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「株主優待で食費がゼロになる」人気飲食店3社の株を購入→半年後、40代男性を襲った“思わぬ大誤算”に「こんなことになるとは…」

  • 2026.4.23
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こんにちは。FPとして家計相談やお金に関する情報発信を行っている柴田です。

「株主優待で食費がゼロになった!」「毎月タダでランチできる!」
SNSでそんな投稿を目にして、優待投資に憧れたことはありませんか?

今回ご相談に来られたのは、都内在住のAさん(43歳・男性)。「SNSの投稿に影響されて優待銘柄を買ったら、優待品どころじゃない損失が出てしまいました」と、苦い表情で話してくれました。

「年5,000円の優待」のために「10万円の含み損」を抱えた理由

株主優待は、株式投資の醍醐味です。忘れたころに自社製品やクオカードなど、生活に役立つ商品が届くのはうれしいものです。私も優待銘柄を数十社保有していますが、配当金と株主優待のお知らせが届くとテンションが上がります。

さて、相談者のAさんは約1年前、優待利回りランキング上位の飲食系銘柄を中心に3社の株を購入しました。「優待利回りが高い=お得」という認識で、各社の食事券や割引券に魅力を感じたのです。

ところが半年後、そのうちの1社が「株主優待制度の廃止」を発表。株価は発表翌日に一気に急落し、Aさんが保有する株の評価額は大幅に下落しました。

受け取れるはずだった食事券の価値は年間約5,000円。一方で抱えた含み損は約10万円。優待品の20倍以上の損失という、完全に逆転した結果になってしまいました。「優待がもらえると思って始めたのに、こんなことになるとは思っていなかった」とAさんは振り返ります。

優待廃止の予兆は決算書に出ている

優待投資家にとって、優待の廃止はショックが大きいものです。「優待が受け取れない」「株価が下がる」というダブルパンチを受けると、「この会社に投資なんかしなきゃよかった」と思うかもしれません。

実は、優待廃止にはサインがあることが多いです。そうした企業に共通するのが、業績の悪化や赤字の継続です。優待制度は企業にとってコストです。利益が出ていれば維持できますが、業績が苦しくなると「優待よりも株主への現金還元(配当)を重視すべき」という判断になりやすい。優待の実施はコストですからね。

最低限チェックしておきたい指標は次の3つです。

  • 営業利益が黒字かどうか(赤字が続く企業は優待廃止リスクが高い)
  • 自己資本比率(財務の安定度の目安。一般的に30%以上が望ましい)
  • 配当の推移(減配や無配が続く企業は優待も縮小しやすい)

決算書を読み慣れていない方でも、証券会社のアプリや株式情報サイトで簡単に確認できます。銘柄を選ぶ前に、この3点だけでも確認する習慣をつけましょう。

ただ、正直なところ「そんなの調べる時間も気力もない…」という方も多いと思います。そういった方は、無理に優待投資をする必要はありません。手間をかけずに投資したいなら、インデックスファンドの積立など、シンプルな方法を選ぶほうが長続きしやすく、結果的に資産形成にもつながりやすいです。

「優待がなくても買うか?」が最強の判断基準

では、優待投資を楽しむにはどう考えればいいのでしょうか。私が必ず伝えるのが「この株を、優待がなくても買いたいか?」という問いかけです。

優待はあくまで「おまけ」です。株式投資である以上、元本割れのリスクは常にあります。優待の魅力だけで判断すると、Aさんのように業績悪化中の銘柄をつかんでしまうことになりかねません。

また、少額から始める場合は1銘柄への集中投資は避けることも大切です。複数銘柄に分散することで、1社が優待廃止・株価急落になっても、ダメージを最小限に抑えられます。

優待と配当のどちらを重視すべきか迷う方も多いですが、初心者のうちは配当も出している銘柄を選ぶのがおすすめです。配当は現金で受け取れる安定した収益であり、優待廃止になっても配当だけ残る場合も多い。「優待+配当」のセットで見ることで、より安定した投資判断ができます。

まとめ

株主優待は、正しく活用すれば投資を楽しむ大きな魅力のひとつです。ただし、あくまで株式投資。優待利回りだけを見て飛びつくのは危険です。

「業績は安定しているか」「優待なしでも買いたいか」この2点を軸に銘柄を選ぶだけで、Aさんのような失敗は大きく防げます。焦らず、小さく、分散して。それが優待投資を長く楽しむコツです。


柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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