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「規約に書いてない!」来客駐車場を勝手に占拠…モラル無視住民を無双させてしまった“ルールの抜け穴”

  • 2026.4.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わってきたマンション管理士のライターS.Kです。

分譲マンションには、来客用の駐車場が設けられていることがあります。休日に親族や友人を招く際に便利な共用施設ですが、ルールを巡ってトラブルに発展しやすい場所でもあります。

今回は、無料の来客用駐車場を特定の居住者が私物化してしまったトラブルと、理事会による合理的な解決策の事例を紹介します。

モラルに委ねる運用で起きた来客用駐車場の私物化

ある巡回管理(管理員が常駐していない管理形態)の50戸規模の分譲マンションでの出来事です。敷地内には1台分の無料来客用駐車場があり、長年居住者の善意とモラルに委ねて運用されていました。

しかしある時から、特定の居住者が毎週末のように同じ車を停め始める事態が発生します。実質的に、自分の2台目の駐車場として占拠するようになり、他の居住者から理事会へクレームが殺到しました。管理員が不在のため、その場で直接注意して車を移動させることが難しい環境だったのも、占拠が常態化した要因です。

ルールの抜け穴を盾にする相手との攻防

理事会は該当する居住者に対して、書面などで車の移動や占拠の改善を求める警告を行いました。しかし相手は「規約に連続使用日数の上限は書かれていない」とルールの抜け穴を盾に取り合いません。

確かに規約上は明確な禁止規定がなかったため、この居住者の主張にも一理はありました。だからこそルールの整備が必要だったのです。敷地内のトラブルであるため警察も民事不介入の原則から動けず、対応は暗礁に乗り上げます。話し合いやモラルへの訴えかけから、制度的な対策へとアプローチを切り替えた理事会は、抜本的な対策に乗り出す決断を下しました。

システム変更による鮮やかな問題解決

理事会は総会にて、来客用駐車場の1時間100円での有料化と予約システムの導入を使用細則の変更として提案しました。居住者からの賛成多数で可決され、制度的に占拠を排除する仕組みが整えられます。

少額とはいえ新たな利用料は管理組合の雑収入となり、居住者全員の利益になるというポジティブな結末を迎えました。共用施設の無料運用は性善説に基づく脆弱なシステムであり、ルールを拡大解釈する人が一人でもいると崩壊しやすいものです。

性善説に頼らない明確なルールの重要性

トラブルが起きる前に、連続使用日数の制限や少額でも有料化するといったルールの明確化を検討しておくのがおすすめです。マンション内の共用部トラブルにおいて、口頭での注意や感情的な訴えは、取り合ってもらえない相手には通用しない場面が多々あります。

共用施設の占拠問題には、総会決議を通じた組織的かつ法的なシステム変更というアプローチが確実な解決策になります。ご自身のマンションでもルールが曖昧な共用施設がないか、ぜひ一度確認してみてください。



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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