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【92歳デザイナー直伝】おもてなしは“スケッチから”始める!「器選び」で映える意外なコツ

  • 2026.3.25

【92歳デザイナー直伝】おもてなしは“スケッチから”始める!「器選び」で映える意外なコツ

92歳のデザイナー・粟辻 早重(あわつじ さなえ)さんは、55年前に建てた家でひとり暮らし。次の展覧会に向けて、新作づくりに向き合う日々を送っています。年齢を重ねてもなお、次々と湧いてくる「形にしたい」アイデア。その創作意欲の源は、どこにあるのでしょう。話題の新刊『92歳、好き放題で幸せづくし』(KADOKAWA刊)から、第4回は、おもてなしの準備について伺います。

おもてなしの準備はスケッチより始まる

自宅に人を招くとき、献立を考えて準備するのも楽しい時間です。最初に決めるのが、「和風」「イタリアン」といった料理のテーマ。お客さまの顔ぶれやシチュエーションに合わせて選ぶことがほとんどです。

テーマの次に決めるのが、メインの料理です。スペイン料理ならパエリヤ、フレンチならローストチキンなど、主役になるひと皿を考えます。そして、メインに合わせる形でその他の料理へと広げていきます。

迷ったときは料理の本を見ることもあるけれど、軽いヒントにする程度。レシピ通りにきっちり作ることはほとんどありません。

おまけに私の場合、たとえばテーマをイタリアンにしたからといって、すべての料理をイタリアンで統一するわけではありません。メインとその付け合わせ以外は、季節のおいしい食材やお客さまに人気のあったものなどを自由に組み合わせています。だから、パエリヤとサバ寿司が同じテーブルに並ぶ、なんてこともよくあるんですよ。

おおよその内容が決まったら、そこからはスケッチしながら考えていくのがいつものやり方。鉛筆描きの簡単なものですが、料理を並べたときのテーブルを思い浮かべながら、あれこれ描いていくんです。スケッチしていくうちに、使う器や盛り付けのイメージなども浮かんできます。

スケッチの次は、器選びです。まずは、使う予定のものをすべてテーブルに並べます。そしてそれぞれの器に、料理名を書いたメモをのせてみるんです。

よく知っている自分の器でも、頭の中に思い描いているのと実際に見てみるのとは違うもの。スケッチしながら考えていたものでは、大きさやイメージが合わないこともよくあります。「こっちのほうがいいかしら?」なんて迷いながら器選びをすることも、準備段階の楽しみのひとつです。

実際に器を並べてみるのは、料理の分量を把握するためでもあります。同じ料理でも、器のサイズが違えば盛り付ける量が違ってきますよね?

でも先に器を決めておけば、それに合わせた分量で作ることができます。つまり、準備するべき食材の量の目安がわかるのです。このお皿で焼くならカネロニは10本ぐらい入りそうだから、ほうれん草を1杷にリコッタチーズを1パックに......と、具体的な買い物メモを作ることができるわけです。

常に仕上がりをビジュアルでイメージしながら料理をする私ですが、こだわるのは料理の内容と器選びまでです。

「春巻きは半分にカットして盛り付けよう」「このお肉にはクレソンを添えよう」とは考えますが、野菜を飾り切りしたり、ソースでお皿に絵を描いたり……なんて凝った演出はしたことがありません。

できあがったら、器にドン。料理と器の相性がよければ、それで十分おいしそうに見えると思います。ただし、娘にはよく「ママの盛り付けって大雑把だよね」と言われてしまいます。「ナチュラル」と表現してくれたら嬉しいんですけどね。

※この記事は『92歳、好き放題で幸せづくし』粟辻 早重著(KADOKAWA刊)の内容をウェブ記事用に再編集したものです。

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