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「90万の見積もりが半額以下に?」輸入車オーナーが知らないと損をする“請求書の盲点”

  • 2026.2.21
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

「同じような修理内容なのに、輸入車は高いと言われた」「車検の見積もりを見て、想像以上で驚いた」といった声は少なくありません。

ただ、整備現場の目線で見ると、単純に輸入車だから高い、国産車だから安いという話ではありません。請求書の金額の裏には、工賃の考え方・部品の基準・交換の方針といった違いがあるのです。

今回は、優劣ではなく、請求書の中身に注目して、修理費用差の理由をわかりやすく整理します。

修理費に差が出る理由は「工賃」と「部品基準」

「輸入車の修理費は高い」と感じる大きい原因のひとつが、工賃設定です。整備工場やディーラーは、時間あたりの工賃単価を持っています。修理をするためには、専用診断機や特殊工具、技術情報への投資が必要になり、その分が工賃に反映されます。

さらに、作業時間の基準も違います。同じブレーキ交換やオイル漏れ修理でも、整備マニュアル上の標準時間が長く設定されている車種があります。構造上、分解工程が多いケースもあり、同じ作業名でも作業量が違うことは珍しくありません。

部品面でも差が出ます。ブレーキ、オイル、バッテリー、センサー類などの消耗品は共通ですが、輸入車は適合規格やメーカー承認が細かく指定される傾向があります。そのため、汎用品ではなく純正品を使う必要があり、単価が上がりやすくなるのです。

以前こんな経験をしました。輸入車を所有しているAさん。走行中に足回りから異音を感じてディーラーで点検を受けました。診断の結果、足回りの関連部品をユニット単位で交換する必要があると判断され、見積もりは約90万円。安全面を最優先したメーカー基準に沿った提案でしたが、金額の大きさに驚き、念のため街の整備工場にも相談することにしました。

そこで改めて点検したところ、原因は一部のゴム部品の劣化と判明。機能に問題のない周辺部品は再使用し、劣化している箇所だけを汎用品でピンポイント修理する方法を選択しました。結果として、修理費用は半額以下で済んだのです。

ディーラーと街の整備工場では整備の進め方が少し違う

修理費用の差が出るポイントのひとつに、「どこまでを交換対象として判断するか」という整備の進め方の違いがあります。

メーカー基準に沿った整備では、不具合が出ている周辺を含めてユニット単位で交換します。これは安全性や再発防止を優先した考え方で、品質を安定させやすい方法です。その分、部品代がまとまった金額になってきます。

一方で、街の整備工場では、車の状態や不具合の原因を確認したうえで、修理方法をいくつかのパターンで提示するケースもあります。ユニットで交換する方法と、単体部品の交換や補修で対応できる方法があるのかを見極めて、作業内容を決めていく流れです。

ただし、どちらが優れているという話ではありません。電子制御が複雑な車両やメーカー特有の診断が必要なケースでは、専用設備と最新情報を持つディーラーのほうが確実な場合もあります。

大切なのは、金額の違い=良し悪しではなく、整備の目的と基準の違いが反映されていると理解することです。説明内容に納得できるかどうかを基準に選びましょう。

請求額ではなく整備の中身で判断しよう

輸入車の修理費が高く見える理由は、ブランド料ではなく工賃基準や部品規格、交換単位の違いにあります。大切なのは、総額だけで判断しないことです。どこまで交換しているのか、なぜその部品を使うのか、他の修理方法はあるのか、ここを確認するだけで納得度は大きく変わるでしょう。

ディーラーが向いているケースもあれば、経験豊富な街の整備工場が適しているケースもあり、年式や走行距離、今後の使用予定によっても最適解は変わります。

高い、安いではなく、整備の考え方の違いとして請求書を見ること。これが、後悔しない整備先選びのいちばん確実な方法です。


筆者:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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