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沈黙こそ新たなグリーンウォッシング!? B Corpを運営するB Labが無料ガイドを公開

  • 2026.4.1
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沈黙がリスクになる。「グリーンハッシング」とは?

グリーンウォッシングが、実態以上に環境配慮をアピールして消費者の誤認を招くことだとすれば、「グリーンハッシング(Greenhushing)」はその逆。企業がサステナビリティ施策を実際には進めているにもかかわらず、批判や規制のリスクを恐れるあまり、発信そのものを控えることを意味する。環境対策をあえて語らないことで、進捗や改善が外から見えにくくなり、正当に評価される機会まで失われかねない。いま、この“沈黙”が新たな課題として浮上している。

Deagreez / Getty Images

背景には、サステナビリティ表示をめぐる監視の強化がある。EUでは、「炭素国境調整メカニズム(CBAM)」が2026年1月から本格適用開始、9月には「ヨーロッパにおけるグリーン移行に向けた消費者のエンパワーメントのための指令(ECGT)」が発効予定。日本でも、サステナビリティ報告の義務化が進められている。その結果、企業は言いすぎることを避けようとする傾向にある。一方で、沈黙は必ずしも安全策ではない。125カ国を対象とした調査(『エデルマン・トラスト・バロメーター2025』)によると、消費者の53%が沈黙を「何もしないこと」あるいは「隠蔽」と解釈しており、その印象は決して良好とは言えない。

“進んでいるからこそ、正直に話す”というスタンス

ブランド、クリエイター、コミュニケーション担当者が、勇気と明確なメッセージを持ってサステナビリティについて発信できるよう支援する『Greenshouting Guide』。 Hearst Owned

そんな課題に向き合う発信を後押しするのが、B Corp認証を運営する「B Lab」と、オランダ拠点の「Creatives for Climate」が発表した『Greenshouting Guide』だ。企業やブランド、クリエイター、コミュニケーション担当者が、サステナビリティを適切に伝えるための実践的な指針をまとめている。ガイドには、「パタゴニア」や「ヴェジャ」「フォーミュラE」など15社以上の事例研究や、公共部門およびNGOの著名なリーダーたちによる解説を収録。

内容は大きく3つのステップで構成されていて、まずは強固なサステナビリティ戦略をつくること、次に認証などを通じて主張を検証すること、そして最後に適切なコミュニケーション原則をもとに発信することが提案されている。

「トーン」「シンプルさ」「豊かさ」「破壊的革新」「文化」「感情」「謙虚さ」という7つのコミュニケーション原則を解説するページ。 Hearst Owned

サステナビリティを語ることは、もはや単なるイメージ戦略ではなく、企業の存在意義や信頼を支えるビジネス戦略のひとつだ。「このガイドは、企業が明確かつ自信を持ってコミュニケーションを進める手助けとなります。完璧な行動ではないと黙って隠すよりも、不完全な行動であっても率直に共有する方が、はるかに大きな変化をもたらすのです」と、制作に携わったブランドの代表者は語る。

今回打ち出された“完璧だから話す”のではなく、“正直に話す”というスタンスこそが、さまざまな分断が続く社会情勢において、信頼をつなぎ、変化を前に進める力になる。ひとつでも多くのブランドや企業が共鳴していくことが期待される。

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