1. トップ
  2. バンコク・パワーソーシャライツ。代々の精神を受け継ぎアマンをバンコクに招致したナパーポン・ポーティラットナングーン

バンコク・パワーソーシャライツ。代々の精神を受け継ぎアマンをバンコクに招致したナパーポン・ポーティラットナングーン

  • 2026.3.14
Hearst Owned

タイでは女性の社会進出が積極的に進んでおり2011年には初の女性首相が選出されています。今日のタイの繁栄を盛り上げ、また享受する社会的な影響力を持つバンコク・ソーシャライツをそれぞれにゆかりの深い場所で取材しました。今回は、代々の精神を受け継ぎアマンをバンコクに招致したナパーポン・ポーティラットナングーンさんをご紹介します。

Hearst Owned

<Profile>
Naphaporn Bodiratnangkura(ナパーポン・ポーティラットナングーン)

ナイラート財閥4代目CEO。イギリスで10年間教育を受け帰国。美しいナイラートパークにて。
URL/nailertgroup.com

一族のヘリテージを守り伝える美しい公園

バンコクの都心、プロンチット駅の至近にナイラートパークという8エーカーの緑地が広がります。ここはナイラート財閥の旧邸宅を公園として一般開放している施設で、近隣で働く人々や住民の憩いの場となっています。「ここはさながら、バンコクのリビングルームです」と財閥の4代目当主のナパーポンさん。

緑滴る庭園はバンコク都心のオアシス。この先祖からの遺産を継承することもナパーポンさんの務めです。2025年4月には公園内に立つ高層ビルに「アマン ナイラート バンコク」がオープン。イタリアン、寿司、鉄板焼きの3軒のレストランに、シガー&ジャズバーやラウンジが入ります。 Hearst Owned

敷地内にあるナイラートパーク・ヘリテージホームは旧本宅を利用した私設の博物館で、かつて一族が実際に使用していた住居や貴重な調度品などが展示されています。「建物は初代が110年前に建てた総チーク材造りで、現存する100年越えの総チーク材家屋は市内ではここだけです」。家屋をテラスで囲うのはペナンの様式で、初代のナイ・ラート氏のデザインです。今でもナパーポンさんがVIPをもてなす際はこの邸宅を用いることがあり、以前には日本の皇族をお迎えしたことも。「曾祖父は初代駐日タイ大使を務めており、曾祖母も日本の共立女子大学に留学していたので私自身も日本と日本文化に親しみを感じます」

事業を成功に導いたラート家の先見の明

旧宅のダイニングルーム。日本に留学していた2代目当主の影響から伊万里焼の器も。 Hearst Owned

ラート家は当初、シンガポールから氷やライムソーダを輸入していました。その後、製氷機を輸入しタイで氷を作り成功を収めます。同時に自動車を輸入しレンタカー事業を開始、公共交通の普及にも参画するなど事業を広げました。140年ほど前にこの地に移り住みましたが、当時は197エーカーもの土地を所有していたそうです。その後、バンコクの市域が広がってきた頃に、所有地を切り売りしたのが不動産業の始まりとなりました。「敷地を寄進しては、道路の造成も行いました。タイではこうした寄付の精神が常日頃から大事にされているのです。

ホテル運営への思いとアマンとの出合い

花々があふれるタイ料理のレストラン「マ・メゾン」。敷地内にこの店があるので「アマン ナイラート バンコク」にはタイ料理レストランは設けなかったそう。 Hearst Owned

ナイラート財閥はかつて、公園の続きの敷地に「ナイラート・ヒルトン」というホテルを経営していました。上皇ご夫妻をはじめ、日本の皇族の方々も宿泊された由緒あるホテルです。10年間イギリスで教育を受け、NYに留学していたナパーポンさんがタイに帰国した理由の一つは「ホテルを手伝って」と祖母に頼まれたから。現在ヒルトンは売却していますが、彼女は再びホテルを経営したいと思い立ち家族に相談しました。「自分でホテルを立ち上げることも考えたのですが、母から『自分たちに合うグループと協力するのが良い』とアドバイスされました」。そうして2025年4月に「アマン ナイラート バンコク」がパーク内に開業する運びに。「ラグジュアリーを追求する姿勢、クオリティとディテールへのこだわりにアマンとナイラートとの共通点を感じました」

かつて事業などに使われていたボート。現在はタイ風のカフェ「サマンタオ」に転用されて。 Akiko Fukuchi / Hearst Owned

初代がこの土地に移る前、拠点としていた3階建てのタウンハウスの2階部分にはホテルがあったそう。創業当初からこの一族には、ホスピタリティへの思いが存在していました。その熱意は今、世界最高峰のホテル「アマン」としてここナイラートパークに花開いたのです。

タイに初めて輸入されたフィアット。ナンバープレートが名前なのもしゃれています。 Hearst Owned

初出:リシェスNo.51 2025年3月28日発売
TEXT & EDITING:KAZUHIRO NONAKA
PHOTOGRAPHS:AKIKO FUKUCHI

元記事で読む
の記事をもっとみる