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「LDKは22畳、寝室は10畳6畳で」が迷走を招き…住宅のプロが明かす、家づくりを止めてしまう“打ち合わせ”

  • 2026.3.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、元注文住宅営業マンのホリカワです。

注文住宅でもっとも楽しいステップのひとつが、「間取り」の打ち合わせです。自分たち家族の理想が、少しずつ形になっていく――その瞬間は、家づくりのなかでも特別なワクワク感があります。

しかし、進め方をひとつ間違えると、楽しいはずの打ち合わせが「気持ちが萎えていく時間」になってしまうことも。いったい、どういうことでしょうか。

打ち合わせがなかなか前に進まないパターンとは?

私が住宅営業をしていたころの話です。

間取りの打ち合わせは、楽しくスムーズに進むお客さまが多い印象でした。ところが、なかにはドンヨリとした空気のまま、なかなか前に進まない方が……。

打ち合わせが停滞する原因はさまざまですが、なかでも多いと感じるのが次のようなケースです。

  • 「LDKは22畳にしてください」
  • 「書斎と和室が1室ずつ欲しいです」
  • 「夫婦の寝室は10畳、子どもたちの部屋は6畳でお願いします」

つまり、最初から具体的な部屋数や広さがきっちり決まっている方です。一見、要望が明確で打ち合わせがスムーズに進みそうに思えますよね。

ところがこのようなケースでは、暮らしにくい動線になったり、採光や通風の計画が後回しになったりと、全体のバランスが取りにくくなることがあるのです。

修正の回数も多くなる傾向があります。なかには、最終的に納得のいく間取りにたどり着けず、家づくりを一時中断されたケースもありました。

「具体的すぎる要望」が招く、悪循環

なぜ、こうなってしまうのでしょうか?

原因は、要望が具体的すぎてガチガチに固まっているからです。

多くの設計者は、お客さまの要望をできる限り実現しようとします。しかし、具体的な部屋数や広さを固定されると、それをパズルのように当てはめた「継ぎはぎの間取り」になりがちです。

さらに間取りには、予算や敷地ごとの条件、そして建築基準法をはじめとする各種法規など、さまざまな制約がかかります。

立地や敷地条件によっては、これらの制約が高いハードルになることも。すべての要望をそのままかなえるのは、簡単ではないのです。

こうしてできあがった間取りを見たお客さまは、「希望どおりになっていない」と落胆します。

設計者も修正を重ねますが、制約がある以上、すべての要望をかなえることはできません。何度やり直しても、お客さまに満足してもらえない――そんな負の循環に陥ってしまうのです。

「数字」ではなく「暮らし方」を伝える

この悪循環を防ぐために有効なのが、設計者に「暮らし方」を伝えることです。

たとえば、こんなふうに伝え方を変えてみてください。

  • 「22畳のLDKが欲しい」→「家族みんなが集まって、大画面で映画を楽しめるようなLDKにしたい」
  • 「書斎が欲しい」→「在宅ワークが多いので、集中して仕事に取り組める環境を確保したい」

このように伝えると、設計者に裁量の余地が生まれることで、プロならではの知見を存分に発揮してもらえるようになります。

設計者は、建物の向きや隣地との関係、生活動線や家事動線との兼ね合いなど、トータルで考えたうえで「バランスの取れた暮らしやすい間取り」を提案できるようになるのです。

その結果、そのご家族だけのオリジナルの間取りが生まれます。実際の生活シーンが自然と浮かんでくるような、リアリティのある仕上がりになるはずです。

間取りは「暮らし方」を具体化するプロセス

間取りの打ち合わせは、「何畳の部屋がいくつ必要か」を決める作業ではありません。「どんな暮らしをしたいか」を具体化していくプロセスです。

ですから、設計者に伝えてほしいのは、「数字」ではなく「毎日の暮らしのイメージ」なのです。

たとえば――

  • 「子どもがのびのびと遊べる空間を重視したい」
  • 「週末に友人を招くのが好き」
  • 「平日朝の洗面室の大渋滞を解消したい」

そういった「暮らしのビジョン」を共有できれば、さまざまな制約のなかでも、設計者により良い間取りを生み出してもらいやすくなるはずです。

家づくりの打ち合わせを楽しい時間にしたい方は、まずは「自分たちがどんな暮らし方をしたいか」を言葉にするところから始めてみてください。


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、ライターとして独立。年間200組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


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