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「安すぎる車検はちょっと怖い」…?整備歴27年プロが教える“追加修理”を招く見積もりの落とし穴

  • 2026.2.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

「できるだけ安く済ませたいけど、安すぎる車検はちょっと怖い」――このような声をよく聞きます。

ですが、車検は単純に安いから危険、高いから安心と分けられるものではありません。大切なのは、金額よりも内容に納得できるかどうか。専門知識がなくても判断できる視点を持てば、自分に合った選び方ができます。

価格が違うのはなぜ?車検の中身をシンプルに理解する

車検の金額に差が出る最大の理由は、どこまで整備するかの方針の違いです。

いわゆる格安車検は、多くの場合、検査に通るための最低限の確認と調整が中心となります。

一方、やや高めの車検では、次の2年を見越して消耗部品の点検や予防整備まで提案し、修理・整備を行うことが多いです。そのため、部品交換が入ると当然ながら総額は上がります。

つまり価格差は、良し悪しというより整備範囲の違いです。

今後どれくらい乗る予定なのか、走行距離は多いのか少ないのかによって、合う内容は変わります。まずは「この見積もりはどこまで含んでいるのか」を確認することが第一歩です。

「通すだけ」と「整備する」の違いとチェックしたいポイント

車検には大きく分けて、「通すことを目的にした車検」と「状態を整える車検」があります。どちらを選んでも違法ではありませんが、考え方が違います。

チェックしておきたいのは、ブレーキやタイヤ、バッテリー、オイル漏れなどの安全や走行不能につながりやすい部分です。これらの状態について説明があるかどうかで、点検の深さが見えてきます。

また、追加整備の提案は珍しいことではありません。分解して初めて分かる劣化もあるため、作業前に点検内容の説明とできれば金額提示してもらうと安心です。その際、必須なのか、予防なのか、今回は見送れるのかを分けて説明してくれるかが信頼ポイントになります。不要だと思えば断っても問題ありません。

一方で、車検は、点検や分解作業が重なるタイミングです。関連する部品や不具合を同時に直せば、別日にあらためて整備するより工賃が抑えられることもあります。提案は押し売りかどうかではなく、タイミングとして合理的かで判断すると納得しやすいでしょう。

格安車検の1か月後ほどでベルトから異音が出て、相談に来られたお客様がいました。結局、追加修理が必要となり、最初から状態確認と整備をしていれば不要だった費用が発生し、車検代と整備代を支払うことになってしまいました。

このような事例から見ても、価格だけでなく、点検の中身を見ることが重要です。

見積もりとお店は納得できるかを基準に決めよう

見積もりを見るときは、法定費用と整備費用が分かれているか、作業内容が具体的に書かれているかを確認しましょう。「一式」ばかりの表記より、項目ごとに説明がある方が安心です。加えて、整備先の対応についても重要なポイントになります。

ただし、車検の見積もり段階では分解点検を行っていないため、すべての整備内容が最初から細かく書かれていないこともあります。検査項目(ライト、スピードメーター、ブレーキ、下回りなど)のみが記載され、実際に整備を進める中で追加項目が出てくるケースは珍しくありません。

そのため、追加整備が出るかどうかではなく、追加が出たときに事前説明と金額提示があるかを確認することが大切です。作業前に相談してくれる体制であれば、不要なものは見送り、必要なものだけ選ぶことができます。

質問にやさしく答えてくれる、専門用語をかみ砕いてくれる、選択肢を示してくれる――こうした姿勢があるところは、結果的に満足度が高くなりやすい傾向があります。

車検は、いくらかだけでなく、なぜその内容なのかに納得できるかどうかで選ぶものです。判断の軸をそこに置くだけで、あとから困る可能性はぐっと減らせます。

この機会に車検の整備ポイントを押さえて、専門知識がなくても安心して比較・判断できるようにしておきましょう。


ライター:河野みゆき

自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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