1. トップ
  2. 医師「逆効果となる場合が」→実は『生活習慣病』のリスクを高めている…更年期後の女性がやりがちな“NG習慣”とは?

医師「逆効果となる場合が」→実は『生活習慣病』のリスクを高めている…更年期後の女性がやりがちな“NG習慣”とは?

  • 2026.4.23
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

更年期を迎えると、「これまでと同じ生活をしているのに、なぜか健康診断の数値が悪くなってしまった」という経験はありませんか?実は、この変化は女性ホルモンの影響だけでなく、加齢に伴う身体の変化や、日々のちょっとした習慣の積み重ねが複雑に関係しています。

「何が原因で、どう対策すればいいの?」と戸惑う方も多いはず。今回は、産婦人科専門医の鷹巣先生に、更年期特有の身体の変化と、良かれと思って取り組んでいる習慣が実はリスクを高めてしまう可能性について伺いました。心身ともにデリケートな時期を健やかに過ごすための、無理のない改善策をご紹介します。

なぜ「これまで通り」ではいけないの?更年期に健康リスクが高まる理由

---更年期になると「今までと同じ生活をしているのに健康診断の数値が悪くなった」という声をよく聞きます。なぜこのような変化が起こるのでしょうか?

鷹巣先生:

「更年期を迎えると、『今までと同じ生活をしているのに健康診断の数値が悪くなった』と戸惑う方は少なくありません。これは女性ホルモンの変化だけでなく、加齢に伴う身体的な変化や、日々の生活習慣の積み重ねが複雑に絡み合っているためです。

まず、大きな落とし穴となるのが『体組成の変化』です。体重自体はそれほど変わらなくても、筋肉量が減少して基礎代謝(消費エネルギー)が落ちやすくなり、反対に内臓脂肪がつきやすくなる傾向があります。そのため、若い頃と同じ食事量や内容のままだと、知らず知らずのうちに余分なエネルギーをため込んでしまうことになります。

また、『活動量の低下』や『座りすぎ』も見落とされがちです。年齢とともに無意識に体を動かす機会が減ってしまうことも、リスクを高める要因となります。

さらに、更年期特有の不調による『睡眠の質の低下』も無視できません。睡眠不良は、血圧上昇や肥満、糖尿病などのリスクを高めることが分かっています。更年期だからといって必ず悪化するわけではありませんが、筋肉量の減少、活動量の低下、睡眠の乱れといった日常の些細な変化が重なることが、生活習慣病リスクを高めやすい背景として潜んでいるのです。」

良かれと思ってやっている「糖質制限」や「ハードな運動」が逆効果に?

---健康を意識して糖質制限や運動を取り入れています。これらが更年期以降の体にとって、かえって良くない場合があるのでしょうか?

鷹巣先生:

「健康を意識して糖質制限や運動を取り入れること自体は、決して悪いことではありません。しかし、その方法が『極端』になってしまうと、更年期以降の体にとっては逆効果となる場合があります。

たとえば、過度な糖質制限には注意が必要です。糖質を減らした分を、脂身の多い肉やバター、チーズなど、飽和脂肪酸の多い食品で補う食べ方になると、LDLコレステロールが上がりやすくなり、かえって脂質異常症のリスクを高めることがあります。また、主食を極端に抜くことで食物繊維が不足し、腸内環境や血糖コントロールの面で不利になることもあります。

運動についても同様です。健康のためにと、いきなり無理な強度の高い運動を始めたり、疲れが取れないまま毎日ハードなトレーニングを続けたりすると、疲労が蓄積してしまいます。その結果、かえってストレスがかかり、睡眠の質が悪化してしまうケースも少なくありません。十分な回復期間を設けずに行う過度な運動は、心身に負担をかけてしまうおそれがあります。

更年期以降の体は変化の過渡期にありデリケートです。良かれと思った習慣でも、極端な食事制限や無理な運動、それに伴う疲労蓄積や睡眠悪化が重なると、結果的にリスクを高めてしまう可能性がある点には注意が必要です。」

「極端な制限」は卒業。更年期から始めるべき賢い健康習慣とは

---生活習慣病を予防し、更年期を健やかに過ごすためには、具体的にどのような生活を心がければよいのでしょうか?

鷹巣先生:

「生活習慣病を予防するためには、『何かを極端に制限する』よりも、『日々の生活全体の質を少しずつ底上げする』という意識を持つことが大切です。

食事の面では、まずは極端な方法を見直してみましょう。何か特定のものを抜くのではなく、肉・魚・大豆製品から『たんぱく質』をしっかりと摂り、骨の健康に関わる『カルシウム』や『ビタミンD』を意識して取り入れるなど、全体の栄養バランスを整えることが基本となります。毎日の食事に、彩りの良い野菜や海藻類をもう一品追加するだけでも、不足しがちな食物繊維が補えて効果的です。

運動については、いきなりジムに通うなどのハードルを上げる必要はありません。まずは『座りっぱなしの時間』を減らすことから始めてみてください。テレビを見ながらストレッチをする、家事の合間にこまめに立ち上がる、普段より少しだけ早歩きを意識するなど、日常の身体活動量を少し増やすだけでも、心身の健康にはとても良い影響を与えます。

そして、見落としがちなのが『睡眠』です。寝る前のスマートフォンを控える、湯船にゆっくり浸かるなど、ご自身に合った方法で睡眠の質を高める工夫を取り入れてみてください。無理のない範囲で、明日から一つずつ始めていきましょう。」

「毎日の積み重ね」が未来を作る。無理のない範囲で一歩ずつ

更年期の体は、これまでとは違うサインを出し始めています。しかし、焦って極端なダイエットや激しい運動をする必要はありません。大切なのは、自分の体の変化を受け入れ、日々の暮らしの中で「少しずつ」改善していくことです。

バランスの良い食事を意識し、座っている時間を少し減らし、良質な睡眠をとる。これら一つひとつは小さな行動かもしれませんが、その積み重ねこそが、未来の健康を守る確かな一歩となります。ご自身のペースで、できることから取り入れてみてください。


監修者:鷹巣先生
産婦人科専門医、産業医、アドバンストプレコンサポーター。現在は不妊治療を専門とし、女性の健康全般にわたる診療を行っている。月経トラブルや妊娠に向けた体調管理、不妊治療から妊娠・出産、更年期の変化まで、ライフステージに応じた正確な医療知識をわかりやすく発信。専門的な内容を日常の健康管理に役立つ情報として届けることを大切にしている。

の記事をもっとみる