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「正社員で働いてきた意味…」遺族年金の受給額を試算して“絶句”。→40代夫婦を待ち受けていた“残酷な現実”【お金のプロは見た】

  • 2026.3.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

長年共働きで頑張ってきたのに「もらえる年金が思っていたより少ない」と戸惑う方は少なくありません。社会保険料の増額で手取りが減るなか、将来の保障まで薄いとなれば、「今までの努力が報われない!」と感じるのも無理はないでしょう。

特に「遺族年金制度」は、共働き世帯ほど恩恵が薄くなる傾向にあります。今回は、共働き妻が知っておくべき遺族厚生年金のルールと、今後の対策を解説します。

「ねえ、これ合ってる?」前職の先輩から届いたLINE

先日、前職の先輩である40代女性・Aさん(仮名)から「ねんきんネットで夫婦の見込額を調べて計算したら、将来の遺族年金が少なくて…」と戸惑うLINEが届きました。

長年正社員として働き、高い保険料を納めてきた彼女は、試算結果に納得できなかったようです。「私が働いてきた意味って何だったの」とのメッセージから、共働き世帯ならではの不満が感じられました。

専業主婦より損?共働き妻を悩ませる「差額支給」とは?

共働きの家庭は、夫婦ともに厚生年金に加入して多くの保険料を納めています。

そのため、万が一の際は専業主婦の家庭よりも多くの遺族厚生年金が支給されると考えがちです。

しかし実際には、妻が65歳になると自分の老齢厚生年金は全額支給されるものの、遺族厚生年金は満額との差額分しか受け取れません。これが「差額支給」です。

生涯の受取総額で見れば、共働き世帯のほうが多い傾向にあります。

ただし、夫が亡くなった際に増える上乗せ分は、自分の年金と相殺されてしまいます。その結果、専業主婦よりも遺族厚生年金としての追加支給が少なくなるのです。

控除があっても手取りは減る?「非課税」と「課税」の壁

給与から天引きされてきた高い保険料は、決して無駄になったわけではなく、生涯にわたって受け取れる自分の年金として還元されます。しかし「自分の老齢厚生年金」と「夫の遺族厚生年金」の満額での二重取りは認められていません。

また、税負担の観点からも、手取り額に差が生まれます。遺族厚生年金は非課税である一方、老齢厚生年金は課税対象です。つまり受給額が同じでも、老齢厚生年金の税金が引かれる分、手元に残る金額は共働き妻のほうが少なくなります。

「公的年金等控除(年金収入から一定額を差し引ける制度)」があるとはいえ、手取り額の差は解消できていません。

2028年改正から始まる「年62万円」の段階的削減は現役世代にどう影響する?

さらに、2028年からは年金制度の改正が控えています。この改正により、子がいない若い世代のうち、一定の条件を満たす女性の遺族年金が「5年間で打ち切り」へと変更される予定です。現時点で40代以上の女性は、この有期化の対象外となる見込みですが、安心はできません。

2026年現在、40歳から65歳になるまでの要件を満たす妻には、遺族厚生年金に「中高齢寡婦加算」として年間約62万円が上乗せされています。

しかし、この加算額は2028年以降の新規受給者から25年かけて、段階的に廃止されることが決まりました。将来の保障が徐々に削られていくのは、現役世代にとって大きな痛手です。

「今すぐ仕事を辞める」はNG!国に頼らない自分名義の資産防衛術

「真面目に働いても損するなら、今すぐ正社員を辞めてパートになったほうがマシ」と考える方もいるかもしれません。

しかし、安易に決めるのは危険です。夫が長生きした場合、自分の年金が多いほうが世帯全体の収入は増え、老後の生活が豊かになるからです。

制度の変更を嘆いても、手取りは増えません。まずは、ご夫婦でねんきんネットの情報を共有し、お互いの老齢厚生年金の見込額から差額支給の計算をしてみてください。そのうえで、判明した不足分は新NISAなどを活用し、国に頼らない自分の資産を育てて補いましょう。


参考
遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)(日本年金機構)
遺族厚生年金の見直しについて(厚生労働省)
遺族厚生年金の見直しに対して寄せられている指摘への考え方(厚生労働省)

ライター:鈴木翔馬
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士の資格を活かし、現在は金融・不動産ジャンルを中心にライター・監修者・メディア運営代行として活動中。制作記事数は1,000本(うち監修・記名記事は100本)以上。「ユーザーファースト」を徹底し、読者様の頭に疑問点を残さず、具体的な行動変容につながる記事コンテンツの制作に取り組んでいる。