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新築1階に和室をつくるも「結局、家族はみんな…」半年後、元住宅営業が目撃した“思わぬ末路”

  • 2026.2.20
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

新築の打ち合わせが始まると、よく話題にあがるのが「1階に和室をつくるかどうか」です。

「やっぱり畳の部屋が1部屋は欲しいかも」「来客用にあったほうが安心かな?」と悩む方が少なくありません。

しかし、家づくりには、予算の上限があるケースがほとんどです。和室をつくるということは、その分ほかの空間に使える費用が減るということでもあります。

限られた予算の中で、和室にどこまで優先順位を置くのか――これは意外と難しい判断ですよね。

そこで今回は、実際に和室をつくったけれど、ほとんど使わなかったというエピソードをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

つくって満足、でも使われなかった和室

これは、私が住宅営業をしていたころの話です。

間取りのご希望をうかがうと、1階に和室をつくりたいという方が決して少なくありませんでした。

理由はさまざまです。たとえば――

  • 「やっぱり畳の部屋が1部屋は欲しい」
  • 「両親や友人が泊まりに来たときのために」

そんな声をよく聞きました。

一方で、都市部では不動産価格が高く、30坪未満の土地も珍しくありません。限られた敷地に家を建てるとなると、1部屋を増やせば、その分の床面積をどこかで調整する必要があります。

1階に和室をつくると、どうしてもLDKの床面積に影響が出ます。リビングやダイニングが少しずつコンパクトになり、和室自体も4.5畳ほどの小さな空間になることも。

それでも間取りを工夫し、和室を実現すると、とても喜んでいただけました。「やっぱり畳があると落ち着きますね」と、うれしそうな表情を見せてくださり、こちらまで幸せな気分になったものです。

ところが、半年ほどたってから訪問すると、状況が変わっていることがあります。和室には物が置かれ、普段はほとんど使われていないのです。

  • 「結局、家族はみんなリビングにいますね」
  • 「LDKをもう少し広くすればよかったかもしれません」

そんな本音を聞くこともありました。

あんなに楽しみにしていた和室が、住み始めると「あまり使わない部屋」になってしまう――そんなケースを目の当たりにすることも、少なからずありました。

「なんとなく」で決めた間取りが生む暮らしとのミスマッチ

日本人にとって、和室はどこか特別な存在です。畳の香りや、ゴロンと横になれる開放感。子どものころの記憶と結びついている方も多いでしょう。

だからこそ、「なくしてしまって後悔しないだろうか」と不安になるのは自然なことです。

しかし、家づくりには現実的な制約があります。

予算には上限があり、法律や地域ごとのルールによって、建築できる床面積の上限も決まっています。部屋をひとつ増やせば、多くの場合、どこかの床面積を調整することになるでしょう。

つまり、どこにどれだけ床面積と予算を配分するかが、とても重要になるのです。

この配分を「なんとなく」や「あると便利そう」という感覚だけで決めてしまうと、実際のライフスタイルとミスマッチが生まれます

その結果、住み始めてから「思ったより使わない」「別の場所に広さを回せばよかった」と感じてしまうことがあるのです。

後悔しないための「滞在時間」という考え方

間取りとライフスタイルのミスマッチを防ぐには、「滞在時間」という視点を取り入れてみる方法が役立ちます。

まずは、毎日どの部屋でどのくらいの時間を過ごすのかを想像してみてください。

家族が集まるリビングは何時間くらい使いそうか、寝室はどうか、来客用の部屋は年に何回使うのか。

こうして考えると、長い時間を過ごす空間ほど、広さや心地よさを優先すべきだと見えてきます。

長時間使う部屋から順に床面積と予算を確保していくことで、「ほとんど使わない部屋」をつくってしまうリスクを下げやすくなるでしょう。

それでも和室が欲しい場合は、リビングの一角に2~3畳ほどの畳コーナーをつくるという選択肢も。完全な個室でなくても、畳の心地よさを取り入れることは可能です。

どの間取りも60点でそろえるのではなく、優先順位に応じてメリハリをつけて配分する――その視点を持つことが暮らしやすさ向上のカギになるのではないでしょうか。


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、ライターとして独立。年間200組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


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