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バンコク・パワーソーシャライツ。チャオプラヤ川を背に微笑むビジネス・ヴィーナス、チャヤーパー・ジュートラグーン

  • 2026.3.14
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タイでは女性の社会進出が積極的に進んでおり2011年には初の女性首相が選出されています。今日のタイの繁栄を盛り上げ、また享受する社会的な影響力を持つバンコク・ソーシャライツをそれぞれにゆかりの深い場所で取材しました。今回は、ピンク・ラボ社の創設者兼CEOとして、デジタル時代におけるブランドと消費者の関わり方を刷新しているチャヤーパー・ジュートラグーンさんをご紹介します。

チャオプラヤ川を背に微笑むビジネス・ヴィーナス

サイアムピワット社が運営する大型複合施設「アイコンサイアム」のテラスにて。 Hearst Owned

<Profile>
Chayapa Chutrakul(チャヤーパー・ジュートラグーン)

8歳からイギリスで教育を受け、大学はアメリカへ。母はタイの大手不動産ディベロッパー、サイアムピワット社のCEO。同社が運営する大型複合施設「アイコンサイアム」のテラスにて。

イノベーションにおける先見的なリーダー

アイコンサイアム内「ブルー・バイ・アラン・デュカス」のプライベートダイニングにて。タイ・ミシュランで一つ星を獲得。フランス人シェフが腕を振るいます。<br>URL/<a href="https://www.blue-alainducasse.com/" target="_blank" rel="nofollow">www.blue-alainducasse.com</a> Hearst Owned

チャヤーパー“ピンク”ジュートラグーンさんは、デジタルマーケティング、イノベーションビジネス、高級ブランド・マネージメントへの先駆的なアプローチで知られるタイの起業家です。ピンク・ラボ社の創設者兼CEOとして、彼女はデジタル時代におけるブランドと消費者の関わり方を刷新しています。

「米国スクリップス大学で、マスメディアとコミュニケーションの学士号を取得しました。これが私のブランディングとストーリーテリングへの情熱の基礎となっています。卒業後はニューヨークのデザイン・コンサルタント会社2X4で、プラダやDKNYなど有名ブランドのグローバルブランディング・プロジェクトに携わる機会に恵まれました。また米コロンビア大学で応用分析学の修士号を取得。イノベーションとビジネス成長のビジョンを形作る上で、重要な役割を果たしています」

また、チャヤーパーさんはビジネス感覚に優れている一方で、チームを盛り上げ、創造力を育む感性にも定評があります。彼女の先見性のあるリーダーシップは企業の成功にとどまらず、業界の若い専門家を積極的に指導し、力づけています。

今の世代のためにクロスボーダーな交流を

チャヤーパーさんが共同設立者として注力している、ラグジュアリーかつイノベーティブなプライベートクラブ「JAI by ONESIAM」。<br>URL/<a href="http://www.jaibyonesiam.com/">www.jaibyonesiam.com</a> Hearst Owned

チャヤーパー“ピンク”ジュートラグーンさんが設立したザ・ピンク・ラボ社は、AIセキュリティやその他のテクノロジー関連分野に焦点を当てたビジネス・インキュベーターです。AIや機械学習、メタバースにおけるWeb 3.0 (WEB3)などのイノベーションを取り入れながら、彼女はCEOとして会社を成長させてきました。「ピンクは私のニックネームで、多くのタイ人が日常生活でニックネームを使用しています」

もうひとつの興味深い会社が、彼女が立ち上げに重要な役割を果たしたJAI by ONESIAMです。大手不動産ディベロッパーであり、アイコンサイアムなど豪華なショッピングモールを手がけるサイアムピワット社との企業ベンチャーの一環でもあります。「JAI by ONESIAMは、現役世代向けに設計されたボーダーレスなコミュニティです。現在はタイ、シンガポール、韓国、ベトナム、西洋諸国からのメンバーが在籍し、さまざまな国やユニークな場所で独占イベントを開催することで多様な視点を共有しています」。2024年9月には、その主要なイベントがソウルで開催されました。フランスやタイ、韓国のミシュランスター・シェフによるディナーを企画。ゲストは多様な業界から招きました。このイベントは国際アートフェアと重なったため、アートも主要なテーマとして組み込まれました。「私たちのクラブは国境、時間、業界を超えたハイレベルな交流を促進しています」

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JAI by ONESIAMの会員は「ブルー・バイ・アラン・デュカス」 でのメンバーサービスが。 Hearst Owned

富裕コミュニティを魅了するタイの現代アートシーン

韓国でも特別なイベントを。 Hearst Owned

チャヤーパーさんはラグジュアリーは人々を惹きつける重要な要素だと考えています。タイのラグジュアリー業界について「観光客が需要の大半を牽引していますが、タイの消費者自身も洗練され、今ではさらに贅沢な体験を求めています。もはやブランドショッピングだけでなく、ダイニングやおもてなしの分野での需要も高まっています」

世界的F1ドライバー、アレックス・アルボンと特別な朝食会を開催。 Hearst Owned

最も急成長している分野の一つはアートです。「タイの富裕コミュニティ内でも、芸術に関する話題が増えています。かつてはアートといえば骨董品や仏像が主流でしたが、今では現代アートが注目を集めています。GongkanやSunturなどのタイのアーティストがシーンをリードしています」。2024年末には国際アートフェア「Access Bangkok」がアイコンサイアムの美術館やその他の会場で開催され、タイの現代芸術への関心の高まりを反映しています。

香港ではHypebeastとコラボ。 Hearst Owned

世界に向けての新しい飛躍、Grand Prix de la Haute Joaillerie

チャヤーパーさんの新しい活躍のひとつが、ハイジュエリー界の新たな祭典「Grand Prix de la Haute Joaillerie」の選考委員への就任です。この賞は、モナコのカジノやオテル・ド・パリなど主要な観光施設を所有・運営するモンテカルロ・ソシエテ・デ・バン・ド・メールが主催。世界のハイジュエリーにおける芸術性やクラフトマンシップ、トレーサビリティ、職人技の継承を称えることを目的として創設されました。全9名からなる同賞の選考パネルにおいて、チャヤーパーさんはアジアを代表する委員として2025年10月にモナコで発表された初回から参加。ちなみに、第一回目のグランプリはシャネル、サヴォワール・フェール賞はディオール、審査員特別賞とヘリテージ賞はティファニー& Co.が受賞しました。

授賞式でスピーチするChayapa (Pink) Chutrakulさん。 (C) The Bureau of Wonders
同賞の共同創業者であるモンテカルロ・ソシエテ・デ・バン・ド・メールのステファン・ヴァレリ会長と、パリのヴァンドーム広場にて。 (C)Lionel Auguste

初出:リシェスNo.51 2025年3月28日発売
TEXT & EDITING:KAZUHIRO NONAKA
PHOTOGRAPHS:AKIKO FUKUCHI

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