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「何だか冴えない…」子どもの進学で夫婦だけの生活…40代女性の模様替えが失敗したワケ

  • 2026.4.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。二級建築士・インテリアコーディネーターの桐野由衣です。

家具やカーテン、ラグなどを選ぶ時に好みの色で決めるという方は多いと思いますが、その魅力をより高めるかどうかに大きく影響するのが照明の光です。

今回は、ある事例を通して、インテリアアイテムと照明の光との上手なコーディネート術を紹介します。

なぜか冴えない印象に

40代のFさんは、子どもたちが進学で家を出てご夫婦だけの生活になったのを機に、インテリアの模様替えをすることにしました。

それまではシンプルでカジュアルな雰囲気のインテリアでしたが、昔から憧れていたヨーロッパの住宅の落ち着いた雰囲気に近づけるため、リビングのソファとカーテン、寝室のカーテンをブラウン系でまとめ、さらに家の中の照明をすべて電球色に交換しました。

電球色とは、あたたかみのあるオレンジっぽい光のことです。身近なものだとロウソクの光を思い出していただけると想像しやすいと思います。

買い替えたアイテムの色は、アンティークテイストのインテリアと相性がいいはずなのに、模様替え後のリビングや寝室の雰囲気がFさんの目指した印象とは違っていました。「悪くはないんだけど何だか冴えない…」とFさんは途方に暮れてしまいました。

色には必ずある「ベースの色み」

実はFさんのお悩みはカラーバランスが原因だったのですが、その前に基本的な解説を少ししますね。

プロがインテリアコーディネートを行う際は、直感的な印象を左右する色の組み合わせはとても重要なため、家具やカーテンなどを組み合わせていく時は「ベースの色み」をチェックします。

色には大きく分けて、色み(色相)や鮮やかさ(彩度)を持たない白や黒などの無彩色と、赤や青・黄・緑といった有彩色があります。そして有彩色は、ベースの色みによって青みが強い「ブルーベース」と、黄みが強い「イエローベース」に分けられます。ファッションやメイクなどで用いるパーソナルカラーを知っている方なら、ピンと来るかもしれません。

たとえば白といっても、スノーホワイトとアイボリーとでは明らかに色が異なりますね。スノーホワイトはブルーベース、アイボリーはイエローベースです。青の場合だとロイヤルブルーはブルーベースでターコイズはイエローベース、赤の場合だとローズはブルーベースでテラコッタはイエローベースです。

つまり、白や青や赤という同じ呼び名の色の中に、2種類のベースの色みを持つ色が存在するということです。

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画像:TRILL作成

ベースの色みを混在させると起こること

ベースの色みが異なる色同士を同じ空間で使うと、どちらの色もややグレーがかったくすんだ色になりやすいです。Fさんが、模様替え後のインテリアが何となく冴えないと感じたのも、このベースの色みの混在が原因でした。

もっとも目立っていたのが、模様替え前のシンプルでカジュアルなインテリアの頃から使っていたミントグリーンの大きなラグです。非常にきれいで明るい色でしたが、ミントグリーンはブルーベースの色みを持つグリーンなので、黄みが強い電球色の照明があたると色がくすみます。Fさんのお宅でも、本来鮮やかに見えるはずのミントグリーンがグレーがかって、色の魅力が生かせない上に空間全体がどんよりとした雰囲気になっていました。

ヨーロッパの落ち着いたアンティークな雰囲気に揃えるために照明を電球色に替えるのであれば、ラグをイエローベースの色に買い替えるとなじみます。Fさんがお好きなグリーン系の色としてカーキやモスグリーンのラグを数点提案し、そのうちの2点をリビングと寝室に採用していただきました。

ベースの色みと照明の光のバランスを意識しよう

もしブルーベースのテイスト、たとえば青をアクセントカラーにしたモダンテイストや、デニム生地を多用する西海岸テイストのインテリアにしたい場合は、全体のカラーバランスがブルーベースになるため、照明は昼光色もしくは昼白色(電球色と昼光色のほぼ中間の色)にしましょう。白ならスノーホワイトやクールホワイト、アクセントに赤を入れるならローズやボルドーのように青みがかった色みを選んでください。

異なるベースの色みを使いたいなら、小さい面積のアイテムで取り入れましょう。Fさんのケースの場合、もしミントグリーンを模様替え後も使いたいとしたら、クッションカバーなどポイントとして使うのであれば、空間全体への影響が少ないのでちぐはぐ感が出にくいです。

空間内のカラーバランスをしっかり考えてコーディネートすると、まとまりのあるインテリアに仕上がります。インテリアを計画する際に意識してみてくださいね。


ライター:桐野由衣
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計会社にて新築分譲マンションの設計変更、戸建住宅・オフィス・医療施設等の設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築関連分野の記事執筆・校正校閲・監修業務、企業研修講師、インテリアコーディネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。


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