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「今の家賃を払う感覚」月10万円の賃貸から“マイホーム購入”を決意→3年後、30代男性を襲った“思わぬ誤算”【お金のプロは見た】

  • 2026.3.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「今の家賃が月10万円なら、同じ支払いでマイホームが買えますよ!」

ハウスメーカーの営業マンから、このような魅力的な言葉をかけられたことはありませんか。

確かに、毎月消えていく家賃を払い続けるくらいなら、資産になる持ち家を買ったほうがお得だと考える気持ちもわかります。しかし、住宅ローンの裏には隠れた巨大なランニングコストがあることを知っているでしょうか。

今回は、マイホームを検討している方が見落としがちなコストと、マイホーム購入時に注意すべきポイントについて解説します。

家賃と同じはウソ?年間30〜50万円の見えざるコスト

私の知人である30代男性のOさんは、住宅展示会で「今の家賃を払う感覚で住宅ローンを返したほうがお得ですよ」という言葉を信じて、マイホームを購入しました。

しかしそれから3年後、Oさんはマイホームを手放すことになってしまったのです。

なぜ、マイホームを手放すことになったのか聞いてみると「住宅ローン以外に年間30万以上も支払うなんて知らなかった。もうこれ以上支払い続けられない。」と答えてくれました。

実はマイホームを持つ方は、住宅ローンの支払いばかりに気を取られてしまい、固定資産税や火災保険料などの固定費が毎年30〜50万円もかかる事実を見落としてしまいがちなのです。

マイホームの維持費とは

賃貸住宅と持ち家の決定的な違いは、家そのものの維持費がすべて自己負担になる点です。

賃貸住宅の場合は、固定資産税やメンテナンス費用などの固定費を大家さんが負担してくれています。しかしマイホームを購入した方は、それらすべてを自分で支払っていかなければいけません。住宅ローン以外に発生するコストとして代表的なものは、以下のとおりです。

○税金(固定資産税・都市計画税)
土地や家屋を所有しているだけで毎年必ず納める必要があります。

○保険料
火災保険や地震保険などの加入・更新費用が発生します。

○修繕積立金
将来のメンテナンスに備えた貯蓄。マンションの場合は毎月強制徴収、戸建ての場合は自分で計画的に積み立てる必要があります。

火災保険は賃貸物件にお住まいの方でも支払っている費用のため「そこまでの負担にならないのでは?」と考えるかもしれません。しかし、補償範囲が賃貸は「家財のみ」であるのに対し、持ち家は「家財+建物」と広がるため高額になります。そのため、現状と同じ価格帯で考えてしまうと、いざ購入したときに「火災保険の保険料が思ったより高かった……」となりかねません。

持ち家の維持コストは物件の規模や地域によって変動するものの、これらを合算すると年間で約30万〜50万円(月々換算で3〜4万円)の支出が必要だと考えておくと良いでしょう。

「身軽に動けない」という最大のリスク

マイホームを持っている方は、多額の維持コストが発生するうえに「身軽に動けない」という点も大きなリスクとなります。

例えば、突然の転勤や転職、業績悪化による収入減が起きた場合、賃貸の方は家賃の安い部屋へ引っ越すこともできるでしょう。しかし、持ち家の場合は簡単に自宅の売却や引越しができず、重い住宅ローンと維持費だけが家計を圧迫し続けるリスクがあるのです。

転職や転勤など、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できない結果、仕方なくマイホームを手放さなければいけない方も多いでしょう。

マイホームを購入していい人の本当の基準とは

「家賃を払う感覚でマイホームを購入できる」という表現は、決して適切とは言えません。

より正しく表現するのであれば「住宅ローンの返済と維持費を支払える方は、マイホームを購入できる」が正しいでしょう。

マイホームを購入しても良いか判断に困っている方は、毎月のローン返済額と合わせて月3〜4万円の維持費を無理なく支払い続けられるか検討することが大切です。

購入前にFPとライフプランニングをしましょう

マイホーム購入を検討する際には、住宅ローンと維持費を含めて、購入後にかかる生活コストを総合的に判断することが重要です。

夢のマイホームによって人生の選択肢を狭めることにならないためにも、まずファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、将来の貯蓄や老後資金も含めたライフプランニングをしっかり立てましょう。


参考:固定資産税の概要(総務省)
マイホーム維持管理の目安(住宅金融支援機構)

ライター:野田晃司
FP2級を保有する金融特化ライター。難しいお金の話を「誰にでもわかる言葉」で伝えることを得意とする。深くリサーチし、それを初心者にも伝わる言葉へ変換することに定評を受けている。FPとしての知識を活かし、これまでに500本以上の記事を執筆。「お金の不安を安心に変える身近なアドバイザー」として活動中。