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「NISAを始めたい」と話す大学生娘→「自分で手続きして」と促すが…3ヶ月後、窓口で判明した“想定外の事態”に50代母が絶句

  • 2026.5.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。

20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

お子さんが進学や就職で一人暮らしを始めると、親としては「早くお金のことも自分でできるようになってほしい」と思うものではないでしょうか。NISAを始めたいというお子さんを連れて窓口に来られる親御さんも、近年とても増えています。ただ、せっかくのやる気が”思わぬ手続きの壁”で足止めされてしまうケースも、少なくありませんでした。

今回は、大学進学を機に一人暮らしを始めた娘さんのNISA口座開設に付き添った50代女性・Aさん(仮名)が経験した、ちょっともったいないエピソードをご紹介します。

「自分でやってみなさい」の落とし穴

春に地方から上京し、大学生活をスタートさせた娘さん。

ゴールデンウィークに帰省した際、「NISAを始めたい」と話してくれたそうです。Aさんは以前から積立投資に興味を持っており、「早く始めるほど有利」という知識もありました。

2025年5月の連休明け、Aさんは娘さんと一緒に地元金融機関の窓口を訪れました。「せっかくだから、自分で手続きしてみなさい。いい経験になるから」と、あえて娘さんに任せることにしたのです。

ところが、窓口での手続きが始まった途端、問題が発覚しました。

マイナンバーカードがない!住民票も実家のまま!

NISA口座の開設には、本人確認書類としてマイナンバーカード(氏名・住所・顔写真が記載された公的な身分証明書)、またはマイナンバー通知カード(マイナンバーが記載された紙製のカード)+別途身分証明書が必要です。ところが娘さんは、高校時代からマイナンバーカードを一度も作っておらず、手元にあるのは10年ほど前に届いた通知カードのみでした。

通知カードで対応しようとしたところ、次の問題が浮上します。通知カードは、記載されている氏名・住所などが住民票の内容と一致している場合にのみ、マイナンバーの証明書類として使用できます。しかし娘さんの通知カードには実家の住所が記載されたまま。大学入学後、住民票をまだ実家から移していなかったため、現在の一人暮らし先の住所と一致しなかったのです。

なお、住民票の異動(引越し先の市区町村への届け出)は、住民基本台帳法により、引越しをしてから14日以内に届け出を行うことが義務付けられている手続きです。届け出が済んでいないと、現住所の証明が必要な各種手続きに支障が出ることがあります。

「住民票の異動が済んでいないと、現住所の証明が難しい状況です」と窓口担当者から説明を受けたAさん。
「え、住民票って移さないといけないの?」と娘さん。「マイナンバーカードも作ってなかったの!?」とAさん。
その日は手続きを完了することができませんでした。

3か月後、お盆の帰省でようやく解決

住民票の異動手続きは、引越し先の市区町村の役所で行う必要があります。娘さんの場合、一人暮らし先での手続きが必要でしたが、大学の授業や新生活の慌ただしさの中でなかなか時間が取れませんでした。

マイナンバーカードはスマートフォンからオンラインで申請できますが、受け取りは本人が市区町村の窓口に出向く必要があります。慣れない新生活を送る学生にとっては時間を作ること自体がハードルが高く、申請から受け取りまで概ね1か月程度かかることも重なり、手続きはなかなか前に進みませんでした。

結局、住民票の異動とマイナンバーカードの申請・受け取りが完了したのは、お盆の長期休暇に帰省した8月のこと。5月に「始めよう」と思い立ってから、実に約3か月が経過していました。

「最初から一緒に確認してあげればよかった」とAさんは苦笑いしていましたが、これは決して他人事ではありません。

お子さんの新生活前に、親が確認しておきたいこと

では、同じ状況を防ぐために、親御さんが事前にできることは何でしょうか。

積立投資は、始める時期が早いほど有利です。例えば月1万円・年利5%で30年間積み立てた場合、3か月早く始めるだけで将来の積立総額(元本と運用益の合計)に約13万円以上の差が生まれる可能性があります(※将来の運用成果を保証するものではありません)。

また、2024年から始まった新NISAでは、手続き時にマイナンバーの登録が必須です。非課税枠を無駄なく使うためにも、書類の不備で足止めされないよう事前の準備が鍵となります。

お子さんが新生活を始める際には、以下の点を事前に確認しておくことをおすすめします。

  • マイナンバーカードを持っているか(申請から受け取りまで概ね1か月かかるため、新生活が始まる前に準備しておくのが理想的です)
  • 住民票の異動手続きを済ませているか(新生活開始後、できるだけ早めに引越し先の役所で手続きを行いましょう)
  • 金融機関での口座開設など各種手続きには、現住所と一致した本人確認書類が必要なことを伝えておく

また、マイナンバーカードがあれば、住民票などの書類をコンビニで取得できたり、各種手続きをオンラインで完結できたりと、離れて暮らすお子さんの日常生活でも大きなメリットがあります。

「子どものことだから自分でやるだろう」と思っていても、意外と知らないことは多いものです。親御さんが一言声をかけてあげるだけで、スムーズに新生活のお金の準備が整います。ぜひ参考にしていただけると幸いです。


執筆・監修:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

参考:
住所の異動届は正しく行われていますか?(総務省)
マイナンバーカードを申請する(マイナンバーカード総合サイト)

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