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保護者「来年度はあの子とクラスを離してください」元教員が告白する【クラス替えのリクエスト】への正直な本音

  • 2026.3.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。元小学校教員で、現在はWebライターをしているみずいろ文具です。

年度末が近づくと、担任のもとにじわじわ増えてくる“ある問い合わせ”があります。

それは、「○○さんと、来年度はクラスを離してください」という要望です。

4月のクラス替えは、子どもにとって人間関係がリセットされる大きな節目。
保護者としては、少しでも不安の芽を減らしてあげたくなりますよね。

今回は、そんな「離してください」リクエストについて、現場で実際にどう受け止め、どう判断していたのかをお話しします。
(※学校や自治体で対応は異なります。ここからは、あくまで私の経験です。)

「離してください」理由はだいたい2つ

保護者からの理由は、大きく分けると次の2パターンが多い印象です。

ひとつは、子ども同士の相性やトラブル

「本人がすごく苦手がっていて…」「今年、何度か揉めてしまって…」など、子どもが学校でしんどい思いをしているケースです。

もうひとつは、保護者同士の関係

行事や連絡のやりとり、ちょっとした行き違いが積もって気まずくなってしまったり、過去の出来事が尾を引いていたり。
子ども同士は仲がいいのに、親同士がこじれてしまい「離してほしい」と言われること、実はけっこうあるんです。

まずは“建前”として、こう答える

このお願いを受けたときに、担任がすぐ「分かりました!」と言えるかというと、現実はそう簡単ではありません。

学級編成は、学力や性格、支援体制、人間関係など、いくつもの条件を考慮して決めていきます。
だから、返答はだいたいこうなります。

「さまざまな事情があり、お約束はできませんが…状況は受け止めました」

ここで安易に「離します」と約束してしまうと、後でどうしても調整できなかったときに、信頼を失ってしまうからです。

じゃあ実際はどうする?私の経験では…

前はこうでも、実際にどうしていたか。
あくまで私の経験上ですが、可能な範囲で「離す方向で調整する」ことを検討するケースが多かったように思います。

なぜなら、学校としては、トラブルの芽を少しでも減らし、クラス運営のリスクを小さくしておきたいから。
ただしこれは、「言ったもの勝ち」という意味ではありません。

要望がなくても、そのつもりであることが多い

まず、子ども同士のトラブルが理由の場合。
保護者から言われる前に、担任側がすでに「来年度は距離を取った方がいいかもしれない」と考えていることも多いです。

繰り返し揉めている、片方が強い恐怖を感じている、学習や生活に支障が出ている。
こうしたケースは、まずは安心して学べる環境を確保することが最優先です。

もちろん、廊下や休み時間、行事では顔を合わせますから、離したからといってすべてが解決するわけではありません。

しかし、やはりクラスを離せば、リスクは大きく減ることになります。

親同士の不仲は「子どもに影響が出るかどうか」で判断する

次に、保護者同士の関係が理由の場合。
正直に言って、大人の事情に子どもを巻き込みたくない、という思いもあります。

ただ、担任の知らないところでやりとりがこじれて、その影響が子どもに波及してしまうことも現実にあります。
だから、担任としてもリスクはできるだけ小さくしたいと考えます。

そのため、可能であれば離す方向で調整することが現実的には多いと思います。

「言ったもの勝ち?」と思ったときに、知っておいてほしいこと

ここまで読むと、「結局、言えば離してくれるんじゃないの?」と感じる方もいるかもしれません。

しかし大前提として、学校は子どもの学びのための場所です。

苦手な相手との距離の取り方や、折り合いのつけ方を学ぶことも、学校で育つ大切な力のひとつといえるでしょう。

だからこそ、すべてが「離せばOK」ではないということも、保護者の皆さんには知っておいていただきたいです。

もし来年度の学級編成について相談するときは、

「○○さんが嫌いで…」ではなく、

「こういう場面で不安が強くなり、登校前に泣くことがある」
「休み時間にこういうトラブルが続いているそうだ」

など、“事実”ベースで伝えるのがおすすめです。

子どもが困っているのはどんな場面なのか、何が起きているのか。
そこを丁寧に共有してもらえると、学校側も動きやすくなります。

年度末は、親も子も先生も、余裕がなくなりがちな時期。
だからこそ、少しでも安心して新学期を迎えられるように、学校と家庭で一緒に“落としどころ”を探していけたらいいなと思います。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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