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週末セールの店内で同じ商品を“何度も試着する”客…待機列が伸びる中、アパレル店員がかけた一言とは…?

  • 2026.4.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元アパレル店員のさやかです。

アパレル販売の仕事をしていると、ルールを守っていても売り場全体の空気や流れを見ながら、対応する難しさを感じる場面があります。

特にそれを強く実感するのが、セール時期など店内が混み合う日の試着室対応です。

今回は、ルール違反ではないものの、お客様にご協力をお願いした際に難しさを感じたエピソードです。

混雑している中での試着

ある日、店内はとても混雑していました。

週末のセール中だったこともあり、試着待ちの列もなかなか途切れません。

販売員としては、できるだけ多くのお客様に気持ちよくお買い物していただけるよう、試着室のご案内やお声がけにもいつも以上に気を配っていました。

そのとき対応していたのが、ご友人同士で来店されていたお客様です。

お二人で相談しながら洋服を選んでいて、とても楽しそうな様子でした。

試着をしないと分からないサイズ感やシルエットも多いので、納得いくまで確認したい気持ちは自然なことだと思います。

ただ、そのお二人は一度試着して終わりではなく、「やっぱりさっきの方がいいかも」「こっちの色も着てみてほしい」と話しながら、同じ商品のサイズ違いや色違いを何度も試していました。

店内には、「試着は〇点まで」と案内を出していましたが、持ち込み点数が多いわけではなかったので、明らかなルール違反とも言い切れない状況でした。

他のお客様も多く待つ状況に

ただ、後ろには順番を待っているお客様が何組も並んでいます。

列に並んでいる方が「あとどのくらい待つのだろう」と待ち時間を気にされている様子を見るたびに、販売員としてはとても気を遣います。

〇番目にお呼びしますね」とお声がけしますが、少しずつお疲れの様子も伝わってきました。

そうした空気を感じる中で、「そろそろお声がけしなければ」と思いました。

意を決してお伝えする

正直、このような場面では、お声がけのタイミングや伝え方にとても迷います。

早すぎると急かしているように感じられるかもしれませんし、逆に遠慮しすぎると、待っている方への配慮に欠けてしまいます。

特にご友人同士でいらしている場合は、お互いに感想を言い合いながら試着されることも多く、本人たちに悪気がなくても滞在時間が長くなりがちです。

私は、できるだけやわらかい言い方を意識して、「お待ちのお客様もいらっしゃいますので、ご確認が済みましたら、試着室のご利用をお譲りいただけますと幸いです」とお声がけしました。

強く注意するのではなく、あくまで状況をお伝えする形にしたのですが、それでも言い方ひとつでその場の空気は大きく変わります。

お二人は、「そうですよね、すみません!」とおっしゃいました。

私は、「こちらこそ申し訳ありません。また空いているときにいらしていただければと思います」とお伝えしました。

言葉がきつく聞こえれば、お客様が嫌な気持ちになるかもしれません。

ただ、曖昧すぎると意図が伝わらず、結局状況が変わらないこともあります。

接客では、正しいことを言えばいいわけではなく、どう伝えるかまで含めて気を配る必要があると改めて感じました。

公平さや配慮の大切さ

この出来事を通して実感したのは、一組のお客様だけを見て判断するのではなく、全体の公平さを意識した対応が求められることです。

目の前のお客様への丁寧さと、待っている方への配慮。

バランスを取るのは簡単ではありませんが、だからこそ販売員の気配りや言葉選びが大切だと思います。

一見すると些細な場面かもしれませんが、こうした小さな判断の積み重ねが、売り場全体の居心地のよさにつながるのだと感じた出来事でした。


文:さやか/ライター
ファッション関係の仕事に就き10年。店頭でのお客様対応や商品提案を通して得た気づきをもとに、接客や装いにまつわる体験談を執筆している。日常に寄り添うファッションの話題が得意。


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