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1年で17kgのダイエットにも成功!身も心も軽やかに生きるための知恵とは?【対談】脳科学者・中野信子さん×開発者・川田十夢さん

  • 2026.3.1

1年で17kgのダイエットにも成功!身も心も軽やかに生きるための知恵とは?【対談】脳科学者・中野信子さん×開発者・川田十夢さん

健康のこと、年齢のこと、世代間ギャップのこと、介護のこと…… 私たちが暮らしの中でぼんやりと思いをめぐらせるあれこれを、書籍『眠れない夜に、言語化の話をしよう』の著者、脳科学者の中野信子さんと開発者の川田十夢さんに言語化していただきました。後編は、ダイエット、お金をかけない豊かさ、そして親の介護について。

1年でなんと17kgのダイエット!?

——前回は、デーブ・スペクターさんの奥様がミニスカート姿でいつも可愛らしく、「60代、70代になってもミニスカが似合う人になれたら素敵」とお話しされていました。ミニスカが似合う自分でいるために、中野さんが意識していることはありますか?

中野 着たいものを気持ちよく着たいので、くびれを保つ努力はしています。インナーマッスルを指でゴリゴリするとか。あと、呼吸。

川田 中野さん、楽器やってますよね。

中野 2年前くらいから始めた笙(しょう/雅楽の管楽器)で長く呼吸をし続ける練習をするようになったのが、けっこう効いています。笙って、8秒吹いて8秒吸ってみたいな感じの繰り返しで、最初はゆっくり吹いて徐々に強くするなどの調整もしないといけないので、けっこうお腹周りの筋肉を使うんです。

——スキューバダイビングのインストラクターを目指し、脂肪を減らして腰痛を軽減させたいと「1年で17kgのダイエット」をしたと本にありました。ウエスト、締まりました?

中野 そうですね。締まりました。スタイリストさんに褒められるぐらい。

川田 僕もやりたくなっちゃうんですけど。

中野 龍笛(りゅうてき)とか篳篥(ひちりき)もおすすめです。

——急に体重を落としたから見た目が変わって、ネット上で“整形したのでは”とサーチされるようになったと発言されていますね。“整形疑惑”なんて、腹が立ちませんか?

中野 「中野先生」という存在はエンタメとして消費されるものなので、私とは別な人と思うようにしています。会ったこともしゃべったこともない人が、中野先生っていう架空の人をいじって遊んでるんだなと。だからなんとも思いません。

たまに私がイラッとするのは、私が言ってないことを言ったみたいに書かれることでしょうか。好みの顔じゃないのに「中野先生がかっこいいと言った」みたいに書かれるのとかはムッとしますね。私は面食いだよ!って(笑)

お金がなくても遊べる人が、豊か!?

——本の第5章で「お金をかけない大人の楽しみ」についてお話しされています。バブルを経験した世代が年金生活に入ると、昔のようにお金が使えません。お金をかけずに人生を楽しめるといいのですが。

中野 小川哲氏の小説『ゲームの王国』に出てくる「運命と抵抗」という私の好きなゲームがあるんですけど。紙とペンさえあれば、お金がかからない遊びです。

紙を19枚にちぎって、それぞれに数字を書きます。数字は、整数でも分数でもマイナスでもいい。書いたら混ぜて、その中から1枚ずつ引きます。次に、引いた紙が「運命」か「抵抗」かを選びます。運命を選んだら、もう次から先は引けない。その人の運命が、その数字です。抵抗を選ぶと、その1枚を捨てて、もっと大きい数字かもしれない次の1枚を引ける。19枚のうち何番目に大きい数字を引いたか。その順位のいい方が勝ちです。

これ、けっこう人生を考えさせられるんですよ。「この人と結婚しちゃったけど、次の1枚が大きかった」みたいな。

——そんな遊び方があるんですね!

