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新築ロフトに「秘密基地みたい!」→子どもは大喜びも…数ヶ月後、一家を襲った“想定外の誤算”【元注文住宅営業は見た】

  • 2026.2.22
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

子ども部屋やリビングの上にロフトがあると、空間を有効に使えて便利です。天井が高くなり、少しこもれる場所ができるだけで、住まいはぐっと楽しい雰囲気になります。

見た目もおしゃれで、「秘密基地みたい」と子どもたちが目を輝かせることも少なくありません。大人にとっても、読書をしたり、ひとりで過ごしたりできる特別な場所になります。

ところが実際には、「せっかくつくったのに、夏は暑くて使っていない」という声を聞くことがあります。以前、私が勤めていた建築会社のお施主さま、Gさんもそのひとりでした。

この記事では、そのときのお話をご紹介します。新築でロフトをつくるかどうか迷っている方の参考になれば幸いです。

喜びから一転、真夏のロフトで起きたこと

Gさんは、子ども部屋を勾配天井(斜めの天井)にし、ロフトを設けました。

完成後、お子さまたちは大喜び。ロフトはすぐにお気に入りの場所になり、大好きな電車とレールのおもちゃを広げて楽しそうに遊んでいたそうです。

夏を迎えて、思いがけない変化が

ところが、夏の定期訪問でお伺いしたときのことです。

最近、ロフトが暑くてあまり使えていないんです」「エアコンをかけても、上は全然涼しくならなくて……」とご相談を受けました。

その家は、高い水準の高気密高断熱仕様で建てられた住まいでした。ですから、断熱の性能面に問題があるわけではありません。

それでも、実際にロフトへ上がらせていただくと、空気がこもったようなモワッとした暑さを感じました。

下は快適なのに、上は別世界

下のお部屋は涼しくて快適なのに、ロフトだけまるで別の空間のようです。本を読んだり宿題をしたりするには集中しづらいかな、というのが正直な印象でした。

「なにかいい解決方法はありませんか?」とご相談を受けましたが、その場でご提案できたのは、サーキュレーターで空気を循環させることくらい。

設計段階で、もう一歩踏み込んだ想定ができていれば――そんな思いが残る出来事でした。

なぜ高性能住宅でもロフトが暑くなるのか

Gさんの家は、建築当時としては珍しい外張断熱(工法)の高気密高断熱住宅でした。外壁や屋根でしっかりと断熱し、すき間も少ない構造です。

外からの熱の流入はかなり抑えられていたと考えられますが、それでも夏の屋根は想像以上に高温になります。条件によっては、表面温度が90度近くまで上がるケースも。

その屋根のすぐ下にあるロフトは、屋根から伝わる日射熱の影響を受けやすいと言えます。

さらに、暖かい空気は上昇しやすい性質があります。冷房をつけても、室内で温められた空気は天井付近に集まりやすく、最上部にあるロフトにたまりがちです。

外からの熱と、室内の暖気。その両方の影響が重なると、ロフトはどうしても暑くなる傾向があるのです。

参考:日射熱は屋根からもやってくる(岐阜県立 森林文化アカデミー)

ロフトを「使える空間」にするには?

それでも、ロフトにはやはり夢があります。秘密基地のようなワクワク感や、家の中にもうひとつ居場所が生まれる楽しさは、ほかの空間ではなかなか味わえません。

だからこそ、「どうしても設けたい」と考える方は少なくありません。なにか、良い方法はないのでしょうか?

快適さを左右するのは「断熱」と「空気の流れ」

もしロフトをつくるなら、まずは断熱を丁寧におこなうことが大切です。屋根・外壁・基礎・窓・換気などの断熱性能をしっかり確保することで、外からの熱の影響を抑える一助になります。

あわせて、エアコンの位置にも配慮してみてください。ロフトまで冷気が届く配置かどうか、設計段階で確認しておくと安心です。

さらに、換気の工夫も欠かせません。ロフトに換気扇を設置できないか検討してみてください。手すり壁をスリット状にして、空気が流れやすくするのも有効です。

階段や吹き抜けの天井にシーリングファンを設置すれば、上部にたまった熱気を下へ動かしやすくなります。

ポイントは、つくる前に考えておくこと

ロフトをつくるなら、春・秋・冬だけでなく、夏も快適に使い続けたいですよね。真夏の昼下がりでも、からっと涼しい空気の中で読書やお昼寝ができたら理想的です。

これからロフトづくりを検討される方は、断熱だけに頼らず、ぜひ設計段階で「冷気の呼び込み方」や「暖気の逃がし方」まで計画してみてください。


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、ライターとして独立。年間200組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


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