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「ゆっくり暮らせる」定年退職→月19万円の年金生活がスタートするが…数ヶ月後、60代夫婦を襲った“想定外の誤算”

  • 2026.3.23
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関に勤務する現役マネージャーとして、日々さまざまなお金の相談を受けている中川です。

「退職金もあるし、年金も入る。老後も今までと同じように暮らせるはず」

そう考える方は少なくありません。住宅ローンを完済し、長年働いてきた会社を定年で退職すれば、ようやく安心した生活が始まると感じる人も多いでしょう。

しかし、退職後、家計は大きく変わります。収入は想像以上に減る一方で、生活費はすぐには下がらないからです。

今回は、定年退職後も現役時代と同じ生活が続けられると考えていた60代夫婦が、収入半減によって家計の厳しさに直面した事例をご紹介します。

退職金で安心を手にしたはずだった

今回ご紹介するのは、60代前半のAさん夫婦です。

Aさんは長年勤めた会社を60歳で定年退職しました。退職金を受け取り、住宅ローンもほぼ完済しています。

「これでようやくゆっくり暮らせる」

そう感じたと言います。

現役時代の手取り収入は月36万円ほど。子どもの教育費も落ち着き、生活費にもある程度の余裕がありました。

退職後は再雇用で働く予定でしたが、収入は大きく下がります。それでも「年金もあるし生活は大丈夫だろう」と考えていたそうです。

想像以上に少なかった“毎月の収入”

再雇用で働き始めたAさんの収入は、現役時代の半分程度になりました。

やがて再雇用期間が終わると、主な収入は年金のみになります。夫婦2人の年金額は月およそ19万円でした。

現役時代と比べると、収入はほぼ半分です。

それまで給与が入っていた家計が、年金だけの生活に変わりました。収入の仕組みが大きく変わった瞬間でした。

支出は思ったほど減らない

一方で、支出はすぐには減りませんでした。

Aさん夫婦の生活費は、現役時代とほとんど同じ水準だったのです。

「食費」「外食費」「通信費」「保険料」「車の維持費」「交際費」

それぞれは大きな金額ではありませんが、合計すると毎月の支出は約25万円になっていました。

年金収入は月19万円。
毎月6万円ほどの赤字です。

最初のうちは「貯蓄があるから大丈夫」と考えていました。しかし赤字が続くにつれて、不安が強くなっていきました。

小さな赤字が積み重なる怖さ

毎月の赤字は6万円。大きな金額です。

年間では約72万円になります。5年続けば、360万円近くの貯蓄を取り崩す計算です。

Aさんはここでようやく気づきました。

「このままでは老後資金が減り続けてしまう」

現役時代と同じ生活を続けていたことが、家計を圧迫していたのです。

老後家計は「支出管理」が重要

老後の家計では、年金額や貯蓄額に目が向きがちです。

しかし、生活の安定を左右するのは支出の水準です。収入が限られる老後では、生活費をどこまで抑えられるかが大きなポイントになります。

保険や通信費の見直しなど、支出管理が老後の家計を安定させる鍵です。

老後は、現役時代とは収入の金額が大きく変わります。
赤字家計にならないために、まずは固定費の見直しから始めてみましょう。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。