1. トップ
  2. レシピ
  3. 災害時の「お金と法律」(第5回 キャッシュカードや通帳がなくても預貯金は引き出せる)

災害時の「お金と法律」(第5回 キャッシュカードや通帳がなくても預貯金は引き出せる)

  • 2026.3.17

キャッシュカードや通帳が手元にないときは?

大きな災害では自宅からの避難を余儀なくされることもあります。このとき、銀行などのキャッシュカード、通帳、届け出印鑑を紛失したり、自宅から持ち出せなかったりすることも当然あり得るでしょう。このような場合に、避難先で預貯金を引き出したいときはどうしたらよいでしょうか。

結論からいえば、取引先の金融機関の窓口に足を運んで、本人確認ができれば、キャッシュカードや通帳などがなくても、預貯金の引き出しは可能です。また、紛失したカードなどの再発行手続きをすることもできます(手元にカードが届くまでには一定の時間がかる場合が多いです)。

手元に貴重品類がないと不安ですが、心配せず、金融機関の窓口で相談をしてください。これまでの大規模災害では、1日あたり10万~20万円程度の預貯金であれば問題なく引き出せています。

本人確認書類や身分証明書も必須ではない

運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書も同時に紛失したり、避難先へ持ち出せなかったりした場合、窓口でどうやって本人確認をすればよいのでしょうか。それは、本人や権限のある代理人などが、氏名、生年月日、住所、電話番号などの登録情報を口頭や筆記で伝えることでよいのです。金融機関側はそれらの情報を元に「名寄せ」をして口座と照合することで、問題なく本人確認ができるはずです。銀行などの窓口へ行けば、本人情報を記入する用紙などを渡されるはずです。大規模災害の際には、安心して手ぶらで窓口に相談に行けばよいということになります。

<こちらの記事もよく読まれています!>→災害時の「お金と法律」(第1回 新しい防災「知識の備え」を~災害復興法学の誕生)

災害救助法の適用が目安

各地で発生する災害のなかには、規模が大きかったり、人命救助の必要性が高かったりした場合など、一定条件を満たした場合、「災害救助法」という法律が適用されるものがあります。災害救助法が適用されると、それをきっかけとして、財務省(被災地を管轄している財務局)と日本銀行(被災地を管轄している各支店)の連名で、「金融上の措置」と題する文書が被災地の金融機関に対して発出されます。これまでのものは、金融庁や日本銀行のウェブサイトでも確認できます。

2026年最初の事例としては、東北地方などの「令和8年1月21日からの大雪」について、1月29日に、青森県が災害救助法の適用を決定しています。これに応じて、1月30日付で財務省と日本銀行から「令和8年1月21日からの大雪に係る災害等に対する金融上の措置について(青森県)」が発出・公開されました。

この「金融上の措置」には、「預金証書、通帳、届出の印鑑等を紛失した場合等でも、被災者等の被災状況等を踏まえた確認方法をもって預金者本人の申出であることを確認して払戻しに応ずること」と記述されています。金融機関は、顧客などの安全に十分配慮した上で、これらの「金融上の措置」を適切に講ずることを国から要請されているのです。このような文書が災害救助法適用の決定直後に発出されることを知っていると、いざというときの不安の種が減るのではないでしょうか。

<こちらの記事もよく読まれています!>→災害時の「お金と法律」(第3回 全壊や半壊とは?罹災証明書と自宅の被害認定)

破れてしまった紙幣はどうなる?

損傷したお札(日本銀行券)や貨幣(硬貨)がある場合にはどうしたらよいのでしょうか。これらのお金は、日本銀行の本店または支店に持ち込むことで、一定の基準に応じて、新しいお札や硬貨に引き換えができます。引き換えを希望する場合には、事前に日本銀行の本店または支店に連絡をして、その指示を仰ぐようにしてください。

ちなみに、損傷したお札の引換基準は、以下のようになっています。

表裏の両面があるお札について、

  1. 全体の2/3以上が残っている場合は額面全額
  2. 全体の2/5以上2/3未満が残っている場合は額面の半額
  3. 全体の2/5未満しか残っていない場合は交換できない

また、溶けた貨幣についても、模様が識別できるなど、一定の条件を満たせば、新しい貨幣に引き換えることができます。

<こちらの記事もよく読まれています!>→災害時に臨月だったら? 3.11に福島県で出産したママの実体験

<こちらの記事もよく読まれています!>→首都直下地震の被害想定見直し 12年前から何が変わった?ポイントを解説

元記事で読む
の記事をもっとみる