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「地方でゆったり暮らしたい」定年後に“1200万円の中古戸建て”を購入するも…→数年後、60代夫婦を襲った“想定外の大誤算”

  • 2026.3.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務の現役マネージャーとして、日々さまざまなお金のご相談に向き合っている中川です。

「定年後は、自然の多い地方でゆったり暮らしたい」
そう考える方は少なくありません。物価が安く、時間もゆっくり流れるように感じられるため、地方移住に魅力を感じる人は多いものです。

しかし、移住にはまとまった初期費用がかかります。さらに生活が始まると、車の維持費や住まいの修繕費など、見えにくい支出が家計を圧迫することもあります。

今回は、地方へ移住した60代夫婦が、想定以上の生活コストに直面した事例をご紹介します。

老後は自然の中で暮らしたい。60代夫婦が描いた第二の人生

Aさんご夫婦は60代前半で定年退職。子どもは独立し、夫婦2人の生活が始まりました。

退職金を受け取り、住宅ローンも完済。「これからは自分たちらしく暮らしたい」と考え、地方移住を決断します。

旅行で訪れた地域に魅力を感じ、「自然の中でゆったり暮らす生活」に期待を膨らませていました。

都市部の自宅を売却し、地方で中古住宅を購入

夫婦は都市部の自宅を売却し、移住先で1,200万円の中古戸建てを購入しました。

購入した住宅はそのままでは住めず、水回りや外壁の修繕などに約500万円のリフォーム費用が発生しました。さらに引っ越しや家具の買い替えも重なり、初期費用は想定を大きく上回りました。

「購入費だけで判断してしまった」
Aさんはそう振り返ります。

地方生活で増えた「車2台」と維持費の負担

移住後、生活は大きく変わりました。公共交通機関が少なく、車が必須となったのです。

夫婦それぞれが運転するため、車は2台所有。保険料や車検、ガソリン代などが重なり、年間で数十万円の負担となりました。

これまでなかった固定費が、家計に影響を与え始めます。

「地方は安いはず」は思い込み

地方は生活費が安い。そうしたイメージも、次第に崩れていきます。

食費は思ったほど下がらず、車中心の生活で支出は増加。さらに戸建ての修繕費も自己負担です。

結果として、生活費は大きくは下がらず、家計の見通しは立てにくくなりました。

想定より早く進んだ貯蓄の取り崩し

移住から数年後、夫婦は「貯蓄の減りが早い」と感じ始めます。

初期費用と生活コストの増加により、想定以上のペースで取り崩しが進んでいたのです。

老後は収入が限られるため、一度支出が増えると調整が難しくなります。支出の増加は将来への不安につながっていきました。

老後移住で後悔しないために

地方移住自体が問題ではありません。重要なのは、コストを把握しているかどうかです。

地方では車が必需品となるケースが多く、そのコストは想像以上にかかります。また、生活費も思ったほど下がらないことが多いです。

移住を検討する際は、住宅購入後のリフォーム費用、車の維持費、生活費の総額を具体的に見積もることが大切です。

理想の暮らしを実現するためにも、実際の数字を把握したうえで移住を検討してみてはいかがでしょうか。


監修者:中川 佳人 監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。