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「病気になったときが怖い」次々に保険を契約→“月5万円”を支払い続け…数年後、50代夫婦を待ち受けていた“思わぬ悲劇”

  • 2026.3.19
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務の現役マネージャーとして、日々さまざまなお金のご相談に向き合っている中川です。

「病気になったときが怖いから、保険はしっかり入っておきたい」
そう考える方は少なくありません。特に子どもがいる家庭では、万が一に備えたい気持ちが強くなりやすいものです。

しかし、不安に任せて保障を増やし続けた結果、毎月の保険料が家計を圧迫してしまうケースがあります。備えのつもりが、生活そのものを苦しくしてしまうのです。

今回は、複数の保険に加入し続けたことで、毎月の保険料が約5万円まで膨らみ、家計が赤字に陥った50代共働き夫婦の事例をご紹介します。

「念のため」が積み重なった保険

今回ご紹介するのは、50代前半のAさん夫婦です。

夫婦ともに会社員で、子どもは大学生と高校生。住宅ローンも残っており、教育費の負担が大きい時期でした。

Aさん夫婦は若い頃から保険への意識が高く、医療保険、がん保険、死亡保険、先進医療特約などを次々に契約してきました。勧められるたびに「入っておいた方が安心」と考え、見直しよりも追加契約を重ねてきたのです。

その結果、夫婦合計の保険料は月5万円近くに膨らんでいました。

固定費として重くのしかかった“月5万円”

毎月5万円の保険料は、年間で60万円です。教育費や住宅ローン、車の維持費があるAさん夫婦にとって、決して小さな金額ではありませんでした。

物価上昇や進学費用の増加も重なり、家計の余裕は次第に消えていきます。それでも保険だけは減らせませんでした。

「ここで解約したら、すぐ病気になるかもしれない」

そんな不安から、保険料をそのまま払い続けます。やがて家計は毎月数万円の赤字に。

生活費の不足分をクレジットカードで補う状態になり、次第に借入も増えていきました。

家計を見直して知った「公的制度」

転機となったのは、家計を見直したときでした。支出を確認すると、特に大きかったのが保険料です。

そこでAさん夫婦が初めて知ったのが、高額療養費制度でした。

高額療養費制度とは、医療費の自己負担が1か月で一定額を超えた場合、その超えた分が払い戻される仕組みです。年収区分によって上限額が定められており、医療費が高額になった場合でも自己負担には上限があります。

もちろん、差額ベッド代や食事代など対象外の費用もあります。しかし、医療費のすべてを自己負担するわけではないという点を知り、Aさん夫婦は大きな衝撃を受けたそうです。

「安心」のつもりが家計を苦しめる

保険の内容を整理すると、似たような保障が重複しているものもありました。入院日額保障や、がん保障など、複数の保険で同じような保障を持っていたのです。

保障は、あればあるほど安心です。しかし、安心を求めて家計が赤字になってしまっては本末転倒なのです。必要な保障に絞って契約する必要がありました。

公的制度を理解して保険を選ぶ

Aさん夫婦はその後、加入していた保険を一つずつ見直しました。公的制度でカバーされる範囲を確認し、不足する部分だけを民間保険で補う考え方に切り替えたのです。

その結果、毎月の保険料は大きく下がりました。固定費が減ったことで、家計は徐々に立て直しの方向へ向かい始めました。

病気への不安は誰にでもあります。
しかし、不安の大きさだけで保険を選ぶと、必要以上の契約をしてしまうのです。

公的制度でどこまで備えられるのかを知ったうえで、本当に必要な保障を選ぶようにしてください。


監修者:中川 佳人 監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。