中野 時々、人とやるんですけど、本当にお金がかからなくて、いいですよ。

——一緒に遊ぶお友だちが増えそうです。

中野 ゲームって、人の性格がわかりますよね。

川田 お金をかけずアイデアを出して遊ぶのはいいですよね。“貧乏くさい”と“貧乏”って、違うじゃないですか。僕は貧乏くさいのが嫌いですが、お金をかけてるか、かけてないかじゃなくて、工夫があるかどうかなんですよ。

アイデアを出すと、「それは予算がないとできない」と言う人がいるんですけど、けっしてそんなことはなくて。アイデアはお金をかけなくても出るし、それが面白みの核。お金をかけないと面白くならないなんて、考えが足りない気がします。

工夫したら、お金をかけずに実装できるし、逆もあって、お金をかけたがらない人もいて、それは貧乏くささだと思うんです。お金なくてもここまではできるけど、お金が手に入ったらこれもやろうかなとか——、そういう選択肢がある人が一番豊かな人ですよね。

中野 一方で、お金をかけるのが下手な人も多いと思います。使い方が下手っていうか。「皆が持ってるから買わなきゃ」じゃなくて、自分らしさが際立つ、自分が欲しいと思う物。物以外でも、「このサービスにお金払えばもっとよくなるのに」みたいなことには、もったいないと思うのか、ケチってお金をかけない傾向がありますよね。今までの習慣を断ち切って、新しく考えてみるのもいいかもしれませんね。

親との確執がある人は、介護にどう向き合う?

——親の介護に直面している方々のなかでも、争いのない順風満帆な家族って、実はそれほど多くないように思います。親との間に確執がある人もわりといる。本の第3章では家族について語られていて、少し重い話になっていました。

中野 お金で解決する方法が耳に入っていても、それを後ろめたいと感じる人もいます。考え方は人それぞれですが、この判断基準が書き換わるかどうかのトライはしてもいいかもしれないです。「こういうことをやってもらったから裏切れない」みたいな後ろめたさを感じるかどうか、とか。

私たちって介護に関しては素人で、プロにお願いしたほうがいいかもしれない。親も快適かもしれない。どちらにとってもWin-Winな方法を考えたら、お金使うほうが実はいいよねとか、自分の後ろめたさのために不快な思いをさせるようになるとか、そういうのを、もっと合理的に考えられるかもしれない。

一度、自分の気持ちの棚卸しをしてみて、頼れるものが見つかれば頼るのもありだし、どうしても自分が!というのであれば、その気持ちを大事に。やれることとやりたいことは違ってしまうし、やりたい気持ちがあっても手が回らなかったら、それはお互い不幸なので。

川田 産んでくれたのは親だから、全部親のおかげだから全部背負うのが当たり前だけど、ちょっとむかつくこともありますよね。

お金を出せば確かにいいところに住めるし、いいサービスが受けられたり、お互いのためになる。そういう決定をする時に、何かの契約の判を押す前に、親にちょっとむかついたなっていうのを思い出して、後めたさを払って、心軽くしてから前に進むのがいいかなと思いますね。

——介護の正解を探すことよりも、後めたさにしばられず、親と自分が少し楽になれる選択をしていいということですね。
今日はありがとうございました。

中野信子 Profile

なかの・のぶこ●脳科学者、医学博士、認知科学者
東日本国際大学特任教授、森美術館理事。2008年東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。東京都生まれ。フランス国立研究所ニューロスピン (高礎場MRI研究センター) に勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに、人間社会に生じる事象を科学の視点をとおして明快に解説し、多くの支持を得ている。著書に『サイコパス」(文春新書)「空気を読む脳』(講談社+a新書)、『新版 科学がつきとめた「運のいい人」(サンマーク出版)、「新版 人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)などがある。

川田十夢 Profile

かわだ・とむ●開発者
2001年メーカ一系列会社に就職。同社Web周辺の全デザインとサーバ設計、全世界で機能する部品発注システム、ミシンとネットをつなぐ特許技術発案、AdobeRe-cordsダブル受賞。2010年に独立。2013年情熱大陸出演。2014~2016年J-WAVE『THE HANGOUT』火曜ナビゲーターを担当。現在は毎週金曜日20時からJ-WAVE『TINNOVATION WORLD』に出演中。WIREDなどで連載を持つ。作・演出・開発をつとめた舞台『パターン』をフジテレビで番組化、NHK『課外授業ようこそ先輩』に出演するなど、芸術から芸能まで、ジャンルを越えた拡張を続ける。

撮影/柴田和宣(主婦の友社)

※この記事は『眠れない夜に、言語化の話をしよう 』中野信子著/川田十夢著(ソシム刊)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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