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ブラックジョークは万人受けしない!「笑いには相性がある」と研究で明らかに

  • 2026.3.6
ブラックジョークは万人受けしない / Credit:Canva

ちょっとしたユーモアでその場の空気が温かくなることがあります。

お笑い番組が好きな人も少なくないでしょう。

しかし、すべての笑いが同じように人を楽しませるわけではないようです。

ハンガリーのペーチ大学(University of Pécs)の研究チームは、ユーモアの種類と個人の傾向の組み合わせによって、人の不安や感情の反応が変わることを実験で示しました。

特に、いわゆる「ブラックジョーク」は、好まない人にとっては逆に不安を高める可能性があることが分かりました。

この研究は2025年3月6日付の『Personality and Individual Differences』でオンライン公開されました。

目次

  • ユーモアにも「種類」がある
  • ブラックジョークは「合う人」と「合わない人」がいる

ユーモアにも「種類」がある

研究者たちが注目したのは、ユーモアには心理学的に異なる「スタイル」が存在するという点です。

近年の研究では、笑いは大きくライトユーモアとダークユーモアの2系統に分けられると考えられています。

ライトユーモアには、軽い冗談やからかい、人の欠点を温かく笑うユーモア、ナンセンスな笑い、機知に富んだ言葉遊びなどが含まれます。

一方、ダークユーモアには皮肉、冷笑、風刺といった、他者をからかったり社会を批判したりする要素を含む笑いが含まれます。

研究チームは、このようなユーモアの違いが人の感情にどのような影響を与えるのかを調べるため、275人の成人を対象に実験を行いました。

参加者の平均年齢は約25歳で、約76%がハンガリー人でした。

まず参加者には、普段どのようなタイプの冗談を言う人なのか、どんなユーモアのスタイルを使いやすいかを測る「Comic Style Markers」という心理尺度に回答してもらいました。

さらに、不安の状態を測る心理テストや、ポジティブ・ネガティブな感情の状態を測る質問にも答えてもらいました。

その後、参加者は6本の動画を視聴しました。

動画はライトユーモアを含むものとダークユーモアを含むものの2種類に分かれており、人気のアニメ作品のコメディシーンが使用されました。

参加者は、ライトユーモアの3本とダークユーモアの3本をまとまりごとに見た前後で、不安や感情の状態に答えました。

また研究者たちは、参加者を普段使いやすいユーモアのスタイルに基づいて4つのタイプに分類しました。

ユーモア全般にあまり関心がない人、ライトユーモアを好みやすい人、ダークユーモアを好みやすい人、そして両方のユーモアに親しみやすい人です。

そして動画視聴の前後で、不安や感情がどのように変化するかを分析しました。

その結果、ライトユーモアは多くの人で不安を下げる傾向がある一方、ダークユーモアは人によって逆効果になる場合があることが明らかになりました。

より詳細な結果については、次項で見ていきましょう。

ブラックジョークは「合う人」と「合わない人」がいる

より詳しく見ると、ユーモアへの反応はかなり興味深いパターンを示していました。

まず、ライトユーモアを好みやすい人では、ライトユーモアの動画を見ても不安はほとんど変化しませんでしたが、ダークユーモアの動画を見ると不安が有意に増加しました。

つまりブラックジョークはこのタイプの人にとって、笑いというよりも心理的なストレスとして受け取られる可能性があるということです。

一方で、ダークユーモアを好みやすい人では、ライトユーモアとダークユーモアのどちらを見ても不安の変化はほとんど見られませんでした。

研究者たちはその理由として、ダークユーモアを受け止めやすい人は、不快な状況を笑いとして見直す「認知的再評価」を使いやすい可能性があると考察しています。

例えば医療従事者や救急隊員などがブラックジョークをストレス対処として使うことがあることは、以前から知られています。

また、ユーモアにあまり関心がない人では、ライトユーモアを見ると不安が下がる一方、ダークユーモアを見ると逆に不安が上昇しました。

さらに、両方のユーモアに親しみやすい人では、ライトユーモアで不安が減少しましたが、ダークユーモアでは特に変化は見られませんでした。

ただし、この研究にはいくつかの限界もあります。

まず実験は短時間の動画視聴で行われたため、ユーモアの長期的な心理効果までは分かりません。

また参加者の多くが若い成人であり、文化や年齢の違いによる影響も今後検討する必要があります。

さらに参加者は実験前から特に強い不安状態にあったわけではなかったため、もし強いストレス状態にある人を対象にした場合、結果が変わる可能性もあります。

それでも今回の研究は、ユーモアの心理効果が単純ではなく、笑いの種類と個人の傾向の組み合わせによって大きく変わることを示した重要な成果といえるでしょう。

ブラックジョークは、人によっては笑いになる一方で、別の人には不安の種にもなりうるようです。

やはり、笑いには「相性」があるようです。

参考文献

The psychological reason why dark humor isn’t for everyone
https://www.psypost.org/the-psychological-reason-why-dark-humor-isnt-for-everyone/

元論文

Why aren’t you laughing? – The effect of dark and light humor on anxiety and affective state
https://doi.org/10.1016/j.paid.2025.113133

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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