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【ルームツアー】家族のカルチャーを英国スタイルに織り交ぜる

  • 2026.2.25
Simon Upton

イギリスを代表するインテリアデザイナーのリタ・コニーグが、ノッティングヒルにある友人夫妻の自宅に新しい風を吹き込んだ。『エル・デコ』12月号より。

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ロンドンのノッティングヒルには、ヴィクトリアン様式のタウンハウスが立ち並ぶ。その中の一軒に、タレントエージェントとして活躍するカミラ・ローサーと起業家のチャールズ・アボアが住む家がある。夫妻はUS版『エル・デコ』でコラムの執筆も行うインテリアデザイナーのリタ・コニーグの友人で、カミラとコニーグは20年来の仲。コニーグは今までにこの家を何度も訪れ、ランチを共にし、深夜のダンスパーティーにも参加。家族のことを誰よりも知っている存在だ。そのため、夫妻が1980年代から住んできたこの家をリノベーションすると決めた時、誰にインテリアデザインを依頼するか、迷うことはなかった。

<写真>緑豊かな裏庭に面したキッチンは本格的にリノベーション。カウンタートップに花こう岩を用いたオーク材製キャビネットはこの空間に合わせて設計した。冷蔵庫は「フィッシャー・アンド・パイケル」のものをセレクト。

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既存の家具を生かす、英国的手法でリノベーション

インテリアデザイナーとして、コニーグはきわめて英国的なアプローチをとる。それは、クライアントが所有する家具や調度品を大切に扱うこと。既存のアイテムに新しい要素をミックスすることで、歴史の薫りが漂う空間の風通しを良くするイメージだ。この家では、膨大な写真コレクションや代々受け継がれてきたチェアなどが新鮮な輝きを放つ。

<写真>リビングに設置されたマントルピース上の壁面を飾るのは、家主夫妻の次女による作品。アームチェアには「ブランシュウィッグ&フィス」のゼブラ柄の張り地を選んだ。

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さらに室内のいたる所を彩るのは、家族のそれぞれにまつわる「何か」だ。夫アボアの母国であるガーナのアートがそこかしこに飾られ、リビングには次女のケセワが描いた作品が飾られている。主寝室を覆うのは、カミラの義姉妹でデザイナーのトッティ・ローサーによる壁材だ。「とてもクリエイティブな一家なんです」とコニーグはほほ笑む。

<写真>ダイニングルーム。イギリスの暖炉ブランド「ジャム」のマントルピースの上には、ガーナのファンティ族が掲げる軍旗、アサフォフラッグが壁に飾られている。カラフルなテーブルクロスと風合い豊かなチェアのコントラストが絶妙。

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家の中で大きく手を加えたのは、半地下にあるキッチンだ。建築家のジャック・ホセアと協働した新しいキッチンは、ほかの部屋に比べてよりモダンな印象に仕上げた。艶のあるオーク製キャビネットと花こう岩を用いたカウンタートップに、イギリスのブランド、「トム・ディクソン」の照明を合わせた。クリーンにまとめられた空間は、窓の外に生い茂る緑ともコントラストがつき、ダイニングに置かれた伝統的な家具の美しさもより一層際立っている。「キッチンには古臭さがまったく感じられません。バランスよくまとまりました」とコニーグは振り返る。

<写真>「トム・ディクソン」のペンダントランプが、キャビネットと一体化した、「ガゲナウ」のコンロを照らす。

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階段を上ると、主寝室には、妻カミラの要望で取り入れられた四柱式ベッドが置かれている。この部屋も含め、コニーグは夫妻が好むカラフルなタッチを随所にちりばめた。

<写真>アンティークの長椅子に座るのは、一家の愛犬ファイヤー。後ろの四柱式ベッドは、マリアンナ・ケネディ、壁紙はトッティ・ローサーによるデザイン。

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例えば、リビングにあるソファは深いグリーンを選んだ。それから、チェリー色のカーテン、ゼブラ柄に張り替えたアームチェアなど、色彩とユニークな柄が空間を彩る。

<写真>リビングに置かれたソファは「エトロ」のファブリックで、カスタマイズしたオットマンはガーナ伝統の布地で張り替えた。右の壁のアートはスレーター・ブラッドリーの作品。

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こうして新たな要素と、40年にわたる家族の歴史が共鳴した家が出来上がった。「ここに住んだ人、全ての痕跡がミックスされています。魂を感じさせる家が完成しました」

<写真>バスルームの洗面台は、アンティークのキャビネットを転用したもの。壁紙は「ツイッグス」。植物をちりばめたパターンと木製家具のコンビネーションは、屋外の緑を家の中に取り入れたよう。

Photo:SIMON UPTON styling:JOAN HECKTERMANN Original Text:ANNIE GOLDSMITH Text:CHISATO YAMASHITA

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『エル・デコ』2025年12月号



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