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『カイ・フランク展 時代を超えるフィンランド・デザイン』が、まもなく開催

  • 2026.4.9
Photo: Pietinen ©Architecture & Design Museum Helsinki<写真>アラビア製陶所でのカイ・フランク 1953年

2026年4月26日(土)から、「大分県立美術館」で『カイ・フランク展 時代を超えるフィンランド・デザイン』が開催される。本展には、ガラス器や陶磁器の代表作に加え、写真や映像などあわせて約300点以上が集結。初期から晩年までの作品と仕事の全貌を明らかにするほか、日本の文化に魅了され、3回の来日を果たしたフランクの足跡や、彼に影響を受けた後のデザイナーの作品も紹介する。

Photo: Rauno Träskelin ©Architecture & Design Museum Helsinki

フィンランドを代表するデザイナー、カイ・フランク(1911–1989)。機能性と普遍性を追求し、「必要な装飾は色だけ」と余計な装飾を削ぎ落した、ミニマルで暮らしに寄り添うデザイン哲学は、時代を超えて現代にも深く根付く。

<写真>カイ・フランク《キマラ(カクテル)》タンブラー 1953年、《トイヴェ(希望)》パッケージ 1955年 ヌータヤルヴィ・ガラス製作所

Photo: Rauno Träskelin ©Architecture & Design Museum Helsinki

本展では、ヘルシンキ建築&デザイン・ミュージアムのコレクションを中心に、ガラス器、陶磁器などの代表作、ファブリック、スケッチ、写真や映像300点以上を展示。これらを通じて、フランクが大切にした哲学——機能主義にもとづくシンプルでそぎ落とされたデザイン、幾何学的形態の追求、そして「安価でありながら良質な製品を多くの人に届ける」という思い——を解き明かす。

<写真>カイ・フランク ソルトシェーカー 1958年 アラビア製陶所

Photo: Rauno Träskelin ©Architecture & Design Museum Helsinki

<写真>カイ・フランク《1621》(左)1955年、《1610》(右)1954年 カラフェ ヌータヤルヴィ・ガラス製作所

Photo: Rauno Träskelin ©Architecture & Design Museum Helsinki

フランクは、戦後の物資不足や住宅難という社会課題に対し、多用途で積み重ね可能なテーブルウェアシリーズ《キルタ》を考案。高価で場所をとる従来のテーブルウェアに革命を起こした。

『カイ・フランク展』のハイライトのひとつが、フィンランド・デザインの到達点ともされる《キルタ》とその後継となる《ティーマ》の展示。インスタレーションを交えたディスプレイを楽しみたい。

<写真>カイ・フランク《キルタ(ギルド)》シリーズ 1953年 アラビア製陶所

Photo: Rauno Träskelin ©Architecture & Design Museum Helsinki

シンプルなガラス製品をデザインしていた一方で、芸術作品としてのアートガラスも数多くのこしたフランク。ガラス職人らと共に技法を開発して制作したこれらの作品は、ガラスの造形に新しい表現をもたらした。

<写真>カイ・フランク《KF486》ゴブレット 1969年 ヌータヤルヴィ・ガラス製作所

Photo: Rauno Träskelin ©Architecture & Design Museum Helsinki

<写真>カイ・フランク インクボトル 1959年 ヌータヤルヴィ・ガラス製作所

Photo: Johnny Korkman ©Architecture & Design Museum Helsinki

<写真>カイ・フランク《クレムリン ケッロット(クレムリンの鐘)/KF500》 カラフェ 1957年 ヌータヤルヴィ・ガラス製作所

Photo: Rauno Träskelin ©Architecture & Design Museum Helsinki

<写真>カイ・フランク プレート 1979年 ヌータヤルヴィ・ガラス製作所

©Architecture & Design Museum Helsinki

フランクが活動初期に手掛けた作品を見ることができるのも、本展の魅力。さまざまな分野で短期の仕事を受けた20代から30代にかけては、具象的でおとぎ話を思わせる要素を含む作品を制作していた。会場には、あまり知られていない、初期の木製玩具やプリント生地なども並ぶ。

<写真>カイ・フランク《テュット(女の子)》(左)、《ポイカ(男の子)》(中央)、《シルクスティレヒトーリ(サーカス座長)》(右) 木製人形 1945年

Photo: Rauno Träskelin ©Architecture & Design Museum Helsinki

<写真>カイ・フランク 《プトゥキノトコ(セリ草の谷間)》[複製] プリント生地 1948年(オリジナル) アルテック

Photo: Rauno Träskelin ©Architecture & Design Museum Helsinki

<写真>カイ・フランク 《カイヴォンカッツォヤ(水脈探し人)》 カラフェ 1948年 イッタラ・ガラス製作所

Photo: Rauno Träskelin ©Architecture & Design Museum Helsinki

フランクは、1956年に初来日を果たし、その後も2度日本を訪れている。今回は、本展開催に際して新たに公開された来日時資料をもとに、従来の研究からさらに踏み込んで、日本でのフランクの足跡をたどる。また、禅の文化や日本の伝統工芸の影響が見られる作品を、日本の工芸家たちの作品と共に紹介する。

フィンランドのみならず世界中で愛されるデザインの巨匠の功績を、その裏にある出来事や思想から紐解く『カイ・フランク展 時代を超えるフィンランド・デザイン』は、大分を皮切りに、島根、京都、東京を巡回。お近くの会場に足を運び、そのデザイン哲学に触れてみよう。

<写真>カイ・フランク 《KF1》 サービングプレート 1957年 アラビア製陶所

©Architecture & Design Museum Helsinki

カイ・フランク
カイ・フランクは、1911年11月9日にフィンランド大公国ヴィープリ(現ロシア)に誕生。ヘルシンキ美術中央工芸学校(現アアルト大学)のインテリア建築科を卒業し、複数の会社でインテリアやテキスタイルのデザインに携わる。その後、イッタラ・ガラス製作所やアラビア製陶所、ヌータヤルヴィ・ガラス製作所などフィンランドを代表するデザインメーカーでデザインを担当。また、ヘルシンキ美術工芸学校でアート・ディレクターを務め教育活動を主導するなど、世界各地で後進の指導と育成にも尽力。没後、1992年にはフランクの哲学を受け継ぐフィンランドのデザイナーに授与される「カイ・フランク・デザイン賞」が設立された。

<写真>カイ・フランク グラスデザインのスケッチ[複製] 1960年(オリジナル)

Photo: Rauno Träskelin ©Architecture & Design Museum Helsinki

<写真>カイ・フランク 《プリスマ(プリズム)/KF215》 花器 1959年 ヌータヤルヴィ・ガラス製作所

カイ・フランク展 時代を超えるフィンランド・デザイン
会期/4月25日(土)~6月14日(日) ※休展日なし
会場/大分県立美術館 1階 展示室A
住所/大分県大分市寿町2-1
開館時間/10:00~19:00 ※金曜日・土曜日は、〜20:00、入場は閉館の30分前まで

巡回情報/
石見会場:2026年6月27日(土)~9月6日(日)島根県立石見美術館
京都会場:2026年11月3日(火・祝)~12月20日(日)(予定)美術館「えき」KYOTO
東京会場:2027年1月16日(土)~3月22日(月)東京オペラシティ アートギャラリー

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