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60代は迷っている場合じゃない——和田秀樹さんが説く、年代別「腹のくくり方」

  • 2026.2.24

60代は迷っている場合じゃない——和田秀樹さんが説く、年代別「腹のくくり方」

女性の「80歳の壁」は分厚いといいます。夫の世話・介護などからくるストレス、家族を亡くした寂しさ、さらに自身の健康問題……。その壁を乗り超え、その先の高齢期を楽しみ尽くすために、今から何ができる? 和田秀樹さんの話題の書籍『女80歳の壁』(幻冬舎刊)から、一部抜粋してお届けします。第4回は、年代別「腹のくくり方」。

大往生 スタートラインは 60代

“人間の医療と尊厳”の問題は、そのまま大往生にもつながります。

大往生も終末期医療も、死ぬ間際の話ではなく、60代ぐらいから始まっていると思うからです。「今後はどう生きるか」を選択するのが60代だと思うのです。

寿命は多少短くなるかもしれないが、我慢をせず、納得しながら生きるか?
寿命は少し延びるかもしれないが、あれこれ我慢しながら生きるか?

“腹をくくる”という言い方がしっくりくるかもしれませんね。

60代で腹をくくる——。
早い人なら40代、50代で腹をくくってもいいかもしれません。

70代なら迷わず、80代ならさっさと腹をくくるべきです。
と言われても、自分の命に関わることなので、容易には決断できませんよね。

なので、長年、高齢者医療に携わった者からのアドバイスを記しておきます。

例えば、40〜50代の場合、「医者の言うことを聞いても、確率的にわずかに長生きできるかもしれない」という程度です。よくて4〜5年の違いでしょう。でもこの年代は子供のいる人も多いので「医師の指示に従う」という選択をしがちです。私も、子供が成人するまでは元気に働くのが親の責任、と思っていましたから。いまでは娘たちも結婚し、お役御免になったので、好きに生きています(笑)。

60代は、「医療的なケア」より「精神的な安定」のほうが、長生きの確率は高くなると思います。我慢してストレス状態で生きるより、やりたいことをして好きに生きたほうが病気になりにくい。病気になっても治りやすいのです。

70〜80代は、医者の言うことを聞いても、寿命は変わりません。よくても数か月から1〜2年の違いでしょう。でも、この間に元気でいられる保証はありません。病院のベッドに寝たきり、ということもあり得るわけです。

長生きは “正しい”よりも 楽しいを

前にもお話ししましたが、日本は「がんで死ぬ国」です。

がんを撃退するには、免疫力を上げなければなりません。それなのに、わざわざ免疫力を下げるような暮らしをしているのです。

肉はダメ、塩分はダメ、お酒もたばこもダメ、と楽しみが奪われたら、免疫力は落ちるばかり。結果的に、がんになりやすい体になってしまいます。

肉食も、味の濃い食事も、お酒もたばこも、心臓病のリスクを上げる、という“負の一面”があります。でも、全面的に悪いわけではありません。幸福感を高めて免疫力を上げるという“正の一面”もあるのです。

つまり、どちらを選択しながら生きるのか、という問題です。

極端に言えば、「医者の指示を聞いてがんで死ぬ」か、「好きに生きて心臓病で死ぬ」か、という問題でもあるのです。

あるいは、「医者の言うことを聞いて、わずかに長生きする」か、「好きに生きて、わずかに早死にする」か、ということでもあります。

本当にそうなるかは、わかりません。なぜなら、日本では、大規模比較調査をしたことがないからです。「かもしれない」というレベルの話でしかないのです。

医者は正しいことを言う、と思うのは早計です。もちろん、あえてウソを言ってるわけでもありません。ただ“不完全な情報”を信じて医療を行っているにすぎないのです。それは心に留めておいていいと思います。

どちらを選ぶにしても、不完全な情報しかないのですから、自分で決めるしかありません。言い方は悪いですが“一か八か”です。

それなら「好きに生きるほうがいいのでは?」というのが私の提案です。私が正しいとは言いません。ただ、私の話に分があるとするなら、高齢者医療の現場に35年もいることでしょう。経験上から言うと、節制してしょぼくれて生きている人より、好きに生きている人のほうが、元気に長生きしているのです。

※この記事は『女80歳の壁』和田秀樹著(幻冬舎刊)の内容をウェブ記事用に再編集したものです。

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