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「年収は平均より高いはず」なのに…“年収1500万円”の高収入世帯を待ち受けている“意外な落とし穴”【お金のプロが解説】

  • 2026.3.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「年収は平均より高いはずなのに、気づけば口座残高が増えていない」「ボーナスが入っても右から左へ消えていく」。そんな悩みを抱えていませんか?

実は、年収1500万円以上の高収入世帯ほど陥りやすい独自の「落とし穴」が存在します。収入が増えれば自然と貯金も増えるはず、というのは大きな誤解かもしれません。

なぜ高年収でもお金が貯まらないのか、その心理的背景と、今日から実践できる脱出法について、お金のプロである中川佳人さんに詳しく解説していただきました。

高年収でも「貯金ゼロ」に陥る意外な心理的背景

---高収入の方でも貯金ができないケースがあるとのことですが、生活水準の高さ以外にどのような要因があるのでしょうか?

中川 佳人さん:

「高年収でも貯金ができない家計の背景には、単に生活水準が上がるという要因だけでなく、『周囲との比較』や『収入に見合った生活をしなければならないという思い込み』が大きく影響しています。

収入が増えると、人は自然と自分の生活を周囲と比較するようになります。特に高学歴・高収入の方が多い職場やコミュニティでは、住まい、車、子どもの教育環境などが比較対象になりやすく、『このくらいの生活をしていて当然』という感覚が生まれやすくなります。こうした環境の中では、支出が増えてもそれを問題として認識しにくい傾向があります。

さらに、高収入の方ほど『将来も同じ収入が続く』と思い込み家計を組み立てています。昇進や転職などによって収入が伸びてきた経験があると、今後も収入が増えていくという感覚が当たり前になりやすいのです。その結果、支出のコントロールよりも生活の満足度を優先し、貯蓄が後回しになってしまいます。

高収入世帯ほど、収入ではなく支出のコントロールに目を向けることが大切です。収入が高いことと資産が増えることは必ずしも同じではありません。収入と支出を記録し、家計管理を継続することが将来の安定した資産形成につながります。」

注意すべきは「見栄消費」と「隠れ固定費」の罠

---具体的にどのような支出が家計を圧迫しやすいのでしょうか? 高収入だからこそ気をつけるべきポイントを教えてください。

中川 佳人さん:

「高年収世帯が陥りやすい支出の罠として代表的なのが、『収入に見合った生活をしなければならない』という意識から生まれる見栄消費です。特に外車やタワーマンション、私立学校への進学などは、生活や人生の満足度を高める一方で、家計に大きな負担を生みやすいものです。

例えば外車は購入費用だけでなく、保険料やメンテナンス費用も高くなる傾向があります。タワーマンションも、住宅ローンに加えて管理費や修繕積立金が高額になりやすく、長期的に大きな固定費になります。このような支出は一度生活に組み込まれると見直しが難しく、家計を圧迫する原因になりやすいのです。

また、高年収世帯ほど見落とされがちなのが税金や社会保険料の負担です。年収1500万円前後になると所得税率も上がり、手取りは想像以上に伸びにくくなります。額面収入だけを基準に生活水準を設定してしまうと、思っていたほど自由に使えるお金が残りません。

さらに、仕事が忙しい世帯では『時間をお金で買う』支出が増える傾向もあります。外食や家事代行、タクシー利用などは生活の効率を高めるメリットがありますが、無意識に積み重なると家計全体の支出を押し上げます。

高収入世帯ほど、固定費の大きさが家計を圧迫します。生活の満足度を高める支出と、見栄の支出を区別し、お金の使い方を考えることが大切です。」

今すぐ始められる! 「お金が貯まる仕組み」の作り方

---状況を改善し、着実に資産を作っていくためには、まず何から始めればよいでしょうか?

中川 佳人さん:

「高収入でも貯金ゼロに陥る状況を避けるために、最初に取り組んでいただきたいのは、『先取り貯蓄』です。毎月の支出をする前に貯蓄をすることでお金が貯まる仕組みを作ることができます。

具体的には、給与が振り込まれたタイミングで一定額を自動的に別口座へ移すようにします。例えば、手取りの2割を貯蓄用口座や資産形成用の口座に移して、残りのお金で生活するようにするのです。この仕組みを作ることで、無理なく貯蓄を続けやすくなります。

次に行いたいのが、『固定費の見直し』です。住宅費、車関連費、教育費、サブスクリプションなど、継続的に支払っている支出を書き出してみると、家計の大きな流れが見えてきます。多くの場合、家計を圧迫している原因は日々の細かな支出ではなく、固定費にあります。見直しできるものがないか確認してみましょう。

夫婦で家計の状況を把握し、協力することも大切です。どちらか一方が浪費家であれば、どんなに節約しても家計は改善されません。夫婦でよく話し合い、二人で家計管理をするようにしましょう。

現在、支出が多い家計や、赤字家計でも、仕組みを整えれば改善でき、お金が貯まる状態にすることができます。まずは先取り貯蓄と固定費の見直しという基本から始めてみましょう。」

収入の多さに甘えず、「支出のコントロール」で将来の安心を

収入が高いことは大きな武器ですが、それだけで資産が築けるわけではありません。取材で見えてきたのは、「収入に見合った生活」という思い込みを捨て、支出をコントロールすることの重要性でした。

まずは「先取り貯蓄」で強制的に貯める仕組みを作り、一度膨らんだ固定費を見直すこと。そして夫婦で協力して家計に向き合うこと。この基本を徹底することで、高年収を本当の意味での「豊かさ」に変えていけるはずです。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。