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新たな価値観を構築するためには「異質」を受け入れることも必要【人生が豊かになる言葉の選択 vol.120】

  • 2026.3.11

京都「両足院」の副住職、伊藤東凌さんは「“言葉”は捉え方次第で、人生をもっと豊かにすることができる」と言います。視点を変えることで選択肢が増え、視野が広くなる。そして、自分自身で選んでいくことで、心がもっと成長する。毎週水曜日に配信するこの連載【人生が豊かになる言葉の選択】では、そんな、プラスの循環へと繋がる思考の変換方法を学んでいきます。

現代のお坊さんが説く“人生を豊かにする、言葉の選び方・捉え方”とは? 今回は、自分の中にある「異質」な部分を発信することで得られる新たな価値観について。

ダイバーシティに身を置くことで気が付く「異質」という調和

Yuna Yagi

先日サンフランシスコへ出張し、多様な人種、職業、価値観をもつ「異質」な個性が集った空間で、瞑想の指導をしてきました。けれど、一歩引いて眺めてみれば、皆同じホモ・サピエンス。心を合わせて呼吸をし、悩みを分かち合い、共によりよく生きたいと願う存在です。マクロ的な視点で見れば、差はほとんど無いともいえるのではないでしょうか。

人と異なることを恐れることなく前進することで、新たな価値観が生まれる

「差」と「異」は似て非なるもの。差は数値や色の違いといった比較可能なもので、血液検査の結果、テストの点数、生まれながらに持っているDNAなどもそれに当たります。一方で、異というのは、感覚的な違い。例えば、同じ内容の話をしたとしても、誰がどの場面で語るかによって、受け止められ方が異なります。内容に差がなくても、そこには異が存在するのです。

日本人は、あからさまな差をつけることを好みません。ぶっちぎりで勝つことや、周囲から理解されない特別すぎる人生を望む人は少ないでしょう。とはいえ、まったく同じでいたいわけでもありません。帰属意識と独自性を同時に求める心理状態を説明した「最適弁別性理論」という概念がありますが、白ごまの中で形は同じでも、少しだけ艶があるような存在でいたいという感覚ですね。

けれど、差を恐れて遠ざけすぎてしまうと、異質さは生まれません。特に第三者に「異なる」と認識されるためには、試行錯誤した回数、費やした時間など、一定の差分を生む努力が必要です。圧倒的にやってみて、ようやく外から“ちょうどよい異”として認識されます。日々世界との距離が近くなり、流動性が高くなっていく昨今、差を生もうという覇気を忘れずにいたいものです。

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