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「教育費ピーク時に現金が不足」年収1,000万円なのに「7,500万円」借りると家計が詰む“大誤算”

  • 2026.3.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産業界歴15年で宅地建物取引士・マンション管理士などの資格を持つ、ライターの西山です。マイホームを検討する際、不動産会社から「この年収なら〇〇万円まで借りられますよ」と言われた経験はないでしょうか。

しかし「銀行の審査に通ったから無理なく返せる」と信じ込むと、後々家計が行き詰まるリスクが潜んでいます。

今回は変動金利0.5%を前提とした年収別のシミュレーションを用いて、銀行が算出する限界額と実際の安全な額のギャップについて解説します。ご自身の本当の適正予算を見極めるため、ぜひ参考にしてみてください。

限界額での借入にはリスクがある!年収500万円と700万円の現実

シミュレーションの条件は、夫婦と子どもがいる家庭で返済期間35年とし、マンション維持費として月額3.5万円を加算します。また銀行の融資限度額は、一般的な返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)を基に算出しました。まず、年収500万円のシミュレーション結果は、以下のとおりです。

  • 手取り目安:約390万円から400万円
  • 融資限度額:約4,000万円(月々の支払い約13.8万円)
  • 安全な借入額:2,800万円から3,000万円(月々の支払い約10.8万円から11.3万円)

限度額まで借りると手取りに対する住居費の割合が40%を超え、家計を圧迫する水準といえるでしょう。次に年収700万円の場合は、以下のようになります。

  • 手取り目安:約530万円から540万円
  • 融資限度額:約5,500万円(月々の支払い約17.8万円)
  • 安全な借入額:3,800万円から4,200万円(月々の支払い約13.4万円から14.4万円)

一見余裕に見えますが、限度額まで借りて車検や塾代などの特別支出が重なると、家計にゆとりがなくなる傾向にあります。

※融資限度額は金融機関の審査基準により異なります

年収1,000万円の落とし穴…額面と手取りのギャップに注意

年収1,000万円のシミュレーション結果は、以下のとおりです。

  • 手取り目安:約720万円から730万円
  • 融資限度額:約7,500万円(月々の支払い約22.9万円)
  • 安全な借入額:5,500万円から6,000万円(月々の支払い約17.8万円から19.1万円)

融資の限度額は約7,500万円まで跳ね上がりますが、累進課税(所得が高いほど税率が上がる仕組み)などの影響で額面ほどの手取りはありません。もし限度額まで借りてしまうと、将来の教育費に回せる現金が不足する可能性が高いといえます。

教育費のピークを乗り越えるためには安全ラインの借入額に収め、家計にゆとりを残すことをおすすめします。

厳しいシナリオを想定した資金計画の基本

多くの人が陥りやすい落とし穴は、現在の低い金利とお金がかからない家族構成を前提に返済額を判断してしまうことです。住宅ローンの返済計画は、将来金利が1.5%から2.0%に上昇した厳しいシナリオを想定して組むのが基本といえます。

さらに、子どもの教育費がピークを迎える時期を重ね合わせ、支払いが手取り月収の30%以内に収まるかで判断してください。将来の家計を守るための適正予算は、ご自身でシミュレーションを行って決めることをおすすめします。

そのうえで信頼できる不動産会社や、金融商品の販売を目的としない中立的な「独立系ファイナンシャルプランナー」などの専門家に相談し、客観的な意見を求めることも有効な手段です。

参考:
所得税の税率(国税庁)
フラット35利用者調査(住宅金融支援機構)



筆者:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士・日商簿記2級などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し、組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。


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