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「あの違和感は…」ベテランバス運転士が急ブレーキを踏んだ理由。対向車線から“飛び出してきたもの”に一同驚愕

  • 2026.4.25
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

車で走行中、信号待ちの対向車の列を見て、「危険」という文字が頭に浮かんだことはないでしょうか。「かもしれない」運転が、事故を未然に防げることがあります。

今回紹介するのは、私が12年ほど前に乗務していた教習所の送迎バスのお話です。ふとした違和感でしたが、バスの速度を落としたことで難を逃れました。

まさに、運転士ならではの直感だったと、今でも忘れられない一瞬の出来事でした。安全運転には欠かせない「かもしれない運転」が、重視される理由に納得した瞬間でもあります。

車の列になんとなく気になる違和感・・・

教習所の送迎バスを運行中、ルートのなかに国道から狭路への左折がありました。片側1車線ですが、やや狭い生活道路です。

狭路に入ると、いつもと変わらない信号待ちによる対向車の列でしたが、瞬間的に嫌な雰囲気がしました。何がどうと説明できるほどではない、ちょっとした違和感・・・

私は、その違和感の正体は不明のまま、すぐにバスの速度を落とすためブレーキをかけました。 中型バスであったため、エアブレーキを強く踏むと急ブレーキになり強い衝撃がバスを襲います。

そのため、慎重に減速し、停車するかしないかの速度になったとき、私が感じていた不安の正体が判明したのです。

まさに危機一髪!車内で驚きの声があがる

見通しの良い直線道路で、日頃は減速どころか、左折後の速度からスピードをあげていく場所です。だからこそ、乗車している教習所の生徒も減速に気づいたようでした。

「え・・・なに?」
「なんでこんな場所でバス止まるの?」

バスが止まったと生徒が感じるほど減速したとき、まさに危機一髪という出来事が起こりました。

信号待ちをしている対向車の列の隙間から、自転車がバスの直前に飛び出してきたのです。

もしも減速していなければ、確実に接触事故につながっていたことでしょう。当時、私は事故に至らなかった安堵と、万が一事故になっていたらと考えて、嫌な汗が背中をつたったことを今でも覚えています。

車内の生徒からは「おおー!!」と驚きの声があがりました。運転免許を取得するために通学しているため、事故防止を目の当たりにして驚いていたようです。

自転車は、当たり前のようにバスの前を通っていきました。それを見て、私は歩行者や自転車に乗る人は、根拠もなく「大丈夫」と思いがちだと感じたものです。

前方や左右の安全を確認し、ゆっくりバスを発進させたとき、一人の教習生から質問がありました。

「なんで自転車が来るってわかったんですか?」

その疑問に対し、私は回答に悩みました。

危険回避はただの勘・・・そして「かもしれない運転」

実際、自転車との接触を回避できたのは「ただの勘」です。自転車が対向車の影に見えたわけでもなく、どのように生徒へ伝えるか私は悩みました。

「なんとなく対向車の列が危険な気がしたからかな…」

答えにならないような回答でしたが、直感としか言いようがない事故回避でした。しかし、その直感が働いたのは、常に万が一を想定した「かもしれない運転」を意識していたからです。

そこで、私は生徒の質問への回答として、さらに付け加えました。

「運転中は、もしかしたら・・・と考えることが大切ですからね。かもしれない運転といって、万が一に備えた運転をすることが大事ですね。」

人や自転車が飛び出してくるかもしれない・・・この考えが、万が一の事故を防ぐ大切なポイントであることに違いはありません。

また、「だろう運転」は危機意識が低くなりやすいため、事故リスクが高まるといった内容の運転講習が、車内で始まりました。

運転に絶対はないことへの意識が事故リスクを回避する

信号待ちや駐車している車の列があると、隙間から人や自転車が飛び出す可能性があります。しかし、「かもしれない運転」が自分自身を危険から守ってくれると言えます。

運転では「大丈夫だろうと考える運転」よりも「出てくるかもしれない」という考え方が大切です。

バスの運転士は、「かもしれない運転」を安全運転の心得だと常に意識しています。だからこそ、とっさの判断や直感による減速で、事故回避につなげていると言っても過言ではありません。

私は、10年以上が経ったいまでも、自家用車のハンドルを持つときは、事故回避を意識した安全運転を心掛けています。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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