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新築用の土地は「4tトラックが入れない…」300万円も格安だったのに…30代夫婦が絶句した“見積書の金額”【一級建築士は見た】

  • 2026.2.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「エリアの相場より300万円も安い土地を見つけたんです。ここなら、憧れの海外製食洗機も、こだわりの無垢床も叶えられそうで」

そう語るのはSさん夫婦(30代夫婦+子ども2人の4人暮らし)。

道路から細い路地を通って奥に敷地が広がる、いわゆる旗竿地でした。

「路地の幅は2mあるから、軽自動車なら通れるし、奥まっているので静かでプライバシーも守れます。いい買い物ですよね?」

ただ、その安さの背景には建築コストが上がってしまう可能性が隠されていました。

見積書に並んだ「運搬費」という項目

いよいよ工務店との契約が視野に入った段階で、Sさん夫婦は見積書を見て手が止まりました。そこには、あまり聞き慣れない項目が並んでいたからです。

  • 運搬費(積み替え・手運び):100万円
  • ガードマン配置費用:30万円

「えっ、家を建てる場所は決まっているのに、何を運ぶのに100万円もかかるんですか?」

Sさんの問いに対し、工務店の担当者はこう説明しました。

「お宅の前の道と路地が狭くて、4tトラックが敷地近くまで入れないんです」

なぜ「4tトラック不可」がコストに影響するのか

住宅建設に使う木材や石膏ボードなどの資材、キッチンなどの住宅設備は、通常は4tトラックで現場近くまで運ばれてきます。ところが、現場に直接入れない場合、次のような工程が追加され、結果として費用が増えやすくなります。

1. 積み替えが発生する
広い場所で配送トラックから軽トラックや1t車へ資材を載せ替える必要が出ることがあります。載せ替えには人手と時間がかかります。

2. 運搬の往復回数が増える
4tトラック1台分で済む荷物が、軽トラックでは複数回の往復になる場合があります。その分、人件費や車両費がかさみやすくなります。

3. 交通整理が必要になる場合がある
前面道路が狭いと、荷下ろしの間に通行がしにくくなることがあります。この場合、現場状況によってはガードマン配置が必要になることもあります。

4. 「手運び」が増えることがある
クレーン車(重量物を吊り上げる車両)が十分に寄り付けないときは、敷地内の運搬を人力で補う場面が出ることがあります。

このような要因が重なると、土地代で抑えた分の一部が、運搬関連の追加費用に回るケースもあります。

「土地の入り口」チェックポイント

土地探しの場面では、不動産会社から「接道義務(建築基準法上、幅2m以上で道路に接している必要があるルール)を満たしているから大丈夫」と説明されることがあります。

ただ、建築士の視点では、法的に建てられるかに加えて「工事の物流(資材搬入)が成立するか」も確認します。

・電柱や標識が邪魔をしていないか
路地幅があっても、入口付近に障害物があると車両が曲がりにくいことがあります。

・前面道路の幅員は十分か
道路が狭いと、停車や荷下ろしの段取りが難しくなる場合があります。

・クレーン作業の余地があるか
上空に電線が多い場所などは、作業効率が下がり、工程が延びる要因になり得ます。

土地の価格は「家を建てるための物流費」を含めて判断する

Sさん夫婦は最終的に、オプションの一部を調整することになりました。

「こんな費用がかかるなら、もう少し高くても車両が入りやすい土地にしておけばよかったかもしれない」

気になる土地が見つかったら、契約前に建築士や工務店の担当者に現地を見てもらい、「この土地、4tトラックは近くまで入れますか?」と確認してみてください。

その一言が、思わぬ予算オーバーを防ぐきっかけになるはずです。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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