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高級ブランドのバッグを売りに来た40代女性→「美品」のはずが…女性が見落としていた“痛恨の落とし穴”【買取のプロは見た】

  • 2026.4.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

今回は、ブランド品の買取に潜む落とし穴の話をしようと思います。

かつて、ブランド品を査定に持ち込まれる方は、正規店で購入した品であったり、ご家族や知人から譲り受けたものであったりと、来歴が確かなケースが多いものでした。ところがフリマアプリを利用される方が増えてから、「メルカリで買ったものなんですが」という言葉を窓口で聞く機会が、以前よりずいぶん増えてきました。

メルカリで買った高級ブランドのバッグが、なぜ断られたのか

ある日、40代女性のお客様が、高級ブランドのバッグをお持ちになりました。メルカリで購入したものの、サイズがイメージと違ったため手放されたいとのことでした。

保証書こそありませんでしたが、見た目はきれいで、お客様も期待の表情を浮かべていらっしゃいました。

しかし、バックヤードの鑑定担当に回したところ、戻ってきた担当者の顔が曇っていました。リペアの形跡がある、という判断でした。それも、以下のようにあまり出来のよくないリペアです。

  • バッグ表面の質感が塗り直したようにのっぺりとしている
  • ステッチの幅が不揃い
  • 「コバ」と呼ばれる革の断面の仕上がりにも乱れが見られた

おそらく、前の持ち主が自分でリペアをしたか、安価な修理業者に依頼したか。いずれにせよ、ブランドの正規修理ではないことは確かです。

ブランド品はメーカーによる正規の修理やメンテナンスを前提に設計されており、社外での修理やリペアが施されたものはメーカー保証の対象外となります。買取店がそうした品物を仕入れた場合、再販後にトラブルが生じるリスクが高まるため、社外リペアの形跡が認められた品物は買取を断らざるを得ないことが多いのです。

お客様はしばらく沈黙されたあと、「メルカリに美品って書いてあったんですけど」と、小さな声でおっしゃいました。その言葉は、今でも記憶に残っています。

お客様には何の落ち度もありません。出品者がリペア品であることを伏せたまま販売していたことへの憤りを、窓口に立ちながら静かに感じていました。

「怪しい」だけで、買い取れないことがある

査定の現場で難しいのは、リペアの証拠がなくても、買取を断わらなければならない場面があることです。

買取店の査定はあくまで「この品物をいくらで買い取れるか」という判断であり、本物か偽物かを鑑定する場ではありません。社外で手が加えられた可能性があると判断した時点で、確証がなくても買取を見送るのが現場のルールです。

また、窓口では気づかず、後日社内でリペアが発覚するケースもありました。その場合はお客様に連絡を取り、返金をお願いすることになります。事情を説明するたびに、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

リペア転売の何が問題なのか

老朽化した品物を手入れして再び使えるようにすること自体は、とても意味のあることだと思っています。状態の悪い品が安価に手に入り、丁寧に直されて次の人に渡る。そういう流れは、リユース業界の本来の姿でもあります。

問題は、リペアしたことを隠して販売することです。近年はDIY感覚でブランド品を修繕してフリマアプリで販売する方が増えています。それ自体を責めるつもりはありませんが、リペア品であることを明記せず「美品」として出品することは、買い手を傷つける行為です。

知っているかどうかで、結果は変わる

フリマアプリを経由した品物は、誰がどのように手を加えたか、買い手にはほとんど確認する術がありません。損をするのは、何も知らずに購入した最後の持ち主です。

購入前に修理歴の有無を出品者に確認すること、少しでも不安があれば先に専門店へ相談することが、自分を守る一番の方法だと思っています。

フリマアプリは便利な反面、品物の来歴が見えにくいという特性があります。ブランド品を購入する際は、その一点を頭の片隅に置いておくだけで、トラブルを避けられることがあるはずです。


ライター:たるみくまお 
リユース業界での買取窓口業務を経て、現在は技術商社に勤務する現役ビジネスマン兼Webライター。古物商許可証を保有し、ブランド品・高級時計の査定現場で数多くのお客様と向き合ってきた経験を持つ。現職では技術商社の最前線に身を置き、ITをはじめとする幅広い分野の知見を日々積み重ねている。また、過去に借金を抱えた経験から、マネーリテラシーの重要性を痛感し、現在も金融知識の習得を続けている。二次流通市場の裏側から、お金のリアルな話まで、現場で得た実体験をもとに等身大の言葉で発信中。