいなと思います。

研究室に入り浸っていたキャンパスライフが、主人公の背景とちょっと似ているかも

ーーご自身のキャンパスライフで、今回役作りに活かせると思うことはありますか?

僕は大学4年生の時に研究室に配属されて、1年間ずっとそこに入り浸っていたから、その場所が大学の全てっていうわけではないんだけど、そういう感覚がちょっとあったような気がしていて…それがまた、意外と居心地が良くて楽しかったから「じゃあもうちょっと学生やるか」と思って大学院まで進学したりして。そういったところが、下宿部屋の四畳半の中で生きている主人公とちょっと似ているかも、と思いますね。
あと、今思い返すと、なんだかよくわからない伝統が研究室の中で引き継がれていたこともあったりして。それもなんか通じるものがあるな(笑)。

ーー「四畳半神話大系」はアニメ化もされている人気作品ですが、舞台ならではの見所はどんなところでしょうか。

最初は文字の表現だったものが、映像になって、今度は映像から舞台になるっていう、表現方法が段階を経て変化していっているのが面白いと思っていて。かつ、タイムリープっていう表現方法が、文字だけの時は自分の頭の中でなんとなく変換されるけど、それがアニメの映像表現になった時に、自分の頭の中で描いていた感じとはちょっと違うサイケデリックな表現方法になっていたので。舞台ではどういう形で表現するのかなっていうのを、観にきてくれる人には楽しみにしていてほしいし、僕自身も楽しみ。

あとアニメや本の中だと、とにかく「私」が一人で自問自答を繰り返している印象があったんだけど、台本を一読した感想だと、意外と自分を取り巻く人たちとの関わりというか、コミュニケーションを取っていくことで話が展開していくので、そこがアニメや原作とはまた違ったところかな。でも、稽古が始まって蓋を開けてみたら、めちゃめちゃ自分一人で喋ってる…! みたいなことも有り得そうだけど(笑)。上田さんの演出は、やっぱり会話のテンポが面白いからそういうところも注目して欲しいですね。
台本を読んだ段階でもすごい楽しい作品だと感じたし、これが稽古を積み重ねることによって、もっと進化していくと思うので、楽しみに観に来てもらえたらと思います。

伊野尾慧さん主演【四畳半神話大系】

京都の「腐れ大学生」が、複数の並行世界を行き来する、おかしくもほろ苦い青春ストーリー。舞台化困難と思われた並行世界を、伊野尾さんをはじめとする豪華キャストたちがどうやって舞台上で表現するのか、ぜひ劇場にて体感を!

【原作】森見登美彦(「四畳半神話大系」角川文庫刊)
【脚本・演出】上田誠(ヨーロッパ企画)

【出演】伊野尾慧/加藤史帆 大窪人衛 田中偉登 菊池日菜子 金子鈴幸 町田マリー/石田剛太 酒井善史 諏訪雅/池田一真(しずる) 純(しずる)/剛力彩芽 ほか

【東京公演】2026年5月17日(日)〜5月31日(日)新国立劇場 中劇場
【大阪公演】2026年6月4日(木)〜6月9日(火)東京建物Brillia HALL 箕面(箕面市立文化芸能劇場)大ホール

公式サイト

伊野尾慧さんprofile

1990年埼玉県出身。2007年にHey!Say!JUMPのメンバーとしてデビュー。2009年にはアイドル活動と並行しながら明治大学理工学部建築学科に入学。4年後の2013年に同学科を卒業後、明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻に進み2年で修了。絶大な人気を誇るアイドルグループの一員として活躍する他、個人としても、大学時代に学んだ建築の知識を活かした番組出演やドラマや舞台出演など、活動の場は多岐に渡る。

衣装協力:ブルゾン¥119,900-(マッキントッシュ)/シャツ¥25,300-(トラディショナル ウェザーウェア/Traditional Weatherwear)/デニムパンツ¥37,400-(UNIVERSAL PRODUCTS.ユニバーサルプロダクツ.)/その他スタイリスト私物

SHOPLIST:マッキントッシュ 六本木ヒルズ店(03-5843-1580) トラディショナル ウェザーウェア 渋谷店(03-6419-7771) 1LDK(ワンエルディーケー)(03-3780-1645)

 

撮影/加治屋圭斗 ヘアメイク/坂部めぐみ スタイリスト/寒河江 健(Emina) 取材/渡邊景子

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