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「もしかして事故物件ですか…?」相場の半額“家賃3万円”のアパート。半年で35万円を失った「管理」の落とし穴

  • 2026.3.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

賃貸物件を探していると、相場よりも極端に家賃が安い物件を見つけることがあります。駅から近く、間取りも一般的なのに、家賃だけが周辺相場の半分ほどというケースです。

「掘り出し物かもしれない」と感じ、すぐに契約を決めてしまう方も少なくありません。

しかし不動産の世界では、相場より大きく安い家賃には必ず理由があります。建物の古さだけではなく、住んでから気づく問題が含まれている場合もあるためです。

今日は、駅徒歩4分・家賃3万円の物件に入居した30代会社員の方が、半年で退去することになった事例をご紹介します。

相場6万円のエリアで「家賃3万円」

数年前、30代会社員のAさんが賃貸物件を探していたときの話です。Aさんが希望していたエリアでは、ワンルームの家賃相場はおおよそ6万円前後でした。そんな中で見つけたのが、駅徒歩4分で家賃3万円というアパートです。相場のほぼ半額という条件でした。

内見の際、Aさんは念のため不動産会社に確認しました。

「もしかして事故物件ですか…?」「過去に何かあったとか…」

しかし担当者からは、事故歴はなく、築年数が古いことが理由だと説明を受けました。建物は確かに古いものの、室内は最低限のリフォームされており、大きな問題は見当たりませんでした。

Aさんは「多少古くても家賃が安ければ十分」と考え、契約を決めます。

ところが、入居して間もなく、生活環境に違和感を覚えるようになりました。

住んでわかった「独特の生活ルール」

入居してしばらくすると、Aさんは建物の雰囲気が少し特殊であることに気づきます。このアパートは長く住んでいる単身世帯が多く、昼間になると共用廊下で住民同士が話をしている光景も見られました。

ある日、Aさんがゴミを出そうとしたときのことです。近くにいた住民から声をかけられました。

「そこに置くんじゃないよ。ここは昔から決まりがあるんだ」

掲示板には特別な説明はありませんでしたが、住民の間では独自のルールが存在していたようです。

その後も、次のような出来事が続きました。

  • 自転車の置き場所について注意を受ける
  • 共用廊下での物音について指摘される

このような状況が重なり、Aさんは次第に住みづらさを感じるようになりました。

騒音・ゴミ・害虫…生活環境の問題

生活を続けるうちに、Aさんは住環境にいくつもの問題があることに気づきました。例えば、次のような状況です。

  • 夜中でも大声や物音が続くことがある
  • ゴミ置き場にゴミ袋が放置されることがある
  • 共用廊下に私物が置かれている
  • 夏になると害虫が増える

さらに、一部の住戸ではペットを複数飼っている家庭もあり、鳴き声や臭いが気になることもありました。

Aさんが管理会社に相談したところ、長く住んでいる入居者が多く、契約形態も古いものが残っているため、すぐに強い是正措置を取るのは難しいと説明されました。

つまり、このアパートは管理の改善が簡単ではない状況だったのです。

半年で退去。出費は35万円

住環境にストレスを感じる日が続き、Aさんは入居から半年で退去を決めました。

しかし契約書には、短期解約違約金(一定期間内に退去した場合に発生する費用)が設定されていました。退去時には次のような費用がかかることになります。

  • 短期解約違約金
  • 引越し費用
  • 新居の初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)

これらを合計すると、持ち出しは約35万円になりました。家賃の安さに魅力を感じて選んだ物件でしたが、結果的には大きな出費につながってしまったのです。

家賃の安さは「管理体制」を映すこともある

今回のケースで問題だったのは、建物の古さではありません。大きく影響していたのは、管理体制と住環境でした。

家賃が相場より極端に安い物件では、次の点を事前に確認しておくことが重要です。

  • 共用廊下やゴミ置き場が整理されているか
  • 掲示板に管理会社の連絡先や注意書きが掲示されているか
  • 夜の時間帯に周辺の雰囲気や騒音がないか

これらは、建物の管理状況や住環境を判断する大きな手がかりになります。

家賃の安さは、必ずしも建物の古さだけで決まるわけではありません。管理が十分に行われていない、入居者の入れ替わりが少ないなど、住環境の事情が反映されていることもあります。

物件を選ぶときは家賃や駅からの距離だけで判断せず、安心して生活できる環境かどうかを確認することが大切です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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