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ポータブル電源の正しい管理・破棄方法とは? 火災事故を防ぐための対策

  • 2026.3.30

近年、防災やアウトドア活動の広がりで普及が広がるポータブル電源。前回、ご紹介した記事「火災事故が増加中! 安全目線でのポータブル電源の選び方」では、購入時に着目したい安全性を中心に確認しました。今回は、購入後に気をつけたい管理方法や、ポータブル電源を破棄する際の注意事項など、安全に使用するためのポイントを確認していきます。

増える火災事故

モバイルバッテリーやポータブル電源などリチウムイオン電池を搭載した製品の利用シーンの増加とともに、火災などの事故報告も増えています。

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の統計によると、2020年から2024年の5年間にリチウムイオン電池搭載製品による事故は1,860件報告され、そのうち約85%にあたる1,587件が火災事故に発展しているといいます。

どんな時にバッテリー火災が起こっている?

東京消防庁が2025年に発表した製品用途別の火災状況によると、モバイルバッテリーから出火した火災が最多で35件。次に電気カミソリ、携帯電話となっていて、ポータブル電源による火災発生件数は8件でした。また、リチウムイオン電池関連火災(2024年)のうち、約6割が充電中に発生していたこともわかっています。

2025年7月29日、福岡県糸島市の加布里コミュニティセンターの建物が焼けた火事で、火元は会議室で充電していたリチウムイオン電池の災害用電源だったことは、記憶に新しいところです。

東京消防庁の資料によると、充電中に発生した火災のうち、製品の欠陥を除き、最も多かったのは「充電方法の誤り(正規品以外で充電)」です。非充電中では、「分解・廃棄・バッテリー交換」が多くなっています。充電の有無にかかわらず「外部衝撃(落下)」を原因とする火災も発生しています。

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火災事故を防ぐための使用・保管方法のポイント

①衝撃・圧力をかけない

リチウムイオン電池の主な弱点の一つは、物理的なストレス。内部でショートが発生すると、そこで一気に大電流が流れ、異常に発熱し、引火性の電解液に火がついて発火に至ります。注意が必要なのは、強い衝撃や圧力が加わってすぐではなく時間が経ってから発熱や発火をすることもあるため、経過観察が必要です。

②高温になる場所での使用・保管を避ける

リチウムイオン電池は、化学反応で電気をためる精密な部品です。熱に極端に弱いという性質があり、高温環境下でのポータブル電源の使用や保管は、バッテリーの劣化を加速させ発火のリスクを高めます。夏場はもちろん、冬場でも、暖房器具の近くなど高温環境での保管、充電は熱暴走のリスクを高めます。「高温環境に置かない」ということをいつも意識しておきましょう。

③充電は「安全な場所」で「起きている時」に行う

留守中や就寝中は、異常や発火に気づくことが遅れ、避難や通報行動も後手に回ってしまいます。安全を確認できる時間帯や場所での充電を心掛けましょう。また、充電の際には過放電・過充電に注意しましょう。満充電になっても充電し続けることを過充電と言い、バッテリーの劣化だけではなく、発火の原因にもなり得ます。逆に過放電とは、バッテリーの容量が0%になった状態からさらに放電し続けること。その状態で長期間放置すると、バッテリーの劣化や事故のリスクを高めてしまいます。使用後はなるべく早めに充電し60〜80%程度の電力を残しておくことを心がけましょう。

④異常を感じたら、直ちに使用をやめる

以下のような異常や変化に気が付いたら、発煙・発火につながる危険性があるため、すぐに使用・充電を中止し、事業者に相談をしましょう。

・熱くなっている、膨らんでいる、液漏れしている
・変なにおいがする、異音がする
・微妙な変化(充電が遅くなった、以前より熱くなる、突然電源が切れるなど)

もし、発火してしまったら

万が一発火してしまった場合は、まず自身と周囲の人の身の安全の確保を優先すること。火花や煙が激しく噴出している場合は近づかないでください。火の勢いが収まってきたと判断したら、消火器または大量の水をかけ十分に温度を下げます。他の可燃物に接触して新たな火災の原因につながることもあるため、消火後はバケツなどに入れ水没させましょう。

少量の水をかけるだけでは、かえって火勢が増すおそれがあり危険です。対処が困難と判断した場合は、直ちに119番通報してください。

不要になったポータブル電源を廃棄するには?

リチウムイオン電池製品を捨てる際の火災事故も増加しており、近年、社会問題になっています。

新製品への買い替えや、寿命を迎え不要になった場合は、必ず自治体や専門機関の指示に従って適切な処分を行いましょう。

各自治体により対応が異なるため、まずはお住まいの自治体のルールを確認(小型家電・粗大ごみ対応になるのかなど)することが大切です。「自治体名 ポータブル電源 回収」などのキーワードで検索をしてみましょう。

他には、メーカーや販売店の回収サービスの利用、JBRC※協力店への持ち込み(大型のポータブル電源は回収対象外の可能性があるため要事前確認)、不用品回収業者への依頼をするなどの方法があります。

また、多くの主要電源メーカーでは、使用済みの自社製品の回収窓口も設けているので、ご自身の購入したメーカーのHPでも確認してみることをおすすめします。

<主要メーカーの回収窓口>
Jackeryポータブル電源無償回収・リサイクルサービス
Anker Japanモバイルバッテリー/ポータブル電源回収サービス
ecoflow エコリサイクルサービス
PowerArQ 製品回収サービス
BLUETTIリサイクルサービス

ポータブル電源の備えがあったからこそ助かった、という場面はもちろんありますが、誤った使い方をすれば事故につながるリスクもあります。そのリスクをよく理解し、安全に使用することが大切。使用者である私たち一人ひとりが、そのことをよく理解しておくことで防げる事故も多いのではと思います。身近な人と、知識や情報を共有しておくことも大切ですね。

一般社団法人JBRC(Japan Portable Rechargeable Battery Recycling Center)は、小型充電式電池(ニカド、ニッケル水素、リチウムイオン電池など)の回収と再資源化を推進する団体

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<執筆者プロフィール>
水野佳

保健師 / オートキャンプ歴9年

学生時代にはバックパックを担いでフィールドワークや旅に出かけ、バングラデシュでの井戸掘りなども経験。旅やアウトドアでの知識や経験を防災活動に繋げる。産業保健師として企業勤務時に、救命講習やBCPなどの企画・運営にも関わった経験も持つ。

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